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『一週間フレンズ。』シリーズ構成の菅正太郎さんへインタビュー

ふたりの関係におけるスタート地点はこの物語のゴールになる。アニメ『一週間フレンズ。』リレーインタビュー番外編・シリーズ構成の菅正太郎さんへインタビュー!

 TOKYO MX、MBS、テレビ愛知他にて好評放送中のテレビアニメ『一週間フレンズ。』。原作は月刊「ガンガンJOKER」(スクウェア・エニックス刊)で連載中、葉月抹茶氏による青春グラフィティコミックです。

 本作品は明るく快活な男子高校生・長谷祐樹が、同じクラスの女の子と友達になろうとする日々を描く青春物語。だた、ひとつ普通ではなかったのは、その少女・藤宮香織は“一週間で友達との記憶がなくなってしまう”こと――。

 ひたむきさとせつなさにあふれた本作は、長谷祐樹役に山谷祥生さん、藤宮香織役に雨宮天さんというフレッシュなふたりの新人声優をキャスティング。加えて、長谷祐樹の親友である桐生将吾を細谷佳正さんが、クラスメイトの山岸沙希を大久保瑠美さんが演じます。

 アニメイトTVでは、そんな本作のキャストを務める声優陣のみなさんへのリレーインタビューをお届けしておりますが、今回はその番外編として、アニメ『一週間フレンズ。』のシリーズ構成を担当する菅正太郎さんへのインタビューを実施!

 これまで『有頂天家族』や、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』など人気アニメを担当してきた菅さん。祐樹と香織の物語にどんな思いを込めてシナリオを構成しているのか、ズズイッとお聞きしました!

●祐樹という男の子は何気にすごい男なんです
――はじめに、原作を読んだときの感想をお聞かせください。
菅:原作を読んだ時に思ったのは、自分にとって祐樹と香織はイメージが掴めないキャラクターだったということですね。

――そうなんですか? アニメは原作のイメージを壊さない物に仕上がっているので、そんな悩みがあったとは思えませんが。
菅:ふたりと僕は年齢が大きく違いますし、性格もまったく違うので、彼らがどんな思いを抱えて話しているのか、読んだだけでは理解できない部分が多かったんですよね。そこで原作者の葉月先生や担当編集の方からお話を伺い、スタッフとディスカッションを重ね、そういった部分をしっかり描くようキャラクターを作っていきました。

――なるほど。作品のイメージを掴む上で何かポイントになった出来事などはあったのでしょうか?
菅:それは“祐樹はすごいことをしている”と気がついたことですね。彼は、友達になりたいというシンプルな願いのためだけに、怒鳴られて、嫌がられて、何度も拒絶されてしまう。しかし、祐樹はコミュニケーションすることを止めようとはしないんです。それは普通に考えたら図々しいことかもしれないけど、祐樹自身はいつも全力で、それこそが香織にとって心を揺さぶられる出来事だった。そんな“実は祐樹ってすごい男の子なのでは?”という気持ちで物語を読み返したとき、僕の中で彼をリスペクトする気持ちが芽生えたんです。

――記憶を失う特殊な境遇である香織ではなく、祐樹が作品のイメージを決めたと。
菅:もちろん、作品のイメージについてはディスカッションでさまざまな意見がありました。そんな中で祐樹の真っ直ぐなすごさという部分は、僕にとってイメージの掴みどころになりましたね。

●『一週間フレンズ。』は誰もが悩むことを真っ直ぐに描ける作品
――菅さんにとって本作の魅力とはなんでしょうか?
菅:誰もが気になっているシンプルなテーマを、小細工なしに描けることですかね。実のところ、この作品は「友達ってなんだろう?」という誰もが1度は悩んだことをテーマにしています。ただ、このテーマはとても繊細で、ド直球で描くと引いてしまう方も多いテーマでもあります。しかし、『一週間フレンズ。』では祐樹と香織のやりとりを通して、友達の定義という難しい悩みを、とてもシンプルに考えることができるんです。

――ふたりは友達になるための最初のステップを、何度も繰り返しているわけですからね。
菅:特に、男女の友達のラインというのは、いつの時代も見えにくいものですよね。この作品を見ている中高生の方々にとっては、リアルタイムでぶつかっている問題かもしれません。

――確かに、自分も学生時代に悩んでいた気がします(笑)。
菅:そうですよね。僕ら大人の目線で見ると、祐樹たちが抱える問題などは経験済みなことも多いので「そこはこうだよ!」と一歩引いたところで語れるのですが、当事者である祐樹にとってはとても大きな問題なんです。だからこそ、祐樹は常に全力投球で解決しようとするわけですし、それを悩むことで香織との関係が続き、物語が進んでいく。それがこの作品の面白いところで、魅力だと思います。

――なるほど。では、この後も引き続き「友達とは?」ということがテーマになるのでしょうか?
菅:そうですね。祐樹をきっかけにして、香織にはたくさん友達ができていき、彼女にとっての幸せが見えてくる。だけど、それによって祐樹は香織との関係性に悩みを抱え、さまざまな問題に直面します。みなさんには、その都度「フレンズ」というタイトルに立ち返って頂ければと思います。

――祐樹は大変ですね……。
菅:ただ、祐樹が諦めない限り、香織との関係は続いていくでしょうね。僕としても、最後に「祐樹よくやった!」とみんなに言ってもらえるよう粘っていきます(笑)。

●『一週間フレンズ。』は恋愛物語のプロローグ?
――祐樹と香織の関係性という部分については、これまでに行ったキャスト陣のインタビューでも、「この作品のハッピーエンドとは何か?」という話題で意見を交わしました。
菅:そうなんですか?(笑)

