『シン・ゴジラ』女性限定鑑賞会議に潜入！　黄色い歓声はやっぱりあの二人のあのシーン！

　2016年8月24日（水）、東京新宿・バルト9にて、大ヒット上映中の映画『シン・ゴジラ』の「女性限定鑑賞会議」が行われました。今回の上映会は、8月15日（月）に行われた「発声可能上映」の文字通り女性版！　発声OK、コスプレOK、サイリウム持ち込みOKという、普段の映画館では絶対に体験できない上映イベントとなりました。

　上映会後に行われた舞台挨拶には、対ゴジラプロジェクト“巨災対（巨大不明生物災害対策本部）”メンバーから、淡々と仕事をこなす姿から“第二のヒロイン”との呼び名も高い尾頭ヒロミ役の市川実日子さん、矢口蘭堂（演：長谷川博己さん）さんとセットで女性に大人気な泉修一役の松尾諭さん、ゴジラへの対抗策を見つけた際の仕草（手をポン）が可愛いと評判の生物学准教授・間邦夫役の塚本晋也さん、そしてスペシャルゲストとして登場は数秒ながら作中の雰囲気を一瞬にして和ませたベテラン職員のおばさん役の片桐はいりさんが登場しました。今回はそんな「女性限定鑑賞会議」の様子をお届けします！

※本記事にはネタバレを含みます。映画を観ていない方はご注意ください！

■マナー解禁！　劇場をサイリウムの光と声援が飛び交う！

　上映が始まってまず盛り上がるのは、みなさんが応援したいそれぞれのキャラクターの登場シーンです。主人公の矢口蘭堂（演：長谷川博己さん）をはじめ、赤坂秀樹（演：竹野内豊さん）、カヨコ・アン・パタースン（演：石原さとみさん）、大河内総理（演：大杉漣さん）や花森防衛大臣（演：余貴美子さん）などんど。人気キャラクターが登場し、そして一言しゃべるたびに劇場のどこかで「きゃあ～！」という悲鳴や「矢口～～～～！」や「ヒロミ～～～～！」」とラブコールが上がります。特に声が大きかったのはカヨコや花森防衛大臣、尾頭ヒロミ（演：市川実日子さん）の仕事っぷりに対してでしょう。

　そしてそれと同じくらい盛り上がるのが男と男の場面。矢口と赤坂がお互いの考えをぶつけあるシーンでは「そうだ～～～！」と同調する声が響きわたり、ゴジラに対するやり場のない怒りで激昂する矢口に、泉修一（演：松尾諭さん）が水を差し出して「まずは君が落ち着け」と宥めるシーンでは「ひゃ～～～～！」「ふぅ～～～！」と黄色い声が飛び交います。

▲矢口と赤坂の「そうだ～～～！」的なシーン

　終盤のヤシオリ作戦完遂のため手回しを済ませた統合幕僚長・財前正夫（演：國村隼さん）がサラッと言った「仕事ですから」には待ってましたと言わんばかりの拍手と「きゃあ～～～～！」という大歓声がスピーカの音を押し返す勢いで沸き起こりました。

　そして謎の人気があったのがゴジラの出現に政府が急遽招集した御用生物学者3人。ジブリの方々らしき風貌をしていることでネットでも話題ですが、そんな彼らを観たお客さんからは、「（二人目の登場と同時に）駿～～～！」「（３人目の登場時）勲～～～！」と声が上がり、お客さんたちにより劇場は笑いに包まれました。

　そして忘れてはいけない登場キャラクターが、真の主役でもあるゴジラ。初上陸時の爬虫類と哺乳類の中間のようなブヨブヨした見た目はどこか愛らしく、そんなゴジラが大きな体を引きずりながら東京を進む場面では「かわいい～！」という声が上がり、2足歩行形態に進化する際には「頑張れ～！」「立てるよ！」と応援、そして一度海に姿を消した際には「ばいばい～！」「また来てね～！」と別れを惜しむ声が響いていました。いやいや、また来ちゃダメだろう。

　今回の上映イベントは声を出して盛り上がれるだけでなく、サイリウムを持ち込むことも振ることもOKとなっています。ゴジラが街を蹂躙するシーンでは赤色に、日本政府と自衛隊の作戦行動時には緑色に、矢口たち“巨災対”のメンバーの見せ場では青色に、そしてゴジラが放射熱線を発射する絶望的なあの場面では紫色に一緒に劇場が染まります。その光量はスクリーンを照らしてしまうほど。ゴジラが進軍するシーンでは全体が赤色に染め上がり、より臨場感ある映像に感じられました。

