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TVA『C』で主人公・余賀公麿を演じる内山昂輝さんにインタビュー

『モノノ怪』、『空中ブランコ』の中村健治監督が手がけるTVアニメ『C』好評放送中!主人公・余賀公麿役の内山昂輝さんインタビューをお届け!!

 『モノノ怪』、『空中ブランコ』の中村健治監督による、“マネー”をテーマに、近未来の日本を鋭く描いたTVアニメ『C』。その斬新さにアニメファンだけでなく、経済紙などでも取り上げられるほど話題となった。
 そんな『C』の魅力と人気の秘密を探るべく、主人公・余賀公麿役の内山昂輝さんに直撃インタビュー!

●中村健治監督の緻密な世界観と独特な演出が絶妙なオリジナルアニメ『C』

――『屍鬼』、『IS』そして『C』で主役ということで、すっかり木曜夜の男ですね。

内山昂輝さん(余賀公麿役/以下内山):しかもタイトルが全部短くて(笑)。“ノイタミナ”には『屍鬼』で初めて参加させていただきましたが、こういうハードなアニメもTVで発信できるんだと新鮮な驚きを感じたんです。それから“ノイタミナ”はすごく気になって。たまたま“ノイタミナ”の公式HPを見たら『C』と『あの花』をやることを知って「出たいな」と思っていました。でも、「さすがにもうキャスティングは終わってるだろうな」と思ってたら、『C』のオーディションの話をいただいて。それが2月のことで正直、驚きました(笑)。

――『C』は『モノノ怪』や『空中ブランコ』でおなじみの中村健治監督の作品です。

内山:まずオリジナル作品で、しかも監督はあの中村健治さんと聞いたら、やりたくなりますよね。そしてオーディションの前に作品の内容やキャラの設定が書かれた資料をいただいたら、今までにない作品で、現代社会を独特の視点でシビアに描いたアニメということですごく興奮して。その時の高いテンションのまま、ずっと収録に臨んでいたら、いつの間にかあと残り1回というところまで来てました。

――毎回、カット数が多くて、展開もすごく速いですね。

内山:中村監督独特のアクションつなぎというか、しゃべっている間にカットが変わって、口のアップになるとまた元に戻るという演出とか、本当に手間がかかわることをやってますね。これだけよくできた設定や世界観、魅力的なキャラがいるのに1クールなんてもったいないとみんな思ってます。台本もギリギリまでそぎ落として作られてる感じがあって。1話なんて60分くらいあるんじゃないかというくらいの分厚さでしたから。濃密な物語を毎回 30分で、なおかつ1クールに凝縮するぜいたくさもあるし、惜しいなという気持ちもあって。複雑です。


●公麿はセリフの中に心の葛藤が見える、やりがいのあるキャラ

――金融街という異世界でマネーと自らの未来を賭けたディールと呼ばれるバトルが開催され、それが現代社会に大きな影響を及ぼすという設定とストーリーに衝撃を覚えました。

内山:金融界から現実社会に流入するミダスマネーは誰かの未来を担保として生み出されているわけで、それを他のことにガンガン使ってしまうとその人の未来が失われてしまいます。作品中でも実際、ディールで敗れた人の未来が変わってしまって。その影響がいち個人から国全体の問題にまでつながっていくという。
設定がすごく緻密に構築されてるんですよね。収録が始まる前に分厚い資料を渡されて。作品や世界観の説明などが書かれた資料のほかに、ディールでアセットが繰り出す技、フレーションにも経済学の用語が反映されているので、『M&A用語集』とか渡されて。公麿と一緒にテスト勉強しているような気分になりました(笑)。

――演じる公麿はどんなキャラクターなのか、ご説明いただけますか?

内山:経済学部の大学生だけど、バイトを掛け持ちする貧乏学生のためか、2年生から公務員を目指すほどの安定志向の男の子です。

――演じる時に心がけていることや苦労していることはありますか?

内山:作中では説明口調のわざとらしいセリフが一切ないのがいいですね。あと公麿がしゃべり始めるとき、「えっと、その……」や「あっ! でも……」とか入ることが多くて、公麿の戸惑いや葛藤がとてもリアルに感じられるんですけど、どうしゃべり出したらいいのか、毎回考えなきゃいけない難しさもあって。単調にならず、かつナチュラルに聞こえるようにというハードルの高さがありますが、やりがいを感じます。


●公麿のパートナー、真朱の強さとかわいさに注目!

――公麿はクラスメイトの羽奈日がひそかに好きで。でも金持ちの彼氏がいるんですよね。その気がないのに公麿に優しいのなら、思わせぶり過ぎると思います(笑)。

内山:好きになっちゃいますよね。面倒見がいいんだと思うけど。公麿のバイト先に会いに来ておいて、彼氏も連れてくるし。監督は無意識的な小悪魔と言ってました(笑)。

――ディールでコンビを組むアセットの真朱ですが公麿に対していつもイライラしてます。

内山:そうなる気持ちもわかります(笑)。短気でいつもツンツンしてるけど、かわいいし、ディールで炎を使った攻撃がカッコよくて、魅力的な女の子です。

――初ディールで真朱が圧倒的な強さを見せたのは驚きでした。新人アセットなのに……。

内山:アントレが持つアセットの能力値表で真朱は強く設定されてて、そのおかげで勝ってるというセリフが、謎の女性調査員ジェニファー・サトウのモノローグにもありました。アセットは各アントレの未来を反映して、その未来を担保にしてディールで戦ってるんです。あっ、ディールに出てくるアセット達のデザインをいろいろなクリエーターの方が担当されているのでそこも見どころですよ!

