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『よう実』カッコいいOP、すべてを包み込んでくれるEDの制作秘話

TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』OP・ED主題歌担当 ZAQ×Minami対談!アーティスト陣に衝撃を与えた存在とは

2017年7月12日(水)より放送開始となった『よう実』こと、TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』(原作:衣笠彰梧/キャラクター原案:トモセシュンサク)。

アニメイトタイムズでは、本作の連載企画「ようこそ実力至上主義の広報室へ ~すべての人間は生まれながらにして知らんことを欲す~」を毎週掲載中。『よう実』に出演する声優陣をはじめ、アーティストやスタッフへ作品について、たっぷりとお話を伺っていく内容となっています。

今回の第5回目に登場していただくのは、OP主題歌を歌うZAQさんとED主題歌を歌うMinamiさん。今回の楽曲がどのように生まれていったのか、そしてどんな思いを込めたのか、さらにはアニメの感想などを語っていただきました!

■□■□■ 連載バックナンバー ■□■□■
     【第1回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
     【第2回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
     【第3回】千葉翔也さん×久保ユリカさん
     【第4回】鬼頭明里さん×梅原裕一郎さん
イマココ⇒【第5回】ZAQさん×Minamiさん


お互いへのリスペクトから完成したエンディング
――原作や脚本を読んで、いかがでしたか?

Minamiさん(以下、Minami):学校って身近な場所のはずなんですけど、あり得ない世界観だったので、心の距離感がすごく不思議な感じで読み進めていました。原作を読んでいても、主人公が謎だらけで、続きが楽しみなんですよね。

ZAQさん(以下、ZAQ):アニメの脚本だと、各話の終わり方が秀逸で、次の展開が気になるんです。そして、してやられたというか(笑)。心理戦が、超面白い!と思いました。

――主題歌を書くことが決まってから物語を読む場合って、作詞のことも意識しながら読むんですか?

ZAQ:台本にあるキーとなるセリフに線を引いたりして、それをうまく広げられないかなとかは考えたりはしますね。

Minami:私も歌詞を書くために自分でまとめたものは作っていて、そこから広げていきます。ただ、お話がまだ完結していない場合は、自分の中で消化できていない状態なんですね。でも曲は完成させないといけないので、その場合は、読んだところまでの自分なりの答えを見つけてから書いています。

――ZAQさんは今回、OP主題歌とED主題歌の作曲をやられていますが、最初はOPだけの話だったそうですね。

ZAQ:そうなんです。OPをやることになり、EDはMinamiさんだと聞いていたので「うわ~! 頑張らなきゃ」と思ったんです。それで自分の曲が完成したときに、まだEDの曲を決めかねていますと聞いて。「じゃあ私に書かせてもらえたりしませんか?」と食い気味に言ったら、「明後日までだけどやる?」と。「やります!」と言って、寝ないで書いて提出しました(笑)。歌詞は考えなくて良かったし、編曲も他の方だと言われていたので、Minamiさんのことだけを考えて書きました。

――アニメサイドからの要望はありましたか?

ZAQ:EDは、イントロを暗くしてほしいと言われました。あとはバラードという指定もあったので、いきなりピアノの重たい感じのフレーズをズドーンと入れたくらいですね。あとはMinamiさんの声を活かした泣ける感じというか。作る側が泣けるとか言ったら本当はダメなんですけど(笑)、やっぱりMinamiさんの声が素晴らしいので。だからそれを活かしたいなと。OPは特に何も言われてないですね。カッコ良くしてくださいと言われました。

――OPは異様にカッコ良いですよね!

ZAQ:ゴリゴリのロックサウンドというよりは、作品が頭脳戦だから、ちょっと頭がいい感じにしたくて。

Minami:あ~! すごく頭いい感じするっ!

ZAQ:なのでアシッドジャズを基盤に、アニソンの王道のカッコいいではなく、ちょっと大人ぶった感じのサウンドにしたいと思って、ああいう謎のカッコ良さ、みたいなのが生まれました(笑)。

――MinamiさんはOPを聴いて、いかがでした?

