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挫折を乗り越えたその先で高田憂希さんが語る“はたらくって青春だ”

挫折を乗り越えたその先で高田憂希さんが語る“はたらくって青春だ”――『NEW GAME!』×アニメイトタイムズ「お仕事応援コラボキャンペーン」スペシャルインタビュー

 2016年7月13日~26日の期間中、TVアニメ『NEW GAME!』とアニメイトタイムズとのコラボレーション企画「お仕事応援コラボキャンペーン」が実施されました。本企画は、参加していただく皆さんの応援でスタッフ&キャストのモチベーションをアップし、作品作りに貢献していく少し変わったファン参加型キャンペーンです。

 主な内容として、特設ページ内の「出勤ボタン」「退勤ボタン」を押してTwitterでツイートし、出勤者数に応じてスタッフ・キャストにエナジードリンクをプレゼントする「毎日出勤キャンペーン」や、頑張ったお仕事についてハッシュタグと共につぶやく「お仕事経験ツイートキャンペーン」が行われました。

 そしてこの度、約2週間に渡る「毎日出勤キャンペーン」の結果を発表! 期間中の総出勤数は14,347人となりました! なお出勤数が10,000人を突破したため、pixiv発のクリエイティブドリンク・pixiv DORADOをアフレコスタジオや制作スタジオに後日お届けしました。以上の報告も兼ねて、本稿では涼風青葉役・高田憂希さんにインタビューを実施! キャンペーンにちなみ、高田さんのお仕事にまつわるエピソードをお伺いしました。

 

■ 学生時代に早くも経験した“はたらくって青春だ。”とは

――今回はお仕事をテーマにお伺いしたいのですが、高田さんは過去に声優以外のお仕事をされていたことはありますか? また、そのお仕事で頑張ったエピソードを教えてください。

涼風青葉役・高田憂希さん(以下、高田):私は養成所時代にアルバイトとしてお弁当屋さんで働いていましたが、そのときは深夜シフトで働いていたんです。夜の10時から朝方の5時まで働いていたこともあって、そのときは「私、頑張ってるな!」と思いました(笑)。


――日中ではなく深夜帯で働いていたんですね。

高田:養成所生の頃はレッスンやお仕事、オーディションの連絡が急に来ることが多かったんです。だから昼間に働いているとお店の方に迷惑をかけてしまうことが多いので、迷惑をかけるくらいなら……と思い深夜帯のバイトを探していたら、ちょうどお弁当屋さんが近くにあったので応募しました。


――養成所との両立はかなり大変じゃないですか?

高田:朝の5時まで働いた後に10時まで寝て、お昼の12時くらいからレッスンに出て……というスケジュールもありましたね。でもお金がなかったから「働かなきゃ!」と思っていて。当時は大変でしたが、その分料理が作れるようになりました!

 
――ではお弁当屋さんが声優以外でのお仕事経験になるわけですね。

高田:あ、お弁当屋さんの他に、カラオケで働いているときもありましたね。


――掛け持ちされていたんですか?

高田:掛け持ちで働いている時期もありました。だって……上京するのにもお金がかかるじゃないですか(笑)。引越し代や養成所に通うためにもお金が必要ですし、お母さんばかりに迷惑をかけるわけにもいかないので。でも色々と働いていたんですけど、全然お金が貯まらなくて……(笑)。

また、作中でも初任給の使い道に悩む青葉ちゃんが描かれていましたけど、私も声優のお仕事で初任給を貰ったとき、お母さんに何かをプレゼントしたかったんです。でも、ずっとお母さんの仕送りとバイトで生活していたので、プレゼントする余裕が一切なくて……。生活費と家賃だけで精一杯だったので「働くって大変!」と思いました(笑)。

 
――でも作品のキャッチコピーにもある通り「はたらくって青春だ。」ですからね!

