遂にロボ部が本格始動! 夢の巨大ロボット建造企画「ガンヴァレルをつくろうプロジェクト」スタート!! 『ROBOTICS;NOTES』プレイレビュー
2012年6月28日(火)に5pb.より発売予定のプレイステーション3、Xbox 360向けアドベンチャーゲーム『ROBOTICS;NOTES(ロボティクス・ノーツ)』。拡張現実が発達した2019年の種子島を舞台に、中央種子島高校「ロボット研究部」での若者たちの熱き挑戦や世界の平和を脅かす物語が展開される。
物語の序章で廃部の危機を免れたロボ部の次の課題は、正義の巨大ロボ「ガンヴァレル試作1号機」、通称「ガンつく1」を完成させること。しかし、ROBO-ONEで獲得した賞金は学内規定により来年からしか使えないことが発覚! そのうえ、新しくロボ部に入った日高昴に「ガンつく1は、今のままではまともに歩くことすらできない」と指摘され……。相変わらず前途多難なロボ部の運命は!?
ちなみに、『ROBOTICS;NOTES』体験版の内容に関しては、以前掲載された体験版レビュー記事の方を参考にしてほしい。
■チュウタネロボ部ってどんなとこ? 徐々に明かされていくそれぞれの苦悩
のんびりと時間が流れる島の環境と、いつもマイペースに活動する部活風景から、一見楽しいことだらけに見える「ロボ部」。だが、メンバーたちは人に言えないところでそれぞれに思い思いの悩みを抱えている。ここでは、「PHASE 03」までに明らかになるメインキャラたちの主なキャラクター像や謎について言及していく。
●八汐海翔(CV:木村良平)
中央種子島高校の3年生。ロボ部に所属しているが、本人は全くロボに興味がない。
とあることがきっかけで、重度の格闘ゲームマニアになる。現在はポケコンで遊べるロボット格闘アクション『ガンヴァレル キルバラッド ON-LINE』、通称『キルバラ』にドハマり中。作中でも時間や場所を問わずしょっちゅうプレイしており、「UMISHO」というハンドルネームで全国ランキング5位まで上り詰める。「俺に言うことを聞かせたいなら『キルバラ』勝負で勝ってから」というのが口癖になっており、そのポリシーのせいで周囲のクラスメイトからは変人扱いされている。
「あねもね号集団失神事件」以来、「エレファントマウス症候群」という病気に悩まされており、海翔がストレスを感じたり疲れが溜まると発症する。ひとくくりにエレファントマウス症候群といっても人によって様々な症状が確認されているため、自身の病名を「スローモー」と名付けた。海翔の場合は、現実の1秒を30秒ほどに引き伸ばして体感できるため、通常の人間では不可能な超反応を可能にしている。スローモーがいつ発症するか分からないため、なるべくストレスのかからない生活を心がけると共に、海翔なりにあき穂のことを裏から支えている。
●瀬乃宮あき穂(CV:南條愛乃)
中央種子島高校の3年生。ロボ部の部長で、姉である「瀬乃宮みさ希」が始めた巨大ロボ建造を成し遂げることを目標にしている。まとまりのないロボ部にモヤモヤした気持ちを抱えつつも、ひとりでガンつく1の製作作業を進めている。
作中で大流行したロボットアニメ『機動バトラー ガンヴァレル』の大ファンで、ロボにかける情熱は人並みならぬものがある。部費のことで教頭先生ともめたり、ロボ部が円滑に作業を進められるようにJAXAやスペースアメ社に単身で交渉しに行ったり、かなりアクティブな一面が見られる。赤い彗星のあの人を敬愛しており、作中でも赤メガネを装着してセリフを引用するシーンが度々ある。
海翔と同じく「あねもね号集団失神事件」の被害者で、「エレファントマウス症候群」にかかっている。ただし、症状は海翔と間逆で、現実の約5分を主観で1秒ほどに圧縮して体感するというもの。発症後はひどく疲れた状態になるため、自力で移動することすら難しい。なるべく他人に迷惑をかけないよう、海翔とは常に互いをフォローし合えるように約束している。
●日高昴(CV:細谷佳正)
中央種子島高校の2年生。中学生の頃、ROBO-ONEにひとりで出場して3位を獲得したほどの実力者。ロボット工学に精通しており、あき穂からしつこくロボ部に勧誘されるも断り続けている。
PHASE 01の後半で海翔に弱みを握られたことから、半ば強引にロボ部に入部させられる。無理矢理な勧誘だったものの、元々ロボを愛する気持ちはあき穂にも負けていない。ロボの見た目より機動力や機能を優先する現実派のため、夢ばかり語るあき穂とは度々意見が衝突している。
漁師である厳格な父とは、過去に進学先のことで口論になり「今後、ロボには関わらない」という約束を交わしている。『キルバラ』の操作方法をホビーロボットに取り入れたロボ部の発想を評価しており、海翔をオペレーターに据えてROBO-ONE世界大会に望もうとするが……。ロボ部で練習しているところを父親に見つかってしまい、殴り飛ばされてしまう。父に咎められた昴は、ショックから一時ロボ部に姿を見せなくなる。
●大徳淳和(CV:徳井青空)
中央種子島高校の3年生。気弱な空手少女で、人前に出ることが大の苦手。かなりの努力家で、日々空手の型で鍛錬を積んでいる。
過去のトラウマから等身大のロボを苦手とするが、海翔に誘われてロボ部の見学に来たことから、あき穂に勧誘されて入部することに。自分はロボ部で役に立っていないと卑下する反面、入部当初からあき穂のことをしっかりと手伝ったり、スペースアメ社の社長の前で型を披露したりと、かなりロボ部に貢献している。
