好きなフィギュアは一度出してから箱に戻しちゃう!?『カードキャプターさくら』連載20周年記念・足立梨花さんインタビュー【後編】

　「絶対だいじょうぶだよ」の呪文で多くの人々に元気の魔法をかけた不朽の名作『カードキャプターさくら』（講談社刊）。美しく描かれるクロウカード、「封印解除（レリーズ)」という台詞、優しさと個性にあふれたキャラクターたち……。そのどれもがファンの心を惹きつけ、今なお色あせることない輝きを放っています。

　2016年は『カードキャプターさくら』連載20周年を迎え、関係各社より様々なグッズが発売予定です。グッドスマイルカンパニーでは、創業15周年を記念し、原作者のCLAMP先生描き下ろしの「木之本桜」（以下、さくら）のイラストを立体化した特製フィギュア「木之本桜 Stars Bless You」が登場。ハイクオリティの仕上がりはファン必見の出来栄えです。

　そこでアニメイトタイムズでは、自他ともに認める『カードキャプターさくら』の大ファンである女優の足立梨花さんへインタビューを行いました。インタビューは前後編でお届け。後編では、フィギュアや描き下ろしイラストの話題、足立さんがフィギュア選びをするときのポイントなどを、たっぷりと語っていただきました。

　前半を見逃した方はこちらから読むのをオススメします！
>>『カードキャプターさくら』×足立梨花さんインタビュー【前編】


■ 思わず覗いちゃうほど好き!?

──では、今回のフィギュアについてお聞きしていきますか。

足立梨花さん（以下、足立）：テンション上がりますね、これ。たぶん、私だったら箱から出さないパターンのヤツですよ！　これはどういった経緯で作られることになったんですか？

スタッフ：グッドスマイルカンパニーが15周年となる年に、ちょうど『カードキャプターさくら』が連載20周年を迎えるということで、「ぜひCLAMP先生の描き下ろしイラストを使ったフィギュアを作りたい」というところから始まりました。

足立：へえ～。

スタッフ：今回のコンセプトは、「お祝い」をイメージしたものになっています。あまり注文をつけると、CLAMP先生の発想ではなくなるので、お願いしたイメージはそれだけです。

足立：それでこれが出来上がったんですね。おしゃれだ……。このイラストをフィギュアにするってすごいですよね。ちゃんと再現されているのがすごい。服とか、かなり複雑ですよ！

──このクオリティは個人的にも欲しいです（笑）。

足立：細かいフリルとかも、やっぱかわいいところなんですよ。私、こういう服を子供のころに着させてもらえなかったので憧れます。お母さんがジーパンにTシャツみたいなタイプが好きだったので、それをすごく押しつけられていて、「イヤだ！」って言っているのに聞いてくれなかったんです。


──スカートについている星も、工場で作れるのか？　っていうくらい精密になっているそうですよ。

足立：だって……下手したら、ポキッと折れてしまいそうな星ですよ。すっごい細かい作業で、よくこの星のてっぺんだけくっ付いてるなっていう……。ほんとこれすごい。


──そして、魔法少女といえばやっぱりパニエ！

足立：そうですよ！　ちょっと覗きたくなる……。


──取材前に、真っ先に覗いていましたよね？（笑）

足立：すみません（笑）。「中はどうなんだろう？」って気になってしまって（笑）。この絶対領域と服のバランスがすごいかわいいですよね。服の上の透明の素材もすごい。風がフワッと来ている感じがするし、まさにこの絵と一緒の感じです。


──止まってるのに、動いてる感じがすごいですよね。

足立：そう。ちゃんと躍動感もある感じがすごくいいなぁ。服がかわいいなぁ……。周りの飾りもすごいですよね！

■ これは一度は飾りたい……！

──足立さんも普段フィギュアを買っているようですが、フィギュアを買うときの目安はあるんですか？

足立：なるべく小さいものじゃなくて、大きいものが欲しいなって思ってて。大きくなればなるほど再現度じゃないですけど、何て言えばいいんですかね……。


──なんとなくわかります。

足立：あと、細かいところにこだわってくれていると、すごく嬉しいですね。「まつ毛がかわいいな」と思って買ってみたりもします。フワッとした髪の毛も、より本物だと思えるくらいに近ければ、すごい嬉しいです。だから、細かいところをすごい近くで見ても、「お！」って思えるようなフィギュアが欲しいなと思うんですけど、ネットショッピングだと分かりにくくて……。