高田:そうそうそう!(笑) 今はやりたいお仕事で食べられつつあるので、今が一番青春かもしれないですね。

 
■ 初めてを経験していく中で見出した仕事を楽しむ理由

――それでは声優のお仕事で特に印象に残ったものや、頑張ったエピソードなどを教えてください。

高田:私にとって、どのお仕事も印象的で心に残るものばかりなんです。声優さんのお仕事って今はマルチじゃないですか。アフレコの他に歌やイベント、TV番組もありますから“マルチな活動をするお仕事”という印象が強くて。ただ私たちの世代になってくると、それが声優として当たり前という感覚もあるんですよ。


――たしかに。今の声優の皆さんは多方面で活躍されていますよね。

高田:そういう意味では、今まで偏ったものしか見てなかった頃と比べて、幅広く何かを見てみようと思いました。アニメ以外のバラエティ番組を見たり、雑誌を読んでどういう風に写ったら可愛く見えるか、どんなポーズがいいのかと調べてみたり。


――色々と研究されているわけですね。

高田:例えば雑誌で写真を撮っていただく際、プロのモデルの方はどういったことを意識しているんだろうと思って調べると、自分の可愛く見える角度を研究されているんですよね。そこまで気を配るかは人それぞれだと思うんですけど、どうせ撮っていただけるなら可愛く写りたいので(笑)。だから声のお仕事以外の部分も研究すると言いますか。少しずつ活動の幅を広げていくところを意識して取り組んでいます。

 
――なるほど。では初めてのアフレコについてお聞かせください。

高田:劇場版アニメ『BAYONETTA Bloody Fate』という作品のモブとして出演させていただいたことが、初めてのお仕事でした。アフレコには私が所属しているマウスプロモーションのスタジオを使って収録していたので、アフレコ現場まで迷うことはなかったんですよ(笑)。


――(笑)。

高田:声優あるあるとして“初めてのアフレコでスタジオに迷う”といった話をよく聞きますが、それはなかったんです(笑)。でも、普段から養成所で使っているスタジオが仕事現場として使われている感覚の違いを感じました。「いつもと同じスタジオなのに、スタッフさんがいるだけで空気が全然違う!」みたいな感覚がありまして(笑)。ちなみにアフレコはモブだけの収録だったので、比較的スムーズに終わったんです。

でもあの時間は、すごい緊張していましたね。青葉ちゃんは初出社のとき、ドキドキとワクワクでキラキラしているじゃないですか。でも私は緊張に負けてて「リテイクされないかなぁ」「うまくできるかなぁ」などの不安感に襲われていたので、終わったときの安心感がすごく印象に残っていました。だから、初めてのお仕事を一言で表すと“緊張”ですね(笑)。

 
――ちなみに本作では、声優ユニット・fourfoliumとしてOP・ED主題歌を担当されていますが、高田さんにとって初めてのレコーディングはいかがでした?

高田:私は別作品のキャラクターソングが初めての収録でした。これもアフレコに続き、緊張がすごくてですね……(笑)。そもそもレコーディング前に何を準備すればいいのかも知らないですし「どうすればいいんだろう?」というところから始まりました。そのため、私は専門学校の頃の知識を引っ張り出して、歌詞を全て平仮名で書くことをしました。


――事前に渡される歌詞カードではなく?

高田:そうですね。真っ白なノートに平仮名で歌詞を書き起こしました。それ以来、引っかかりやすいところや、音が出にくいところをチェックするために、練習ノートを作って自分なりに準備をしていきます。でも実際、スタジオに入るとマイク前の感覚がアフレコとは違いますし、1人で歌うので混乱してしまって……。だから最初のレコーディングはボロボロでしたね(笑)。「こんな時間かかる!?」ってくらいでした。

変な話、最近の機械は歌声を変えられたりしてスゴいじゃないですか! でもスタッフさんは、私の初めてのレコーディングに最後まで付き合っていただき「もっとやってみよう」「もっと頑張ってみよう」と声をかけてくださいました。だから最初のレコーディングは、スタッフさんの連携と私の緊張をやり繰りした現場でしたね。

 
――そういえば「SAKURAスキップ」のレコーディングにもお伺いしましたが、緊張は全く感じられませんでしたよ?(笑)

高田:本当に緊張してたんですよ!?(笑) 一番手に収録することを聞いた際に「えっ、私!?」って思いましたし。しかも、スタッフさんが「後に収録する3人は、全て高田に合わせることになるから」って煽ってくるんですよ!(笑) でも楽曲自体が楽しい歌なので、練習するときにも「青葉ちゃんとして可愛く、楽しく歌おう」と心がけていました。だから「SAKURAスキップ」に関しては“楽しかった”という印象がありますね。

