ソードアート・オンラインの世界はすぐそこ!?　視線追跡で最高のVRを実現するヘッドマウントディスプレイ「FOVE」がクラウドファウンディング中！

　2015年5月19日、FOVE社は仮想現実 (以下、VR) ヘッドマウントディスプレイ「FOVE」を一般の消費者やゲーム産業に届けるため、Kickstarterを利用した資金調達を開始した。

「FOVE」のVR体験は、視覚を使った素早く正確な操作と、視線を交わすといったキャラクターとの人間らしいふれあいを通じて、VR世界に違和感なく入り込める、今までにない全く新しいもの。この「FOVE」の完成度を高めつつ新たな体験をもたらした、視線追跡技術をVRの世界に導入したいということで、今回のキャンペーンで25万ドルのクラウドファンディングを目指しているそうだ。

　クラウドファンディングの開始に先駆け行われたキックオフ発表会では、敵を目で見るだけで撃破できるシューティングゲームや、「FOVE」を用いてピアノを弾くなど、いくつか実際に稼働するサンプルが紹介された。首の動きにも対応してゲーム内の視野が移動し、その視線だけでコマンドを入力できるので、ゲーム産業への利用だけでなく、身体に障害を持っている人や、寝たきりの方がこれを用いてロボットを操作してコミュニケーションを取るといった福祉利用など、その可能性は計り知れない。

　実際に「FOVE」を用いたシューティングゲームを体験させてもらったところ、まずその正確な動作に驚いた。本当にプレイヤーが自身の目で見るだけでターゲットを撃破できるのだ。さながら目からビームを出しているような、現行のゲーム機とはひと味違ったゲーム世界への没入感は、非常に興味深かった。

　また、ほかの特徴として、プレイヤーの視線を感知することで、見ている部分だけにピントを合わせ、周囲の視界をぼかすといったこともできるそうだ。これにより人間の視界に近い描写ができるので没入感が増すだけでなく、VR酔いを起こしにくくなるという。さらに、ピントの合った部分だけを高解像度に、それ以外を低解像度にすることで、ゲームを遊ぶのに必要なマシンのハードルを下げることができるメリットもある。

　まさに、ゲームの中に自分が存在している感覚。FOVEのCEO・小島由香氏も"物語の世界との距離を縮めたい"もしくは"二次元が来い"と語っていた。そんな夢が叶う日も近いのかもしれない。この技術がさらなる発展を遂げれば、映画『アバター』のような映像の中に居る感覚や、それこそ『ソードアート・オンライン』のような仮想現実の中で冒険ができるような世界の実現も近いのではないだろうか。

■技術仕様
ヘッドマウントディスプレイ
重量：400g (予定)
形状：滑らかな高品質デザイン

ディスプレイ
寸法：5.8インチ (14.7 cm)
解像度：WQHD (2560 x 1440)
視野：100°以上
フレームレート：90 fps (予定)
低残光

視線追跡センサー
小型赤外線視線追跡システムを2つ装備
視線追跡精度 片目につき120fps

頭部追跡センサー
低遅延性6/9自由度慣性測定ユニット(DOF IMU)
低遅延性頭部位置追跡 (予定)

接続
USB 3.0
Display Port
デバイス上に3.5mm ヘッドフォン端子 (予定)

PC 動作環境
ディスプレイポートに出力できる個別のグラフィックスカードを装備
最新のゲームをWQHD (2560x1440)、100FPSまたはそれ以上で実行可能

>>Kickstarter