Minami:テレビで初めて聴いたんですけど、びっくりしました! カッコ良すぎて、トキメキすぎて泣ける!って感じ(笑)。すごく感動しましたね。イントロがヤバかったです。歌から始まって、歌い方も前半とサビで響かせ方が全然違っていて、すごいなぁと思いました。

――CDだと、ZAQさんが息を吸うところから始まるんですよね。

ZAQ:そうですね。そこはアニメサイズだと収録されてないんですけどね、秒数使っちゃうので(笑)。

――でも確かにAメロあたりのボーカルは力強いというか、すごく印象が違いました。では、EDはどうでしたか?

Minami: ZAQちゃんの仮歌がラララで入っていて、「あぁ本物だぁ」って思いました。

ZAQ:あはは(笑)!

Minami:何て言うんだろう、こういう曲にしたいっていうのが、ラララからすごく伝わってきたので、歌詞はそのまま書きました。ラララって、言葉ではないので苦手なこともあるんですけど、すごく文字が見えてくるようなラララだったんです。

ZAQ:えー! こんなに幸せな褒められ方ってあるんでしょうか。泣いちゃいそう。ありがとうございます。

Minami:いえいえ(笑)。

――ラララで言葉が聴こえてくるってすごいですね。

Minami:こういうものを表現したいっていう方向性がすごく見えたので、作品は読みましたけど、ZAQちゃんの歌声に沿っていったという感じです。

ZAQ:うわー!

Minami:特にDメロのところ。2番のサビが終わったところからが、すごく訴えかけてくるものがありました。

――この曲のDメロは最強ですよね。

Minami:最強ですよね! すごいと思いました。

――アニメでは流れないですが……(笑)。

Minami:すごくもったいないですね(笑)。あと私、女性が書いた曲って初めてなんですよ。

ZAQ:ええーー!? 本当ですか?

Minami:そうなんです。あとね、歌っている人が書いた曲も初めて。だから私の中でも結構歴史的なことだったんですよ。ZAQちゃんは、めっちゃ私の歴史に刻まれてます(笑)。

ZAQ:嬉しいです、ありがとうございます!

Minami:女性らしさもすごく感じました。繊細な感じがしました。

ZAQ:嬉しいなぁ。親に自慢しよう(笑)。

――ED主題歌「Beautiful Soldier」は、どんな歌詞にしようと?

Minami:作品を読んで、私の中のひとつの答えとしては、一人でいても集団でいても、その人はその人であることに変わりがないっていうことだったので、それを表現したいと思いました。周りに自分を合わせなきゃいけないことって誰しもあると思うんですけど、それでも流されたりしないで、その人らしさを大事にするほうがいいんじゃないかって、私は思っているんです。

みんな自由なはずなのに、何かを否定したりすることってあるじゃないですか。その人の個性や生き方、進むテンポとか、みんなそれぞれ違うところが素敵なことだとすごく思ったんです。で、この作品の世界観で考えると、みんなそういうことと戦っている気がしたし、それってすごく綺麗だと思うんですよね。なので、タイトルも「Beautiful Soldier」にしたんですけど。

――具体的に特定のキャラクターに当てはめたりもしていないんですか?

Minami:そうですね。誰っていう感じではなく、全体的に作品に触れさせていただいていて、印象的なセリフもたくさんあったので、そういったものを意識しながら書いていきました。でもやっぱり、いつも頭の中にいたのは主人公の綾小路ですかねぇ(笑)。

――作曲したZAQさんは、歌詞を見てどう思いましたか?

ZAQ:本当におっしゃる通りで、一人で戦うこと、でも君がいること、みたいな対比も表現してくださっていて。Minamiさんの歌詞って、あったかいんですよね。いつだってそうなんですけど、歌が何かを守ってくれているんですよ。だから安心というか、委ねたくなるんです。Minamiさんの歌詞に守られているから頑張れるなぁ、みたいな。この歌詞にも、すべて肯定してくれる感じがあるから温かい。私なんか、殺伐とした世界しか表現してないですから(笑)。あと、歌い方もまた泣ける感じで歌っていただいていて。

――先ほど言っていた、Minamiさんのことを考えて作曲したというところですかね?

