ミュージカルアニメ『Dance with Devils』連続キャストインタビュー！　第五回は棗坂シキ役・平川大輔さん

　TOKYO MXほかにて現在好評放送中、人気女性向けコンテンツメーカー・Rejet原案のオリジナルミュージカルアニメ『Dance with Devils（通称：ダンデビ）』。主人公の立華リツカと魔界のアクマたちをドラマティックに描いた新プロジェクトで、“ミュージカル演出”を取り入れた全く新しいアニメ作品です。放送にともない、メインキャストからお話をうかがいました。今回は、生徒会メンバー唯一の堕天使・棗坂シキ役を演じた平川大輔さんのインタビュー内容をお届けいたします！

──棗坂シキというキャラクターを演じてみていかがでしたか？

平川大輔さん（以下、平川）： シキ役はオーディションで決めていただいたのですが、そのときの資料に生粋のアクマたちのなかでシキだけが“堕天使”だということが書かれていました。ほかのキャラクターを（オーディション段階では）どなたがどんな風に演じられるのか分からなかったけれど、アクマというキーワードから一般的にイメージされるものとは違う、“堕天使”としての不協和音を表現して差を出せたらいいな、そのためにはどんな風に演じればいいのかな、などを考えてオーディションに挑みました。

そうしてシキ役に決めていただいて、収録前の説明会に参加したときに監督から、「気持ち悪く」、「ねっちょり、ねっとり」というキーワードをいただきました（笑）。実際に収録に入っても基本的には「気持ち悪く演じて」と言われることが多かったですね（笑）。他のアクマ達より背が低くて、一見可愛らしいビジュアルのシキですが、「声は低くていい」とも言われまして、そういったちょっとアンバランス？的な「気持ち悪さ」みたいなものも求められていたのではないかと勝手に感じています（笑）。

飄々としていて何を考えているのか分からないキャラクターですし、セリフを拾っていっても「何を考えてこの言葉を言ったのだろう」と悩まされることがあるくらいつかみにくいキャラクターですが、そういうところが彼の魅力だと思います。

でもだからといって、すべてがただ気持ち悪ければ良いというわけでもなく、「ここからここまでのセリフは至極まっとうな人でいて」という部分があったり、「ここからは気持ち悪く！」、「気持ち悪さの度合いを1つ上げて」なんて指示があったりして（笑）。普通の人間の生理では成立させづらい部分こそがシキの重要なポイントになっているんじゃないかなぁとも思いますね。

──ほかのキャスト陣から「シキが一番怖い」と聞きましたが、心当たりはありますか？

平川：よく分からないものへの恐怖心ってあるじゃないですか。シキのつかみどころのなさが皆さんのおっしゃる“怖さ”なんじゃないかな…と。でもシキのような癖のある役は好きだしやりがいがあります。遊びの幅も広くて楽しいですね。どう演じようかなとニヤニヤしちゃいます（笑）。

ちなみに僕はメィジが一番のお気に入りです。メィジの回をご覧になったら皆さんも大好きになると思いますよ！（笑）。

──それは楽しみです！　シキを中心に話が進む6話はいかがですか？　見どころを教えてください。

平川：6話に入るまでって、シキはあまり喋らないんですよね。「ゾクゾクするねぇ」って言ったり、ローエンと絡んだり（笑）くらいで、わりと「なんだコイツ？」と思わせるような部分を見せることが多くて、肝心なところはつかめないという流れになっています。

そんななか6話でいよいよリツカと一対一で会話をするシーンがあるのですが、今までと違う口調や表情が多くて収録のときにとても悩みました。5話まではセリフも少なかったので今まで自分が役作りしたものが間違っていたのではないかと不安になるくらいの変化を見せていたんじゃないかと思います。

──それはいわゆる、シキの“デレ”部分が多く見られるということですか？

平川：いえ、そこは気持ち悪いままです（笑）。6話を演じていて「本気で言ってるの？」と思うようなセリフが多くて、アクマとか堕天使の生理を考えるのは難しいなぁと改めて感じました（笑）。どこか“ちぐはぐ”していて、リツカのことも本当に好きだったり気にしたりしているのか分からない、というところが見どころなんじゃないかなと思います。それにしてもリツカはよくシキに付き合っているなぁと感心します（笑）。

──アフレコはどのように進みましたか？

平川：基本的には通常のアニメと同じです。歌パートは先に収録していたので、編集が間に合っているものはリハーサルVTRの時点で流れるんですけど、シキの歌もリハーサルVTRにもう入っていて…（苦笑）。「これをキャスト全員が見てるんだな。明日にはスタジオで流されるんだな」って思うと青くなっちゃいますよね（笑）。