都市伝説マニアで、気になる事件については自分で資料を集めたり実際の現場に立ち寄ったりしている。宇宙ヶ丘公園の幽霊について海翔から相談を受けるも、オカルト話については一切ダメな怖がりや。海翔と一緒に宇宙ヶ丘公園や千倉の岩屋を巡った際に、ここ近辺で起こっている不思議な現象について語ってくれる。
●神代フラウ(CV:名塚佳織)
『キルバラ』を開発した天才プログラマー。母親を探すため、廃墟ホテルを買い取って種子島に引っ越してきた。重度の@チャンネラーで、現在では死語となったネットスラングを多用するため、周りの人間がついていけないことも多々。
根暗な引きこもりのため、リアルでのコミュニケーションが苦手。普段は自宅で自作botの「ゲンキ」や「ロゼッタ」と会話している。日差しにめっぽう弱くなかなか外に出たがらないため、あき穂が歓迎会を開いた際にもテレビ電話で参加するという異色の方法をとった。「デュフフ」という笑い方が特徴的で、常にふざけた態度で周りからは変人と称されている。
後に、海翔の能力を見込んで『キルバラ』でチーター狩りの話を持ちかける。リーダーボード上位3人がチーターだと睨んだフラウと海翔は、『キルバラ』で対戦してチートの証拠を掴もうとするが……。その際に、フラウからアニメ『ガンヴァレル』最終回が放送中止になった理由や、自分の母親について語られる。
●愛理(CV:釘宮理恵)
海翔が宇宙ヶ丘公園で見つけた謎の美少女。海翔のことを「お兄ちゃん」と慕ってくる。天気の話が好きなのか、何かあるとすぐに各地の天気予報を始める。
愛理は『居ル夫。』の開発者である「君島コウ」と深く関わっているため、「君島レポート」を探索するには愛理の助けが必要不可欠となる。初登場の際、「その目、だれの目?」という彼女の発言に胸が高鳴ったファンも多いはず(セリフの意味を知りたい方は、シリーズ1作目の『CHAOS;HEAD』をプレイしよう!)。
今回、紹介した人物の中でも特に謎が多い愛理だが、今後はどのような形で物語に関わってくるのだろうか?
と、このようにまだまだ物語序盤にも関わらず、次から次へと新たな謎が提示され、『ROBOTICS;NOTES』の世界観がどんどん広がっていく。また、ロボ部のメインキャラ以外にも、ロボ部初代部長で現在は顧問をしている教師の「長深田充彦」や、あき穂が頻繁にお世話になっているロボクリニックの経営者で淳和の祖父でもある「藤田鉄治」など、個性豊かなキャラも続々と登場する。さらに、「PHASE 03」の最後には、前作『STEINS;GATE』ファン待望の「あの人」の姿も……!?
■物語は陰謀論を巻き込み核心へ……ポケコントリガーで空想と現実が交差する!? 種子島に隠された世界の真実を暴け!
今回、レビューするPHASE 02~03の間では、君島コウの謎に迫る海翔と、ガンつく1の制作に取り掛かるあき穂の話を中心に展開する。物語は、海翔がとある場所で陰謀論が記された「君島レポート」なるA.R.アノテーションを見つけたことから、世界の闇に隠された影がチラチラと見え始める。「君島レポート」は『居ル夫。』を介してしか見つけられないため、これまでは物語の補助的な役割しか果たしていなかった『居ル夫。』が今後は重要な鍵となりそうだ。
海翔やあき穂以外の部員も、現時点では昴はROBO-ONE世界大会、フラウは『キルバラ』のチーター狩りと、それぞれやっていることが全く違い気持ちはバラバラな印象。しかし、そんな中でも新入部員の歓迎会が行われたり、スペースアメ社がロボ部のスポンサーに決まったりと、ロボ部の活動は着実に進展し、いくつかの問題を乗り越えることで部員の絆が深まっている様子が伺える。
また、海翔やあき穂、他にも種子島の多くの人物の心に残る「みさ希」の過去についても少しずつ明らかにされていく。現在、エグゾスケルトン社の広報として働くみさ希とは、あまりにもかけ離れた姿だけに「何があったのだろう?」と気にせずにはいられない。
今回、筆者がプレイした「PHASE 03」までには、これまでのシリーズにあったような身体が千切れそうになるほどの疾走感はまだ感じられなかったが、これは明らかに「溜め」の時間。体験版で味わった青春物語のような爽やかな展開から、徐々にシリアスな方向へと引き込まれていく。
「あねもね号集団失神事件」に始まり、「君島コウ」や「かもめかもめ」など、気になるワードは本編だけでも大小合わせればキリがないほど散りばめられている。それに加えて「君島レポート」の内容や「ツイぽ」での噂話を加えると、その情報量はもはやメモを取っておきたくなるほど。ここまで大風呂敷を広げられると、シリーズファンならずとも、この物語をどう収束させていくのかが楽しみでならないはず。そして、最後に点と点が線で繋がったときの快感は本作でしか味わえない至極のものになることは間違いなしだ!
[レビュアー・マスカルポーネ山岡]
【製品概要】
<『ROBOTICS;NOTES』>
ジャンル:拡張科学アドベンチャー
対応ハード:プレイステーション3 / Xbox 360
発売元:5pb.
発売日:2012年6月28日(木)発売予定
価格:初回限定版 9,240円(税込)
通常版 7,140円(税込)
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