──それはありますね。

足立：写真だけだと、現物があるわけではないので、顔に注目しています。顔って輪郭は似せられても、目が重要じゃないですか。目がすごく小さい感じになっていて、なんか「そうなんだけどさ……」みたいなときもありますよね。毎回、買うときに悩むんですけど、そういった点ではさくらちゃんですから、これは。

ちゃんとフィギュアフィギュア感がしてないっていうか。わかりますかね、この感じ？


──わかります（笑）。

足立：なんかガッツリ描きましたっていう目じゃない、自然な目……。この言葉にできない微妙なニュアンスですよね。伝えるのが難しいんですけど、フィギュアの自然な感じと、自然な感じに見える目が大事だなって、私は思っています。だから、細かいパーツは、見ていてすごく気になりますね。

普段、自分が感じているキャラクター像と同じようなバランスなんだけど、ちょっとカッコよくなってるみたいな。そういうのも好きです。原作から脱線しない程度の、フィギュアになった時のバランスがいいものもけっこう見ちゃう。そういったものは、箱から出せないものが多いです。


──なるほど。ツイッターでフィギュア棚を作っている写真をアップされていましたね。箱を開けているものと開けていないものがありましたが、その差は何でしょう？

足立：あれは、実は開けていないものが後に買ったやつなんです。せっかく棚があるんだからと思って、古いものは開けるようにしています。でも、出したのはいいんですけど、出したら出したでホコリがつくので、掃除しなきゃいけなくて大変です（笑）。

箱を捨てたくないと思ったものは開けないようにしています。箱も捨てたくないから、「じゃあ箱のまま残そうかな、でも意味ないよな……」とか思いながら。でも、汚したくないし……みたいな。

──フィギュアの難しいところですよね。

足立：まだ、保管用と観賞用と、2個買う選択肢まではいってないんです、私。色が違ったり、ちょっと違うバージョンだったら2つ買っちゃうんですけどね。


──でも、このさくらちゃんは開けて飾りたいですね。

足立：これは開けて飾りたいんだけど、一番汚したくない！（笑）　どうします？　（さくらのフリルを指さしながら）これが黄ばんでたら嫌じゃないですか！　嫌でしょう!?


──確かにそうですね（笑）。

足立：（別のパーツを指さし）これもちょっと黄ばんでたら嫌じゃないですか！　もう、そういうところですよね。本当に作っている方々には申し訳ないけど、飾らないでキレイに保存しときたいタイプです。


──特にいいものだからこそ？

足立：そう、そうなんですよ！　だから、「まあまあ、これくらならいいか」っていうくらいなら飾っちゃうんですよ。でも、ガッツリこだわっていて、それなりに値段もして、自分も気合入れて買ったっていうものであればあるほど、箱から出したくない。


──買ったときは、一回出すけど……。

足立：一回は出すけど、そうそうそう！　一回は見たいんですよね、まず。本物を確認して「うん、かわいい！」って言って、また箱に戻しちゃう（笑）。だから、撮影会しようと思った時にだけ出すみたいな。そんなのばっかりですよね。でも、これは一度は飾りたい……。

■ もしかしたら、本当に街にいるんじゃないのか？

──今回の描き下ろしイラストも豪華ですよね。CLAMP先生のイラストの魅力って何だと思います？

足立：なんだろう……。少女漫画らしい顔なんだけど、らしすぎないというか……。「もしかしたら、こういう子が本当に街にいるんじゃないのか？」と思えるところが、私は好きですね。私が小学生くらいの頃って、すごい目を大きく書く時代だったんですよ、少女漫画って。「マンガだな……。こういうひといないよね、世の中に」って個人的に思っていて。

でも、CLAMP先生のイラストは、もしかしたらどこかの街にいるんじゃないかと思わせる、ちょっとしたリアル感があるところが好きです。

──リアル感ですか。

足立：本当に、さくらちゃんは実在するんじゃないのかなって思えるような。街で突風が吹いたと思ったら……。


──ウィンディ（※1）が……。

足立：「あれ？　いる!?」みたいな（笑）。「名前当てなきゃいけない？」みたいな（笑）（※2）。ちょっと「カードにできるんじゃ!?」って思うくらい、もしかしたらあるかもしれないって思わせる魅力があるというか。