――お気に入りのキャラを教えてください。

内山:真朱はおもしろい子ですよね。公麿にもガンガン突っ込んでくるし、いいコンビですよね。割と感情を読みにくいキャラが多い中で一番わかりやすいかもしれません。公麿が金融街に足を踏み入れたことで誕生した子なので、あらゆる出来事が新鮮なんですよね。公麿がカップラーメンを食べているのを見て「それ何?」と興味を持ったり、三國とQが手をつないで歩いているのを見て、手をつなぐ意味を聞いてみたり。この後、ラブストーリーっぽい感じにもなったりして、どうなるんでしょうか? お楽しみに。


●公麿はディールを通じて苦悩し、成長していく

――公麿は掛け持ちでバイトする貧乏学生だったのに数話の間に、アントレに選ばれて、初ディールで勝ったと思ったら、初黒星も喫して。前半だけでも、かなり波乱万丈ですね。

内山:負けた時は小差で授業の単位を落とすぐらいで済んだけど、ディールで人生が変わっちゃうのは恐ろしいですよね。金融街で破産した人は未来を失って、実際の人生も破たんしてしまう。その設定を聞いて、すごくおもしろいなと思った反面、怖さも感じました。大きな勝負になるほど現実社会への影響も大きくて。

――公麿が通う大学の講師・江原とのディールでその恐ろしさを実感したのでは。

内山:ディールの前には2人子供がいて、奥さんも妊娠していたのに、勝負で負けたら子供がまったくいなくなって、奥さんも子供がいた記憶を失ってて。「その事実を共有できるのはもう君しかいないんだ」というセリフは重かったですね。しかも公麿を責めるわけでもなく、「君は勝ち続けなさい」と言われて。それはつらかったと思います。でも、このエピソードで、ディールによって不幸な人を出したくないと決意してディールと向き合うようになったので、公麿にとって大きなターニングポイントになった気がします。

――僅差の結果になれば現実社会にあまり影響を及ぼさないということ知ると、常にギリギリのディールになることを覚悟しました。

内山:ディールをコントロールするということなので、難易度が高い。だから負けてしまうこともあって。安定したディールを行うことで、現実社会への影響を最小限にすることを目的にしつつ、金融街を支配しようとしているのが三國率いる椋鳥ギルドです。金融街で一目置かれるほどの三國がなぜ公麿に興味を持ったのかはまだ明らかではないんですよね。そして中盤では三國のアセット、Qとの関係など謎も徐々に明かされていきます。

――6話で戦わずに現実への影響をなくそうとする宣野座とのディールで苦悩しました。

内山:ディールで得たお金で国債を買い進めることで「現在」を守ろうとする三國、「未来」を信じる宣野座、二人共方法はまったく違っても日本を救いたいという気持ちは同じで。だから宣野座に勝った後、これで本当に良かったのか、悩むのもわかります。


●刺激的でガツンとくるアニメを見たい人に『C』はオススメ!!

――放送も後半に差し掛かってきました。今後の見どころを教えてください。

内山:公麿が苦悩する間にも現実社会はどんどん悪化していきます。危機的な状況になった時、公麿はどう行動するのか。そして三國は……とスリリングな展開になっていくので注目してほしいです。あとは公麿と真朱の関係がどうなっていくのかも気になります。片想いだった羽奈日とは……どうなるのかなあ(笑)。

――最後に、この作品の魅力や素晴らしさをお伝えいただけますか?

内山:金融界の仕組みも、ディールには666秒という制限時間があったり、投資すると攻撃する武器もグレードアップしたり、アセットそれぞれに能力値が設定されていたりと練られた世界観なので、じっくり見応えがあると思います。
入口は真朱やQがかわいいとかでもいいと思うんです。でも見続けていたら経済に詳しくなっていたり、日本が置かれている状況を認識できたり、お金について深く考えるきっかけになったり、現在と未来の時間軸の関係に興味を持ってみたり、いろいろなものを与えてくれる作品になっていると思います。決して甘くはないけど、刺激的でガツンとくるアニメを見たいと思っている人には自信を持ってオススメですので、ぜひ見てください!

<取材・文:永井和幸>

「C」
毎週木曜24:45~フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送中
関西テレビ毎週火曜日25:58~、東海テレビ毎週木曜日26:05~、
さくらんぼテレビ毎週土曜日25:05~、BSフジ毎週土曜日25:30~放送中

DVD&ブルーレイ『C』第1巻
2011年8月19日発売
DVD 3,990円(税込)
ブルーレイ 5,040円(税込)
発売:フジテレビ・東宝

>>TVアニメ『C』公式サイト

(C) 『C』製作委員会
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