>>『NEW GAME!』涼風青葉役・高田憂希さん楽曲インタビュー


――初レコーディングと比較して、良い意味で緊張だけじゃなかったわけですね。

高田:ちょっとずつお仕事を楽しむ余裕が出てきたと言いますか。経験していく中で、楽しんだ方が練習してきたことを出せるんだ、と感じ取れるようになりました。最初は「楽しむよりも、練習してきた全てを出すことがお仕事だろう」という堅物な考えがありましたけど、それだと現場の人も楽しめなくなっちゃうと思ったので。だから自分が楽しむことが、一番いいパフォーマンスに繋がるのかなと思っていますね。


――きっとキャストの皆さんが楽しむことによって、お客さんにも楽しさが伝わるんでしょうね。

高田:そうですね。緊張してオロオロしていると、お客さんも「大丈夫か!?」となってしまうはずなので、少しでも楽しめるようにお仕事できたらいいなと思います。

 
■ 学生時代に味わった挫折と、母から貰った再決意のきっかけ

――先ほどお話が出てきましたが、高田さんは福岡県の専門学校から上京してきたとお聞きしました。

高田:福岡県にある専門学校からマウスプロモーションの養成所に入るまでが、上京に至るまでの経緯でしたね。でも実は専門学校2年目のときに挫折していて、「このお仕事は向いてないな」と思い、本当に辞めようとしていた時期があったんですよ。今思えば専門学校2年目で早いなと思うんですけど(笑)。


――挫折……と言いますと?

高田:専門学生2年目のとき、マウスプロモーションの養成所の体験入学に行かせていただいたんです。そのときは東京に行けるし、自分の行きたい事務所の養成所に体験入学できますし、結構ルンルンだったんですよ。しかも体験入学は抽選だったんです。応募者全員が行けるわけではないので、当たったことに浮かれていて。そんな状況だったため「爪あと残すぞ!」と意気込んで行くわけじゃないですか(笑)。


――またとないチャンスですしね。

高田:そして、実際に行ってみたら大都会の広さに驚いたと言いますか(笑)。一緒に体験入学を受けていた方々が、自己アピールもしっかりしていて、アフレコもめちゃくちゃ上手だったんです! そこで周りの人たちに圧倒されてしまい「私もうダメだ、ここじゃ何もできない……」と、私が地元で見ていた世界が狭いことを思い知らされました。こんな広いところでやっていけるのかなと不安になり、その体験入学から帰ってきた私は別人のようになっていて(笑)。

 
――別人ですか!?

高田:専門学校の先生からも心配されるほどで、学校に行く気力すらなくなっていたんですよ。でも、そのときにお母さんは「東京で何を見たか分かんないけど、アンタは専門学校で2年しか勉強してないじゃない。だったら1回くらい東京に出てみて、実際にやってダメなら地元に帰ってくればいいじゃん?」と言ってくれたんです。私の中では「応援してもらえるんだ!」と改めて実感させられて。それなら自分を信じないといけませんし、簡単に諦めるのはダメだと思ったんです。だから、再決意をした上での上京だったんですね。

そんなこともあったため、ワクワクドキドキというよりは「何かを残すぞ!」という意気込みの方が強いまま上京しました。「誰にも負けちゃダメだ!」という気持ちで上京してきたので、わりとトゲトゲしていたかもしれないですね(笑)。ただ、一緒に上京した専門学校の友達とルームシェアをしていて、その子には色々と話をしていました。だから「誰も近づけない!」みたいなトゲトゲしさではなく、意気込むという意味でのトゲトゲしさでしたね(笑)。

 

■ 『NEW GAME!』後半戦は最後まで何が起こるか分からない!?

――アニメも折り返し地点を迎えましたが、後半の見どころを教えてください。

高田:今まで放送されてきた回は、比較的原作に忠実なんです。最初の方に登場しないしずくさんやうみこさん、ねねちゃんが出てきたりしますが、それらも含めて原作ファンの方に、アニメ『NEW GAME!』は愛されているとお聞きします。そういう意味でも、最終回は期待以上のものがお届けできると思います。

今後は、ねねちゃんがアルバイトで入社したり、新しいキャラクターにスポットライトが当たります。それこそ最初は青葉ちゃんがメインで進行してきましたが、それがコウさんやうみこさん、ねねちゃんを中心に物語が進み、それぞれのストーリーが動き出して最終回を迎えます。

