5thシングル『UNDER/SHAFT』歌う黒崎真音さんに直撃!

アニメ『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』OPテーマ歌う黒崎真音さんにインタビュー

 黒崎真音さん、通算5枚目となるシングル作品『UNDER/SHAFT』が10月17日に登場! この楽曲は、テレビアニメ『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』のオープニングテーマとしても放送中!! 10月14日(日)には、SHIBUYA-AXを舞台にしたデビュー2周年記念ライブも控えている。そんな黒崎真音さんの「今」をがっちり捉えてきた!!

黒崎真音さん

黒崎真音さん

●『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』っぽい楽曲=ヘヴィーさを重視というのは、わたしの中にもイメージとしてありました。

――最新シングル『UNDER/SHAFT』が10月17日に登場。この楽曲は、アニメ『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』のオープニングテーマとして流れています。まずは、この楽曲が完成するまでの経緯から聴かせてください。

黒崎真音さん(以下、真音):最初に『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』のオープニングテーマをという提案をいただき、内容についていろいろお話をさせていただいたんですけど、『ヨルムンガンド』という作品自体が、銃撃戦がすごく多かったり、人の生命の失われていく描写も多かったりという壮絶な物語なんだなと思いました。

 そこから、「この作品に合うとなると、ちょっとヘヴィーなサウンドで勢いやパワー感のあるロックな楽曲」というイメージが沸きあがり。今までにも楽曲制作に携わっていただいていたR.O.Nさんのことをすぐに想い浮かべました。

 その後R.O.Nさんのもとへ直接会いに行き、「こういった物語だから、こういうイメージで楽曲をお願いできませんか?!」というお話をさせていただいたところ、「わかりました」と快諾してくださったことから、まずはR.O.Nさんに楽曲制作をお願いすることが決まりました。

――疾走感があってヘヴィーな。この手の攻め入る曲って、真音さんの好きなタイプの曲調ですよね。

真音:そうですね。しかも『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』っぽい楽曲=ヘヴィーさを重視というイメージが、わたしの中にありました。実際に上がった楽曲でも、R.O.NさんがBメロ辺りにマシンガンを撃ってるような音を仕込んでくださったりなど、作品と楽曲のリンク性も上手く出ていると思います。

――真音さんみずから作詞をした歌詞も、『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』の世界観へ寄り添った内容になっています。

真音:アニメのテーマ曲を唄う以上、作品の良さを生かした楽曲にしていきたいというのは毎回思っています。今回は、「銃」にちなんだ言葉を歌詞に詰め込んでいます。ヒロインの武器商人であるココ(・ヘクマティアル)がアンダーシャフトと呼ばれていたり。冒頭で唄う♪Ready move♪も、原作の中で、銃撃戦が始まるときの掛け声だったり。そういうリンクした言葉を、疾走感を持った楽曲の随所に詰め込みました。

――歌詞に記した言葉は、どれも強いインパクトを持ってせまってきます。

真音:全体的にかなり強い言葉を選んでいます。AメロやBメロには、葛藤している心情や閉鎖された空間の中、心もがき、あがきながらも戦っている様を描きながら。サビでは一気に希望へ向かって振り切り走り出していく。そんな、1曲の中"葛藤している心情の中へ光を見せてゆく"歌にしていきました。

●『UNDER/SHAFT』のサビには、わたしと『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』の世界観の中、重なり合った感情の部分を記しています。

――心葛藤しながらも、しっかり光を求めようとしていく。そこが、この楽曲のポイントになっているところかなとも『UNDER/SHAFT』を聴いてて感じました。

真音:『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』の魅力の一つが、「戦うことを厭わないというか、戦うことで開いてく未来がある」ということだと思ったんです。10年後を…もっと先の何十年後を見据えたうえで、目の前にある紛争の中で戦わなきゃいけないという使命感。

 その使命感を持って前へ進んでいく主人公のココの目の前にあるのは、戦いによる絶望感なんだと思うんですけど。でも、「その先にある希望に向かって戦う」という矛盾も、そこには映し出されているんです。ある種それはグレイな存在でもあったりする。そこへ面白さを感じています。