そして、見ててかわいいなって憧れる感じやバランスがいいですね。だって髪型がショートで元気キャラのさくらちゃんが、たまにキレイな人に見えたりしますから……。

※1：クロウカードの一種。風の魔法を操るカードで、温和な性格。
※2：クロウカードの中には、名前を当てなければ手に入らないものもあります。


──ありますね……。

足立：キレイな女の子ってロングストレートなイメージがあるんですけど、さくらちゃんはたまに横顔がめっちゃキレイになるんですよ。「あれ？　さくらちゃんって、かわいい元気っ子じゃなかったっけ？」、「あれ？　でも、この横顔、超キレイ……」みたいな。なんか、いろんな魅力が詰まっているところがいいなって思います。

色合いもキレイですよね。パステルな感じがすごい！　またそれが幻想的で、すごく好き。


──特に、これだけの衣装の数々を考えられるのは……。

足立：すごいですよね。しかも、女の子みんながかわいいって毎回思えるようなツボを押さえているところがすごくて。こういうフワフワ系のもあれば、ピエロっぽい服装もありましたよね。

フワフワ系だけじゃないものも描いていて、それもさくらちゃんに似合ってて、かわいいって思える。私、やっぱり服見ちゃうんですよね。「かわいいなぁ。着たいなぁ」って。

■ じゃあ、小狼くんの姫とセットで……（笑）

──フィギュア化してほしい衣装があったりしますか？

足立：うわ～、悩むな～。夏の制服もかわいいんだけど、冬服もかわいいんだよな～。（漫画を読みながら）あ、ねこ！（※3）　これはかわいいよね！　フィギュア、あります？

※3：単行本2巻に登場した衣装。メイドのような服装、猫耳、しっぽとかわいい要素がたくさん詰まったコスチュームでした。

スタッフ：デフォルメなんですけど、あります。

足立：ああ！　あるんだ……探さなきゃな。

▲ねんどろいどこ～で 木之本桜 くろねこメイドコーデ

>>ねんどろいどこ～で 木之本桜 くろねこメイドコーデ

──実際の会社の方々がいるので、言うだけはタダですよ（笑）。

足立：確かに（笑）。どうしよう……うわー、悩みどころ。さくらちゃんにはフワフワした服を着てほしいなぁ。知世ちゃんとお揃いのものを着てもいいかも。知世ちゃんって、毎回自分は着ないので。


──お揃いはいいですね。

足立：あ！　この王子様（※4）欲しい！　これかっこいい！　あります？

※4：単行本第5巻で登場した、学芸会用の衣装。『眠れる森の美女』で王子役を演じたさくらは、いつもと違って凛々しい姿に。対する小狼はお姫様役で煌びやかなドレスを身にまとっていました。

スタッフ：それはありませんね……。

足立：ああ～……。この王子様、めっちゃかっこいいんですよ！　　じゃあ、小狼くんの姫とセットで……（笑）。

一同：（笑）。

足立：この小狼くんが意外とかわいいんですよ。眉毛くっきりしているけど、かわいい。できれば、これぐらい近付いて抱きかかえた感じで作ってほしい（笑）。


──シーンを再現できちゃうわけですね（笑）。

足立：やってほしい（笑）。そう！　さくらちゃんって、かっこいい部分もあるんですよ！　ズルいですよねぇ。あの、似合いすぎる感じ。「私の目を覚ましに来て……」ってさくらちゃんに言いたいぐらい。それ、作ってほしい（笑）。


──今回のフィギュアが売れれば、叶うかもしれないですよ？

足立：叶うかもしんない。ちょっと、お願いしたいなぁ……。たぶん、そっち側ってなかなかなかったと思うので。例えば、男装系のかっこいいさくらちゃんも見たいな……。


──では、どんどんPRしてもらって……。

足立：そうですよね……。いやでも、PRしなくても売れるでしょ、これは！

一同：（笑）。

■ 『カードキャプターさくら』を受け継いでいきたい

──その他に、フィギュア、イラストも含めて「コレだけは言っておきたいな！」っていうことがあれば……。

足立：『カードキャプターさくら』は、すべてかわいい！　とりあえず、すべてかわいい（笑）。ずっとそばにいてほしいし、自分も友達になりたいって思えるようなさくらちゃんの魅力に、みんな惹かれてほしいなと思います。このフィギュアをかっこいい背景と一緒に、写真でキレイに撮りたくないですか？　なんか、いろんな事が出来そう。これ一個あればずっと楽しめる。


