櫻井孝宏さん、津田健次郎さん、鈴村健一さんの巧みな掛け合いに拍手の連続!「AD-LIVE 2015」東京公演【1日目・昼公演】
鈴村健一さんが総合プロデュースを務める即興劇プロジェクト「AD-LIVE(アドリブ)」が今年もスタート! 9月12・13日の2日間行われた東京公演で、ついに幕開けとなりました。
6月に行われた出演者発表会のレポート記事にも記したように、「AD-LIVE 2015」は出演者数・公演数ともに過去最多。さらに、大反響を受けて全公演のライブビューイングまで決定するほどの人気ぶりを見せています。そんな“ツアー”の記念すべき第1ステージは、どんな内容だったのでしょうか? 本稿では、初日昼の部の模様をレポートします。
【出演者/9月12日@パルテノン多摩】
櫻井孝宏さん(過去5回出演)
津田健次郎さん(初出演)
鈴村健一さん
■ 舞台慣れした3人の掛け合いに拍手の連続! 東京公演初日・昼公演レポート
「AD-LIVE 2015」のテーマは“友達”ということで、物語は友達作りを斡旋するナゾの会社「TOMODACHI FACTORY」が舞台となりました。鈴村さんは同社社員・最上として顧客ふたりを引き合わせ、「60分間で友達になれるコース」をアテンドします。
顧客はもちろん、櫻井さんと津田さんが演じるキャラクター。「AD-LIVE」では、このふたりの“役作り”もアドリブのため、登場シーンは大きな見どころとなります。最初に姿を見せたのは、櫻井さん演じる本田。サングラスをかけた少々強面な人物で、客席からは大歓声とともにざわめきが起こりました。また、最上がいなくなったのを見計らって、どこかへ電話するという怪しい行動も……。なにやらただならぬ雰囲気を漂わせます。
一方の津田さんは、逆立てたグレーの髪に黒いレザーの服、フェイスペイントと、過激な風貌の男・死怒(本名:山本)として登場! 見事な作り込みに、観客からから驚愕の声があがりました。しかも、外見とは裏腹に性格は臆病なよう。電話のコール音に驚いたり、あたりをキョロキョロしたりと常に落ち着きません。これには、「ギャップ萌え」と本田。会話を重ねるにつれ“本田が死怒をいじって楽しむ”という構図が出来上がっていきました。
劇中では、最上の指示のもと風船割りやジェスチャーゲームといったゲームで仲を深めました。「宙を舞う紙吹雪を箸でつかむ」というミニゲームでは、挑戦者の死怒が見事キャッチし、本気でビックリ!! ……かと思えば、終盤では「ふたりのうちどちらかしか生き残れない」という命の選択をせまられるゲームも……。ここでは、ふたりの掛け合いが一気に緊迫したものに。緩急のある展開に、観客は息をのみつつ行く末を見守りました。
また、本作の特長のひとつである“アドリブワード”も当然ながら見どころに。これは、個々にさげている“アドリブバッグ”からランダムに引くもので、引いたら必ずセリフにとして盛り込まなければいけないという制約つき。つまり、良いワードを引く“運の良さ”もしくは、間の悪いワードすらも話題とリンクさせる“技量”が試されるのですが……3人とも見事に乗り越えます!
なかでも特筆すべきは、最上の勧めでお互いの秘密を明かすことになった場面。「“目は口ほどにものを言う”っていうじゃん? だから(秘密を)言わなくても良いんじゃないの?(“”内がアドリブワード)」と、サングラスかけっぱなしの本田が言ったばかりに、他のふたりがツッコミ! 「サングラスで隠れていて何も……」(最上)、「整理すると、ずーっとも喋ってない事になりますよね」(死怒)という連携プレーを見せました。これは、舞台慣れした3人だからこそなせるワザ、なのかもしれません。場内には大爆笑と拍手が生まれました。
役作り、ゲーム、そしてアドリブワード。どれをとっても予定調和にならない仕掛けの目白押し。観客はもちろん、演者までも「次の瞬間にはなにが起こるのか」と白熱する姿は、まさしく「AD-LIVE」の真髄と言えそうです。
ちなみに、「AD-LIVE 2015」は、全公演の映像化を発表済。本稿でとりあげた東京公演1日目を収録する第1巻は、2016年1月27日発売予定です。「TOMODACHI FACTORY」の全貌や、序盤で見せた本田の怪しい行動の真相、「ギャップ萌え」と評された死怒の挙動などなど、細かな部分はぜひ自身の目で確認してみてください! また、アニメイトTVではこれ以降の公演の模様もレポートする予定。そちらもお楽しみに!
[取材&文・松本まゆげ]
>>AD-LIVE(アドリブ) 2015 - AD-LIVE Project公式サイト