――『UNDER/SHAFT』からは、絶望と光、その2つの表情が見えてきます。まさにサビの最後に記した♪崩壊と生きていく 明日を♪のように。

真音:壊すことが正しいことなのか悪いことなのか、そこは人によっても受け取り方が違うと思うんですけど。でも、「壊してみないことにはわからない明日があるんじゃないか?!」という感情こそ、『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』を通してわたしが受け取った気持ちだったので、その想いをサビの最後に持っていきたいなと思いました。

サビ頭の二行に記した英詞の歌詞は、『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』に寄り添った内容なんですけど。その後に続く日本語詞の部分は、わたし自身も感じている想いのように、自分と『ヨルムンガンドPERFECT ORDER』の世界観の中、重なり合った感情の部分をそこには記しています。
                   


●『Crimson roses』に掲げたイメージ。それが、「歪んだ愛情から消してしまった存在に、投げかけてる」ということ。そして、「被害者と加害者」。

――C/Wには、ドラマチック&ダークファンタジアな組曲系ナンバー『Crimson roses』を収録。この手の楽曲こそ、真音さんがプライベートで好んで聴いている世界観と非常に近しい感じじゃないですか?

真音:そうですね。わたしEvanescenceやWithin Temptationsのような女性ヴォーカルのゴシックメタルが、後ろで鳴っている音はすごく重いんですけど、それを女の子が懸命に唄っている楽曲がすごく好きなんです。

今回の作品を作るうえで、『UNDER/SHAFT』が持つ世界観と統一した内容に、『UNDER/SHAFT』を聴いたあとに繋がっていける雰囲気を1枚の中に出したいと思っていたことから、以前から作曲で何度かお願いをしていた斎藤真也さんに「ミュージカルっぽい要素の持った曲が欲しいです」とお願いしたんです。そうしたところ、わたしの音楽の趣味をわかってくださっている方だったこともあって、1曲の中、起承転結巻き起こるような『Crimson roses』という楽曲が誕生しました。歌詞でも、ストーリー性を重視した世界観を描いています。

――まさに、短編映画を見ているような楽曲に仕上がってますからね。

真音:サビ前まではロックバラードとして進みながら、いきなり転調し、スピードが速くなって激しくなったり。聴いていて「なんじゃこりゃ!!」と、嬉しい違和感を描きあげた楽曲のように、わたしとしてはすごく気持ちいい曲だなーと思っています。

 じつは今回のジャケット、「初回限定盤」の寝ている姿と「通常盤」のにらんでいる姿は対になっています。言葉にするなら「被害者と加害者」。

――被害者と加害者……ですか。

真音:歌詞の面でも「サスペンスっぽい要素を含みたいなー」というのがあって。そこで掲げたイメージが、「歪んだ愛情から消してしまった存在に投げかけている」ということ。歌詞には「悪魔」という存在が出てくるんですけど。自分が犯してしまった罪は、本当に自分の心が課したことなのか? それとも、悪魔に取り憑かれてやってしまったことなのか? そんな、いろんな心の葛藤が描かれていくんです。

 しかも最後には「おやすみ…」という言葉で終わらせているんですけど。それさえも、死んでしまったのか? 相手に対してただ言ってるだけなのか? といろんな捉え方が出来る内容になっています。

 このジャケットに映し出された姿は、同じ衣装の、同じ髪形の人物のように、同じ人物の心の葛藤を描いたことなのか? 心の中にある正義と悪の人物が殺し合いながら生きているのか? など、こちらもいろんな想像を膨らませていけると思います。

――今回「黒崎真音が殺人事件の被害者に!?」謎解きキャンペーン! も開催するそうですが、これはどういう内容なんですか?