──いいですね（笑）。

足立：いろんなさくらちゃんシリーズを並べたいですよね。作品を読んだことがない人は、とにかくさくらちゃんの魅力に早く気づいてほしいですね。


──最近『なかよし』で「クリアカード編」が連載されていますが、今の中高生で、まだ知らない人もいっぱいいるでしょうし。

足立：そう！　でも、たぶんガッツリ読んでいた世代が私たちぐらいだと思うので、アニメイトとか行ったら、ちゃんとコーナーがまだ残っているのがすごいなと思うんですよ！　ということは、今でもまだ人気があるわけじゃないですか。アニメイトっていい意味でホント分かりやすいんです。アニメとかが終わっても、人気であればちゃんとコーナーも残っているんですよ。

私たちの世代は子供ができるくらいの年齢になっているので、子どもたちにも受け継いでいってほしいですよね。私もお母さんが読んでいた漫画って、未だに覚えていたりするんですよ。そんなふうに、『カードキャプターさくら』を受け継いでいきたいなって思いますね。

小さな子だったら、まずはケロちゃん（※5）から入れますし、いろんな入り口があるんですよ。ケロちゃんから入って、ちょっとませてきた時に小狼くんとか雪兎さんとかをフイフイッてチラつかせれば、たぶん喰い付くと思うので（笑）。いろんな年代のいろんなジャンルの人が楽しめるネタがいっぱいあるので、そういうさくらちゃんの輪が改めて、もっと広がっていけばいいなって思います。

※5：クロウカードの守護者の一人。本名はケルベロス。変身前の見た目がかわいらしく、さくらに「ケロちゃん」と名付けられました。話す言葉は関西弁。


──伝えていきたいですね。では、最後に何かメッセージをいただこうと思うんですけど。

足立：最後ですか……。いつか、さくらちゃんのかっこいい王子様のフィギュアが出ることを……（笑）。大人の方々にプレッシャーを与えるという（笑）。


──みんな下向きました（笑）。

足立：一気にみんな下向いちゃった（笑）。


──きっとその思いは伝わると思いますよ！　本日はありがとうございました。

足立：（笑）。ありがとうございました。！

[衣装協力/ボナジョルナータ、取材・文/石橋悠]

■「木之本桜 Stars Bless You」商品情報

あなたに、星の祝福を。
2016年に15周年を迎えたグッドスマイルカンパニーと、同じく今年で連載開始20周年を迎え、「なかよし」7月号より新連載「クリアカード編」が開始した『カードキャプターさくら』とのコラボレーション企画！
原作：CLAMP先生に描き下ろしていただいたイラストをそのまま立体化いたしました。愛くるしいさくらちゃんの表情はもちろんのこと、スカートのフリルや髪の毛の表現など繊細なタッチを丁寧に再現。さらに天体や月の満ち欠けをモチーフとした台座は、イラストの魅力を立体物としてもご堪能いただけるように、それぞれ質感の差異も細やかに表現しております。メモリアルアイテムとなった至極の造形美を是非お手元にどうぞ！

【受注期間】
2016年7月21日（木）12:00～2016年9月7日（水）21:00まで

【価格】
25,000円（税込）

【スペック】
商品名：木之本桜 Stars Bless You
発売時期：2017年6月
仕様：ABS&PVC塗装済み完成品・1/7スケール・専用台座付属・全高:約450mm


■ グッドスマイルカンパニー15周年記念イベントを秋葉原で開催決定！
　おかげさまで、グッドスマイルカンパニーは今年で創立15周年を迎えることが出来ました。これを記念して、秋葉原の地にて記念展示イベントを開催します。開催期間中、15周年記念アイテム「木之本桜 Stars Bless You」を展示します。「木之本桜 Stars Bless You」の現物を間近で見られるチャンスです！　感動をその目に焼き付けましょう！

イベント名：　グッドスマイルカンパニー １５周年記念展示会
会期：　2016年8月20日（土）～9月4日（日）
時間：　平日　12：00～20：00（最終入場19：30まで）、土日　11：00～19：00（最終入場18：30まで）
会場：　3331 Arts Chiyoda（アーツ千代田 3331）
東京都千代田区 外神田6丁目11-14
入場料：　無料
主催：　株式会社グッドスマイルカンパニー
内容：　会場内に今後発売予定の新作フィギュアを含む、15年の間に発売されたグッドスマイルカンパニー。発売・販売したフィギュアのほぼ全て（1000体以上！）の展示を行ないます。


>>カードキャプターさくら公式サイト
>>「木之本桜 Stars Bless You」特設ページ
>>「グッドスマイルカンパニー15周年」特設ページ


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