 
また最終回では、青葉ちゃんが第1話からどれだけ成長できたかをお伝えできると思います。私自身もアフレコを通して、少しづつ成長できていたらいいなと思っているので、最後まで見逃すことのないように楽しんでいただきたいです。

そして、後半の『NEW GAME!』は何が起きるか分からないので! そう! 何が起きるか分からないので!(笑) 例えば第3話のEDでは、私が青葉ちゃんとして歌わせていただいた挿入歌がありましたが、実はまだそういう話があるんですよ! きっと皆さんが「ここまでやるの!?」と驚く回があるので、ぜひ見ていただければ嬉しいです! 最後までよろしくお願いします!

 
――では最後に、お仕事を頑張る高田さんから、お仕事を頑張るファンの皆さんへ向けてメッセージをお願いします。

高田:皆さんはきっと日頃からお仕事で大変な思いをされていると思います……! でも大変なことだけじゃなくて、ほんの少しの楽しみが実は働く活力になっていたりすると思います。その活力の一部が『NEW GAME!』になっていれば嬉しいですし、今後そうなっていただければと思います。

月曜日は憂鬱かもしれませんけど、「Now Loading!!!!」の歌詞にもある通り、月曜日が町にやってきたらドキドキとワクワクが溢れている毎日にできるように、辛くなったら青葉ちゃんを見てください!(笑) 私も青葉ちゃんの頑張っている姿が本当に大好きなんです。たまに「眩しすぎる!」と仰っている方を見るんですけど、眩しかったら目を逸らしてもいいと思うので! 自分なりのペースでお仕事を頑張っていただければと思います。

私もお仕事を始めたばかりでツラいこともあるし、泣いて過ごす夜もありますが、今のお仕事が楽しいと思えるからこそ続いています。だからツラいことだけではなく、何か楽しいことを見出して一緒に頑張って働きましょう! はたらくって青春だ!

[取材・文・写真:鳥谷部宏平]

■ TVアニメ『NEW GAME!』作品情報

【放送情報】
AT-X:毎週月曜 夜22時30分~
  《リピート放送》
   毎週水曜 午後2時30分~
   毎週土曜  朝6時30分~
   毎週日曜 深夜0時30分~
TOKYO MX:毎週火曜 深夜0時30分~
MBS:毎週火曜 深夜2時30分~
テレビ愛知:毎週火曜 深夜1時35分~
BS11:毎週水曜 深夜0時00分~

【スタッフ】
原作:得能正太郎
(芳文社「まんがタイムきららキャラット」連載)
監督:藤原佳幸
副監督:竹下良平
シリーズ構成:志茂文彦
キャラクターデザイン:菊池愛
総作画監督:菊池愛・岡勇一・天﨑まなむ・菊永千里
プロップデザイン:中島絵理
美術監督:鈴木俊輔
色彩設計:石黒けい
撮影監督:桒野貴文
編集:平木大輔
音響監督:土屋雅紀
音響効果:小山恭正
音響制作:デルファイサウンド
音楽:百石元
音楽制作:KADOKAWA
アニメーション制作:動画工房
製作:NEW GAME!製作委員会

【キャスト】
涼風青葉:高田憂希
八神コウ:日笠陽子
遠山りん:茅野愛衣
滝本ひふみ:山口愛
篠田はじめ:戸田めぐみ
飯島ゆん:竹尾歩美
桜ねね:朝日奈丸佳
阿波根うみこ:森永千才
葉月しずく:喜多村英梨

【イントロダクション】
 「まんがタイムきららキャラット」にて連載中の大人気4コマ「NEW GAME!」が待望のTVアニメ化决定! 高校を卒業して、幼い頃に夢中になって遊んでいたゲームを作った制作会社「イーグルジャンプ」へ入社した青葉は、そこでそのゲームのキャラクターデザイナーを務めていた八神コウと出会う。憧れの人の下で働くことになった青葉は、初めてのお仕事に戸惑いながらも、コウを始め個性的な先輩社員に助けられながら少しずつ成長していく。ゲーム会社で働く女の子たちの日常を描いたお仕事ガールズコメディが今、幕を開ける!

>>公式サイト
>>公式Twitter(@nganime)

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(C)得能正太郎・芳文社/NEW GAME!製作委員会
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