真音:「初回限定版」「通常盤」それぞれのジャケットの中に、とある謎解き用のテーマがそれぞれ用意してあります。それらを『Crimson roses』の歌詞に照らし合わせると、一つの謎が解けるようになっていて。その答えを入力していただくと、『Crimson roses』の元となった短編小説を読むことが出来ます。そうすることで、『Crimson roses』という楽曲に込めた想いや世界観がさらに広がっていくはずですし。CDという作品自体も、より楽しんでいただけるかと思います。



●『UNDER/SHAFT』って武器商人という意味と同時に、「ちょっと変わってる人」「真ん中の軸からちょっとズレた線を進んでる人」という意味もあるんですね。それって、まさにわたしの姿にも重なることなんです。

――10月14日(日)には、SHIBUYA-AXで2周年記念ライブも開催します。もしや、この日も『UNDER/SHAFT』や『Crimson roses』は披露してくれるのでしょうか? とくに『Crimson roses』は、どんな風にライブの場で表情が変わっていくのか楽しみです。

真音:ライブではミュージカルっぽい要素も取り入れたパフォーマンスが出来たらなぁと思っています。同時にわたしは、「メタルで踊る」というライブを形作っていきたいと思っているように、そういったパフォーマンスも渋谷AXのステージには投影してみたいなと!

――2周年を記念してということは、渋谷AXのステージでは、これまでの歩みの集大成的な内容を考えているのでしょうか?

真音:もちろん、いろんなアニメソングを通してわたしのことを知ってくださった方も多いと思うので、わたしの代表曲や過去に歌ってきた曲も入れつつ。同時に未来を感じさせる、今後唄っていきたい音楽性を反映した楽曲も組み込もうと思っています。そういう面でも集大成と言いますか、「今までと、これから」を楽しんでいただけるライブにしていきたいなと思っています。

――完成した『UNDER/SHAFT』、改めて「どんな1枚」になったのか聴かせてください。

真音:『UNDER/SHAFT』には、本当にいろんな葛藤が詰まっています。「自分の立ち位置から見えるものが絶望だとしても、その先にある希望を見つめていきたい気持ち」を描写。この歌の最後のほうで♪You ready?Brace yourself!♪という掛け声を上げてるんですけど。そこには、「ここから行きますよ!!」という新しいスタートラインに立った気持ちを投影していますし。この歌自体を、わたしは「明日をつかんでいきたい」という気持ちで唄いました。

 『Crimson roses』は、「黒崎真音はこういう世界の中に住んでる人ですよ」というのを表現した楽曲。そういう、自分の芯となる部分を現せた歌になりました。とくに『Crimson roses』は変化球満載な曲。こういう、ちょっと変わった感じが好きなんです。

――変化球効かせたスタイルこそ、真音さんらしさになっていきそうな気もします。

真音:タイトルの『UNDER/SHAFT』って武器商人という意味と同時に、「ちょっと変わってる人」というか、「真ん中の軸からちょっとズレた線を進んでる人」という意味もあるんですね。それって、まさにわたしの姿にも重なることなんです。しかも『UNDER/SHAFT』の最後の最後で、ココの姿を投影した言葉♪I am UNDER/SHAFT♪と言ってるんですけど、その言葉にも、ココの気持ちと同時に、「ちょっと変わったわたしがいます」という意味も重ねています。

 わたし、「違和感」って大事だと思っているんです。その違和感が、気になるきっかけやひっかかりになることもあれば、その人の癖にもなっていくとわたしは思います。そういう自分の中の違和感をわたしも武器にしていきたいし、それを投影した2曲にもなっています。ぜひ、そこまで感じていただけながらこの作品を聴いてください。

――ありがとうございました!

初回限定盤ジャケット

初回限定盤ジャケット

通常盤ジャケット

通常盤ジャケット

◆『UNDER/SHAFT』/黒崎真音
発売日:2012年10月17日(水)
価格:
[初回限定盤]1,890円(税込)
 初回限定盤特典:DVD封入(本人出演のPV収録)
[通常盤]1,260円(税込)

【収録曲】※初回限定盤・通常盤共通
1:UNDER/SHAFT
作詞:黒崎真音/作・編曲:R・O・N(OLDCODEX)

2:Crimson roses
作詞:黒崎真音/作・編曲:齋藤真也

3: UNDER/SHAFT
4: Crimson roses


>>黒崎真音 GENEON UNIVERSAL OFFICIAL SITE
>>黒崎真音オフィシャルblog 「 サキクロ+イズム 」
>>アニメ『ヨルムンガンド』公式サイト

[インタビュー&文・長澤智典]

(C)2012 高橋慶太郎・小学館/ヨルムンガンド製作委員会
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