　またゴジラの進軍時にかかる「ゴジラ」のテーマや、作戦会議時の「EM20_rhythm_GZM/組織結成」をはじめとしたアレンジBGM、そして終盤の盛り上がりであるヤシオリ作戦時の「宇宙大戦争マーチ」でもサイリウムは大活躍。まるでライブ会場のようにリズミカルに振られるサイリウムがカラフルな光の軌跡を作り上げます。この１体感も発声上映ならではの魅力です。

　声と光で盛り上がれる発声上映会ですが、ただ騒ぐだけが作品の楽しみ方ではありません。ゴジラが街を破壊するシーンや、瓦礫に埋もれた街を前に手を合わせる矢口の姿には、みなさんも静かになり真剣に作品に魅入ります。

　いよいよ終盤。官民総力を上げてゴジラに挑む最後の作戦では、手に汗握る展開に劇場は青いサイリウムに染まるものの、みなさんその作戦の行方を静かに見守ります。そしてついに作戦が成功！　この瞬間劇場内は大歓声と拍手に包まれ、見事作戦を完遂した矢口には「おめでとう！」や「ありがとう！」、「お疲れ様！」という労いの言葉が送られました。

■“巨災対”の人気メンバー登場！　さらにベテラン職員の姿も……？

　上映会後に行われた舞台挨拶には、ラストに見せる笑顔が可愛らしい尾頭ヒロミ役の市川実日子さん、矢口との絡みで度々女性の歓声を引き出した泉修一役の松尾諭さん、ゴジラへの対抗策を見つけた際の仕草（手をポン）が可愛いと評判の生物学准教授・間邦夫役の塚本晋也さん、そしてスペシャルゲストとしてわずか数秒の出番ながら張り詰める本編の空気を癒やしてしまったベテラン職員のおばさん役の片桐はいりさんが登場！　今まで見ていた映画の衣装そのままでの登場に、みなさん上映中後も衰えることのない大歓声と拍手で迎えます。

▲左より、生物学准教授・間邦夫役・塚本晋也さん、尾頭ヒロミ役・市川実日子さん、泉修一役・松尾諭さん、ベテラン職員のおばさん役・片桐はいりさん

　舞台挨拶はお客さんからの質問に直接答えてもらう形で進みます。最初の女性は緊張からかガチガチに固まってしまっていたため、松尾さんが作中の泉が矢口に放った名台詞「まずは君が落ち着け！」で一喝。このファンサービスにお客さんからはもはや悲鳴に近い大歓声が沸き起こり、質問者の女性も落ち着きを取り戻したようでした。気を取り直して質問内容は「一番印象に残っている撮影シーンはどこですか？」というもの。

　早口でのセリフ回しが印象的だった市川さんは舞台挨拶が始まってからずっと顔を赤くしており、その姿に会場からは「かわいい～！」という声が飛び交います。そんな市川さんが話すのは現場の雰囲気。「みなさん早口でセリフを言わなければいけないので、本番前の現場で凄く緊張してるのが伝わってくるんですよ。もの凄い張り詰めてましたね……」と撮影時を思い出し、「タダ事ではない空気の中での撮影でした」と懐かしむような表情を浮かべていました。

　松尾さんが一番印象的だったと語ったのは、激高する矢口をなだめるために水を差し出し、「まずは君が落ち着け」と言うシーン。実は初めは台本になく現場で差し込まれたシーンだったそうで、「怒ってる人に水を差し出すときどうしようか考えて、最初は長谷川くんに向かって放ってみたんですよ。そしたら長谷川くん全然見てなかったから体で受けとめてしまったんです（笑）」と撮影時のエピソードを明かし、会場を笑いが包みました。

　おばちゃん役として緊迫感を癒やす役割を担った片桐さんは庵野さんから「あなたの笑顔に全てがかかっています」と言われたと話し「長年女優をやってきたので長いシーンには緊張しないようになってたんですけど、ワンシーンに全てがかかるというのはまた違う緊張がありました」と語ります。

　塚本さんは自身の役について「台本をいただいたときは、そんなに良い役だと思ってなかったんですよ。でも現場で演じていくうちに“おいしいかも”と思い始めて、ゴジラの対抗策に気がつくところなんか」と一旦間を置きパンッと手拍子。するとお客さん全員も見計らったように手をたたき、そのあまりに統率の取れた行動に塚本さんは「なにこれ～!?」と信じられないものを見るような顔で驚きます。最後は「ここだけ間をたっぷり使っていたので“あ、良い役だ！”と確信しましたね」と話し、舞台挨拶の場に呼ばれたことを喜んでいました。