ニコ・ロビン役・山口由里子さんが映画の名シーンを語る! 映画『ONE PIECE FILM GOLD』キャストインタビューリレー
週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載中の大人気コミック『ONE PIECE(ワンピース)』の映画『ONE PIECE FILM GOLD』が絶賛公開中! 本作は、2000年より公開されてきた劇場版シリーズの第13作目、そして3年半ぶりの新作ということで、今もっとも注目を集める話題作です。総合プロデューサーは前作同様に原作者・尾田栄一郎先生が務め、『ONE PIECE』の世界に新たな1ページを刻みます。
舞台は、政府公認の独立国家グラン・テゾーロ。世界中の名立たる海賊、海兵、大富豪たちが集うその世界最大のエンターテインメントシティは、世界政府すら手を出すことのできない絶対聖域だった。そこでルフィたちの前に現れたのは、その国の支配者である黄金帝ギルド・テゾーロ。海賊、海軍、そして世界政府ですら容易く金の力で動かすテゾーロの底知れぬ野望が動き出し、今、新世界の勢力図が塗り替えられようとしていた―。
そしてこの度、麦わらの一味の考古学者・ニコ・ロビンを演じる山口由里子さんにインタビューを実施! 山口さんが「しびれた!」という映画の名シーンや、『ONE PIECE』という作品の魅力など、お話を聞きました。
■ ロビンはロビンらしく! 今作でも、ロビンらしい活躍のしかた
――新作映画『ONE PIECE FILM GOLD』(2016年7月23日(土)より公開)についてお聞きします。映画をご覧になったとお聞きしましたが、映画の感想をお聞かせください。
山口由里子さん(ニコ・ロビン役/以下、山口):華やかで、ブロードウェイミュージカルみたいでした。自分が生まれて初めてブロードウェイのミュージカルを見た時のことを思い出しましたね。
――アフレコ収録の現場の様子はいかがでしたか。
山口:久しぶりに(アニメではストーリーの都合上、キャストがそろわなかった)麦わらの一味そろってのアフレコ収録があって、それが楽しかったです。スタジオの中で、みんなでワイワイやりながら、冗談を言いながら、過ごすことがすごく久しぶりだったので、嬉しかったですね。
――今回の作品の見どころを教えてください。
山口:見どころはいくつもあるんですけれど、映画を見た時に思ったのは、それぞれのキャラクターがすごく成長して、大人になっているなって。キャラクターたちが強くなっているし、かっこよくなっている。その辺りは本当に隅々まで計算されていて、素晴らしいなと思いました。今回は、成長しているみんな(麦わらの一味)を客観的に見ることができて、さらに感動しましたね。
――映画の中で、バカラ(触れた相手の運気を下げるラキラキの実の能力者。CV:菜々緒)の能力に、ロビンがいち早く気づいたところはさすがでしたよね。
山口:私は「えぇ?!」って思いますけどね。「今ので、わかったの? マジ?」って……(笑)。私は「それは、ないんじゃない?!」って思っちゃいましたけど、ロビンはさすがですね!
現場にいたトニートニー・チョッパー役の大谷育江さん(以下、大谷):でも、あそこでロビンに止めて欲しかった! 六輪咲き(セイスフルール。ロビンの技名)とかいって……(笑)。
山口:ロビンは今回の映画でも、みんなを立てて、あんまり活躍しないようにしている気がするんです。最後に、「手の内は見せたくなかったけれど……」と言って、ちょいちょいちょいっとやっつけたでしょう。「もっと早くやれよ!」とも思いましたけど(笑)。
――後から出てくるところ、そこがロビンらしいですよね。
山口:そうなんですよ。だから、今回も一緒に戦うサンジ(麦わらの一味でコック。CV:平田広明)にずいぶん見せ場を作っている気がします(笑)。
■ 山口さんがしびれた! 映画の中のGOLDなシーン
――今回の映画のタイトルは『ONE PIECE FILM GOLD』ですが、山口さんにとってGOLDとは、どのようなイメージですか。
山口:私はメダルかなぁ……。金メダル! オリンピックもあるし、いろんなものの一等賞が常にGOLDでしょう。
大谷:素敵! お見事! メモメモ……(笑)。
山口:子供がサッカーをやっているから、偽物だけど、いただくメダルが金メダルなんです。やっぱりGOLDと言えば、メダルかなぁ……。
――では、この作品に関わる中で、山口さんが感じたGOLDな瞬間はありましたか。
山口:手前味噌で申し訳ないんですけど、映画の中で、ナミ(麦わらの一味で航海士。CV:岡村明美)とカリーナ(謎の歌姫で、ギルド・テゾーロの一味。CV:満島ひかり)がやられそうなときに、ルフィが助けるシーンがあるんです。それで、どこにいたのかもわからないのに、ルフィが「ロビン~!」って呼ぶと、ロビンが蜘蛛の華(スパイダーネット。ロビンの技名)でバックアップするんです。台本を読んだ時に「何、今の!?」って思いました。このロビンとルフィの関係を描いてくださっているというところがもう嬉しくって、しびれましたね!
大谷:かっこよかったよね!
山口:あのスピード感! あそこのシーンが私にとって一番GOLDなシーンですね!
■ ロビンとシンクロ?! 『ONE PIECE』の現場では、笑顔でいたい!
――『ONE PIECE』という作品で、ロビンという役柄を長年演じてきた山口さんですが、ロビンの好きな部分や魅力について、お聞かせください。
山口:ロビンは多くを語らず、いつも一歩引いた客観的な位置から他のメンバーたちを見守っているんです。どんな時でも感情的にならず、冷静で本当に優しいお母さんというか、お母さんを越えて、時々マリア様のような奥深い大人の優しさを感じるんです。けっこう複雑な生い立ちで、自分がたくさん傷ついてきたからこそ、優しいのかな。そんなロビンが大好きです♡
――メンバーがやり取りしているところには、率先して入っていくことはないですけど、客観的な位置からメンバーを見守りつつ、ロビンも楽しんでいますよね。
山口:みんなのことが大好きですからね!!