ZAQ:そうですね。Minamiさんのハイトーンのビブラートも大好きなので、サビの最後あたりで聴かせたいなぁとか。これはいいことなのかは分からないですけど、ファン目線で「こういうMinamiさんが聴きたい」って思うところを書けるのは、ちょっと幸せですね。

そうだ! 私、Minamiさんの曲で一番好きなのが「涙の理由」なんですけど、歌詞に入ってるんですよ! 〈涙の理由は矛盾した気持ち〉って。「え!? 私が好きっていうのを知っているのかな!?」と思って、すごい嬉しかったです。 

Minami:え~! そうなの?

ZAQ:Minamiさんって、明るくてアッパーな曲をフェスでも歌われるんですけど、やっぱりバラードが至極で、大好きなんですよ。

――すごいですね、想いが通じ合ってる感じが。

Minami:本当にそうですね。私、ZAQちゃんの仮歌で言葉のはめ方とかを決めていったんです。Aメロだったら〈隠されて、閉じてゆく…〉って、音符1つに対して一文字なんですけど、あの感じだと英語をはめたりもできるんです。だけどZAQちゃんの歌い方が一文字だったから、一文字にしようとか。そういう音の響かせ方も結構影響を受けているんです。歌い方が頭に残っていたので、魂が乗っかっているんですよ。普段だったら地声で張る感じのところでも、仮歌がファルセットだったから、そうしようかなとか。そういうふうに作っていったんです。

ZAQ:もう、ありがとうございます。愛に溢れてる!

Minami:やっぱり作ってくださる方のやりたいことって、歌っている方だからこそ、答えがそこにある感じがしたんです。それは普段とは違った感じの作業だったんですけど。

ZAQ:作家冥利につきます……。こんなこと言ってもらえたらもう、今日は眠れないですね!


アーティスト2人に衝撃を与えた綾小路

――(笑)。一方、OP主題歌の「カーストルーム」は、ほぼ一人で作った感じですね。

ZAQ:はい。あれは殺伐としてますよ(笑)!

――展開としては、Dメロから始まるようなイメージだと思うんですけど、そのあとの間奏がすごくカッコ良い。ああいうところは、映像も想像したりするんですか?

ZAQ:全然想像しないです(笑)。あそこってカッティングギターがスチャラカ鳴っているだけなんですけど、どういう絵が付くんだろうとかは思うけど、全然分からないんですよね。もちろん見たときは答えが返ってくる感じで嬉しいですけど。私の歌をこうやって解釈してくれたんだなって思うので。

――「カーストルーム」の歌詞は、Dクラス全体の感じを歌っていますね。

ZAQ:そうですね。下の階級が上の階級に登るには、どう生きていけばいいのかという。主人公の気持ちとかではなく、下克上がテーマです。

――すごくアニメに寄り添った歌詞で、OP!っていう感じがすごくしました。

ZAQ:OP!って感じですよね(笑)。ありがとうございます。空に憧れたり、自由を求めたり、蝶が羨ましいと思ったり、そういうことを歌っているんですけど、蝶ってやっぱりAクラスとか上の人たちのことで、這い上がって空へ行くんだみたいな世界観ですね。

――〈変化は怖くない進化を遂げよう〉っていうところは、アーティストとしてのマインドにも当てはまるのかなとは思いました。

ZAQ:そうですね。人間誰しも、変化を恐れていてはダメだと思います。ちょっとした変化よりも、その先にある進化を求めていこうというのは、我々音楽家としてもそうだと思います。

――アレンジ面でのこだわりは?