──なぜ青くなっちゃうんです？（笑）

平川：やっぱり恥ずかしいですよ！　スタジオでテスト中に流れたりすると、なんか素になっちゃう（笑）。でも収録現場は本当に楽しかったですね～。チームワークや現場の空気はいいものになっていると思います。

あと、ほかのキャストが収録しているときにも音響監督さんから「シキほど気持ち悪くならないでください」っていう指示が出たり、「いい気持ち悪さでした」という言葉が飛び交ったりしていたので、ゲストでいらっしゃった方々には「なんだこの現場は…」って思われちゃうんじゃないかな（笑）。シリアスなシーンも多い作品ですが、ブースのなかは笑いに包まれていましたね。

──キャラクターソング『幻想のキリエ』を歌った感想をお聞かせください。

平川：岩崎さんワールドの歌詞に、シキというキャラクターをどう落とし込んでいくかを考えながら歌わせていただいたつもりです。歌、ミュージカル、シキらしさ、3つのバランスをどう出すか、何度も収録を繰り返していろんなパターンを試しながら調整していきました。すごく難しかったけれど楽しかったですし、何よりスタッフさんがこんなに付き合ってくださったことがとてもありがたかったです。



──挿入歌に関してはいかがですか？

平川：個人的には意外と違和感なくそのシーンに合わせたものが出来上がったのではないかと思っています。キャラクター性と歌詞がシーンにマッチしているなぁと思いましたね。

──エンディング曲『マドモ★アゼル』をメインキャラクター5人のスペシャルユニット"PENTACLE★（ペンタクル）"として歌った感想をお聞かせください。

平川：すごくドキドキして収録に臨みました。（先に終えた）皆さんの歌声を収録前に聞かせていただいて、思わず「もうこれでいいじゃん」って（笑）。壮馬くんがちゃんと真ん中とっているし、昴くんはラップで入っているし、皆さんそれぞれが個性を出して出来上がっていて、僕のパートの仮歌を歌ってくださっている方の声も、皆さんとのバランスが取れていたので「僕が歌ったことにして、これで完成にしちゃいましょうよ」って言っちゃいました（笑）。

でも5人がバラバラの個性を全面に出すことで、各々が外側を向いているのにそれが集まって綺麗な円になったという感じがしましたね。そんなバラバラの個性を、作品の音楽を担当してくださったElements Gardenさんが活かしてくださったというのもあると思います。「彼だったらこういう歌い方になりますよね」と、こちらが試してみたことを受け入れてくださったり、「そのカンジで行くなら、もっとこうしてみましょう」とアドバイスしてくださったりしました。でも、よもや（イベントで）生で歌うとは思いませんでしたけどね（笑）。

──最後に、ダンデビファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

平川：作中にたくさんの曲が流れていて、新しい試みではありますが演者としてはとても面白いものができていると感じています。収録中の未完成の映像をみていてもすごく面白いので、皆さんにもきっと楽しんでいただけるはずです。ぜひゾクゾクしながら観てください。

■TVアニメ『Dance with Devils』作品概要
どこか懐かしい姿をした街・四皇町。そこに暮らす立華リツカは、四皇學園に通う高校二年生の少女。イギリスに留学中の兄・リンドからの、時々の連絡を楽しみにしつつ、母とふたりの穏やかな日常を送っていた。ある日彼女は、學園の生徒の憧れである、生徒会長・鉤貫レムからの呼び出しを受け、生徒会の面々の集まる『第三図書館』で、彼らと不思議な出会いを果たす。

アクマ、ヴァンパイア、エクソシスト。『禁断のグリモワール』を巡り、あらゆる思惑が彼女を中心に動き始める――ヒトか、アクマか？　これは魔に愛され、魔に魅入られた、ひとりの少女の物語。

＜STAFF＞
原案：岩崎大介（Rejet）
原作：グリモワール編纂室
監督：吉村 愛
シリーズ構成：金春智子
キャラクター原案：前田浩孝（Rejet）
キャラクターデザイン：高品有桂
音楽プロデューサー：藤田淳平
音楽：Elements Garden
音楽制作：DIVEⅡentertainment
アニメーション制作：ブレインズ・ベース

＜CAST＞
立華リツカ：茜屋日海夏、鉤貫レム：斉藤壮馬、立華リンド：羽多野 渉、楚神ウリエ：近藤 隆、南那城メィジ：木村 昴、棗坂シキ：平川大輔、葛葉アズナ：松田利冴、ローエン：山本和臣、ジェキ：鈴木裕斗、？？？：鈴木達央　ほか

>>Dance with Devils公式サイト
>>Dance with Devils公式Twitter（@DwD_info）
>>棗坂シキのキャラクター公式Twitter（@Shiki_SHS）