大谷:時々、言うことが辛辣だけどね!
山口:ジョークがね、超ブラックで……(笑)。そのブラックジョークも、最近はウソップ(麦わらの一味で狙撃手。CV:山口勝平)にわざと言っている感じがあって……(笑)。ロビンは本当にドーンと引いた大人なんでしょうね。
大谷:ロビンは何でもこなせるんだろうね。台風が来ても、ロビンは「直撃かしら~?」って言って……(笑)。「直撃だったら、困るんだけど……」っていうところなのに。
山口:きっと本当に死ぬ寸前になったら何かできるのよ。
大谷:きっとね。だからこその、今回の蜘蛛の華(スパイダーネット)のシーンなのかな。「それまでに、手助けできたかも」って思うけど……。
山口:本当に。だから、サンジに見せ場を作っているなと思うし、でも、みんなもわかっているんだろうなと思う。実際に戦ったら、ロビンは絶対強いでしょ。どこからでも手を出せるんだよ(笑)。
大谷:今回の映画でも、テゾーロ(グラン・テゾーロを支配する黄金帝ギルド・テゾーロ。CV:山路和弘)と、真っ向勝負してほしかった。観てみたい!
山口:ロビンは、しんどいのは嫌なの(笑)。私も(戦うようにと)すごく思ったよ。それはもうアニメ本編の中でも、いつも思ってる。「あ、戦わな~い」って……(笑)。
――今年でTVアニメが17年目を迎える『ONE PIECE』。ロビンを長年演じ続けてこられた山口さんですが、作品がこれほど愛される理由や魅力はどこにあると思いますか。
山口:尾田先生(原作者)の愛情だと思うんですけど、全てのキャラクターに光と闇がある。光だけだと、あそこまでキャラクターに感情移入できないと思うんです。必ず闇を書いてくれているから、キャラクターたちがすごく人間的なんですよね。今回の映画も、悪役のテゾーロにも一瞬だけ、(テゾーロの過去回想)場面が入って、「尾田先生はやっぱり愛情があるなぁ」って思ったんですね。常にキャラクターに対して、光と闇があるっていうところが、どなたでも感情移入できる魅力だと思っています。
――麦わらの海賊団には、船長や考古学者といった役割がありますよね。『ONE PIECE』という作品において、ロビンというキャラクターは、どのような役割を持っていると思いますか。
山口:医者とか、そういうことではなくて?
――はい。ちなみに、チョーさんにもこの質問したんですが、しょうゆ(醤油)とおっしゃっていました。(ごはんだけでも美味しいけど、しょうゆをかけたら、またひと味変わったものになるという意)
山口:じゃあ、私は山椒で! 子供は手を出せない大人の味。ピリリとする山椒でお願いします。
――麦わら海賊団のメンバーたちも自分の夢や確固とした信念を持って行動しています。山口さんがお仕事をする上で、ご自身が最も大切にしていることや心がけていることは何でしょうか。
山口:私は『ONE PIECE』の収録スタジオにいる時に、ロビンとシンクロしようとしているところがあると思うんですね。だから、スタジオに入ってくるみなさんに、「笑顔で優しい気持ちでいよう」って思っています。他の現場ではそれほど気にしないでいると思うんですけど、『ONE PIECE』の現場では、変なことを言ったりやったりもしていますが(笑)、いじられようが、何をされようが受け入れて、「笑顔でいたいな」って思います。
――最後に、映画『ONE PIECE FILM GOLD』の公開を楽しみしているファンへ、メッセージをお願いいたします。
山口:最初のお話に戻りますが、ブロードウェイのミュージカルは、舞台なので一度きりですけれど、『ONE PIECE FILM GOLD』は映画ですので、何度も同じ感動を味わうことができます。だから、長いことやっているお祭りという感覚で、何度でも足を運んでいただけると嬉しいです!
[取材・文]宋 莉淑(ソン・リスク)
◆作品情報
<STORY>
“海賊王”を目指して新世界を旅するルフィたち麦わらの一味が訪れたのは、政府公認の独立国家、グラン・テゾーロ。世界中の名立たる海賊、海兵、大富豪たちが集うその世界最大のエンターテインメントシティは、世界政府すら手を出すことのできない“絶対聖域”だった。そこでルフィたちの前に現れたのは、その国の支配者である黄金帝ギルド・テゾーロ。海賊、海軍、そして世界政府ですら容易く金の力で動かすテゾーロの底知れぬ野望が動き出し、今、新世界の勢力図が塗り替えられようとしていた―。
<公開情報>
映画『ONE PIECE FILM GOLD』 絶賛公開中!
<STAFF&CAST>
原作・総合プロデューサー:尾田栄一郎 (集英社 週刊「少年ジャンプ」連載)
監督:宮元宏彰
脚本:黒岩勉
音楽:林ゆうき
劇中曲:小島麻由美
キャラクターデザイン・総作画監督:佐藤雅将
美術監督:小倉一男
美術設定:須江信人
色彩設計:永井留美子
CGディレクター:能沢諭
撮影監督:和田尚之
製作担当:稲垣哲雄
出演:田中真弓 中井和哉 岡村明美 山口勝平 平田広明 大谷育江 山口由里子 矢尾一樹 チョー 山路和弘
ゲスト声優:満島ひかり 濱田岳 ケンドーコバヤシ 菜々緒 北大路欣也
>>『ONE PIECE FILM GOLD』公式サイト
>>『ONE PIECE FILM GOLD』公式Twitter