――ふたりにとってのハッピーエンドが“フレンズ”なのか“ラブ”なのか、という話もありました。
菅:なるほど。確かに、脚本においてもフレンズとラブのさじ加減というのは、非常に重要視している要素です。原作でも、まだその答えは出ていないですからね。ただ、どちらにせよ祐樹と香織の“フレンドという関係”が完璧に成立しないと、フレンズへと広がらないしラブにもなりえません。

――確かに、ふたりがフレンドにならなければ、どちらもありえない関係性ですね。
菅:ふたりがフレンドになるのがスタート地点であり、同時にゴール地点でもあるのが『一週間フレンズ。』なんだと思います。いわば、この作品は今後フレンズになるであろうふたりの物語でしょうか。

――ふたりがスタート地点に辿り着くまでの物語というわけですね。深い!
菅:だからといって、劇中でラブを描かないわけではないですけどね。むしろ、自分は恋愛物として脚本を書いているくらいです。だって、気になっている女の子とふたりっきりになって、ドキドキしない男の子なんていませんからね(笑)。テーマである「友達ってなんだろう?」を考えるうえでも、ラブの要素は必要なことなんです。

――なるほど。そのお話を伺っていたら、だんだんと本作が青春物語のプロローグ部分に見えてきました。
菅:もし、彼らの5年後とかが描かれるのであれば、どうなっているのかはわかりませんね(笑)。

――どちらにせよ、まずは友達からですね(笑)。それでは、最後に読者へのメッセージをお願いいたします。
菅:『一週間フレンズ。』は、表情や芝居などで魅せるドラマ作品として僕らは作っていて、祐樹の行動や香織の表情など、台詞意外の部分にたくさんの情報を取り入れています。あえて台詞を削って演出を増やすといった工夫をしている部分もあったりするので、細かい部分をお見逃しのないよう、映像の隅々までご覧ください!

――ありがとうございました。

 この作品を楽しんでいる人ならば誰しもが気になる祐樹と香織の関係性。お話をする中で、菅さんの構想するふたりの関係性には“友達とは何か?”という単純であり、答えが出しにくい問いに対する、ひとつの答えが存在しているのではないかと感じました。特に、中高生のみなさんにとっては、重なる思いもより多いかもしれませんね!

 さて、アニメ『一週間フレンズ。』リレーインタビューはまだまだ続きます。お次のゲストは香織の友達となるぽわっと系女子・山岸沙希を演じる大久保瑠美さん! ぜひ掲載をお楽しみに!

<<作品情報>>

◆放送情報
TOKYO MX:4月6日(日)より毎週日曜24:00
MBS:4月7日(月)より毎週月曜26:35
テレビ愛知:4月8日(火)より毎週火曜27:05
BS11:4月13日(日)より毎週日曜24:30
AT-X:4月9日(水)より毎週水曜21:00
※リピート放送:金曜9:00/日曜27:00/火曜15:00
※放送時間は変更になる場合があります。

◆作品情報
テレビアニメ『一週間フレンズ。』
2014年4月6日(日)より、TOKYO MXにて放送スタート
MBS、テレビ愛知、BS11、AT-Xでも放送

【イントロダクション】
僕は重ねる、二人の記憶。 私は巡る、二人の記録。

高校二年生の長谷祐樹は、普段から人と関わろうとせず、いつもひとりでいるクラスメイト、藤宮香織と友達になりたいと思い、彼女に話しかける。
だが、彼女は「私、友達の記憶…一週間で消えちゃうの…」とそれを拒む。
少年との思い出を失い続ける少女と、その思い出をひとつひとつ紡ぎあげていく少年―。
たくさんの“切なさ”と“ひたむきさ”が詰まった、珠玉のストーリー。

葉月抹茶氏(掲載:月刊「ガンガンJOKER」スクウェア・エニックス刊)による青春グラフィティコミックがテレビアニメ化。
「一週間で友達との記憶が消えてしまう」という香織と、それでもひたむきに彼女と友達になろうとする祐樹。
このふたりの主人公の心の機微を、『夏目友人帳』のブレインズ・ベースが繊細かつ美しいアニメーションで描いていく。
まっすぐなキャラクターの祐樹を真摯に演じるのは山谷祥生さん、香織の複雑な心情を表現するのは期待の新鋭・雨宮天さんと、フレッシュな2人を抜擢。祐樹の親友・将吾は細谷佳正さんが、天然系のクラスメイト・山岸沙希は大久保瑠美さんが演じる。
彼らがキャラクターたちに命を吹き込み、彼らの心の機微を表現していく。

【CAST】
長谷祐樹:CV.山谷祥生
藤宮香織:CV.雨宮 天
桐生将吾:CV.細谷佳正
山岸沙希:CV.大久保瑠美
藤宮志穂:CV.中原麻衣
井上潤:CV.間島淳司
【STAFF】
原作:葉月抹茶(掲載:月刊「ガンガンJOKER」スクウェア・エニックス刊)
監督:岩崎太郎
シリーズ構成:菅 正太郎
キャラクターデザイン:山﨑絵里
美術:伊藤 聖
美術設定:ヘッド・ワークス
色彩設計:歌川律子
撮影:塩川智幸
編集:今井大介
音響監督:本山 哲
音楽:戸田色音
オープニングテーマ:「虹のかけら」昆 夏美
アニメーション制作:ブレインズ・ベース
製作:「一週間フレンズ。」製作委員会

>>『一週間フレンズ。』アニメ公式サイト
>>アニメ『一週間フレンズ。』公式ツイッター(@1weekfriends)

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