ZAQ:今回、A-beeさんというトラックメーカーの方をアレンジャーに入れて、ドラム周りをちょっと強化してみました。4つ打ちのバキバキとしたサウンドが欲しいなと思って。自分でやるとどうしても優しくなっちゃうので、もう少し攻めている感じのサウンドにしたいなと思って、ビートの周りは手伝ってもらいました。ギターは生で、ベースは踊るベーシストがいいと、ロックというよりはジャズに強い方にお願いして、エレクトリックピアノも生で入れさせてもらいました。

――上モノで“生”感がすごくあるのに、ドラムがデジタルっていうのがすごく印象的だったんです。

ZAQ:バキバキしていますよね! そこに踊るベースが乗るのが大好きなんですよ(笑)。私の手法としては、結構やりがちなんですけど。

――ドラムを“生”にしない理由って?

ZAQ:ちょっと冷たい感じが欲しいんですよね。冷酷な感じというか。メロディがかなり温かいというか、メジャーなコードでポップになっているので、フット部分は硬くいきたいなぁって。

――なるほど、そういう理由だったんですね。せっかくなのでアニメを見た感想も伺いたいのですが。

ZAQ:もう、主人公の綾小路の声がひたすらに暗い(笑)! それがいいんですよ! ミステリアス感がうまく出てるなぁと思って、ちょっとクセになっちゃってるんですよね、千葉(翔也)さんの演技が。

Minami:ああいうしゃべり方の主人公って、いないですよね。

ZAQ:絶対いない(笑)! でも千葉さんは他の役だと、すごくハッピーにしゃべっていたりもするから、そういう芝居なんだなって、すごいなぁと思いました。あと、女の子が可愛いです!

Minami:私も原作を読んでいた想像通りの世界って感じで、実際に動いているのが見られて幸せな気持ちになりました。

――やっぱり綾小路の声にはびっくりしたんですね。

Minami:びっくりしました。ここまで暗いんだ!と思って。

ZAQ:自己紹介のところとか、心配になりましたよね(笑)。

Minami:あははは。うん。

――では最後に、メッセージをお願いします。

ZAQ:「カーストルーム」はアニメの世界に寄り添った楽曲ですけど、今いる現状、窮屈な現状から抜け出したいという人にも響く歌になっていると思います。これからアニメがどういう展開をしていくのかも楽しみになる、ワクワクする楽曲を作ったつもりなので、楽しんでいただきたいです。そしてカップリングには、ライブで絶対に盛り上がること間違いなしのロックサウンドバリバリの楽曲を作ってきたので、そちらもチェックしてください!

Minami:ZAQちゃんに曲を作っていただけて、すごく幸せだなと思っています。EDが流れる瞬間の空気感って不思議な気持ちになるんですよ。なんというか、いたたまれないような(笑)。出だしはそうなるんですけど、曲を聴いていると、ゆっくり眠れると思います。
カップリングはすごいくノリノリな曲なんですよ。「Beautiful Soldier」の編曲をされてる中土智博さんが作ってくださった曲で、歌詞は作品に寄せて書いていたりするので、また違った『よう実』の表現を楽しみにしていただけたらと思います。

[取材・文/塚越淳一]

>>ZAQ Official site
>>Minami Official Website

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     【第4回】鬼頭明里さん×梅原裕一郎さん
イマココ⇒【第5回】ZAQさん×Minamiさん

 
作品情報
【放送情報】
AT-X:毎週水曜 夜11時30分~
 【リピート放送】
 毎週金曜 午後3時30分~
 毎週日曜 朝8時30分~
 毎週火曜 朝7時30分~
TOKYO MX:毎週水曜 深夜1時05分~
テレビ愛知:毎週水曜 深夜2時35分~
KBS京都:毎週水曜 深夜1時05分~
サンテレビ:毎週水曜 深夜1時30分~
TVQ九州放送:毎週水曜 深夜2時35分~
BS11:毎週金曜 夜11時00分~

【スタッフ】
監督:岸 誠二 × 橋本裕之
シリーズ構成:朱白あおい(ミームミーム)
キャラクターデザイン:森田和明
アニメーション制作:Lerche
製作:ようこそ実力至上主義の教室へ製作委員会

【キャスト】
[Dクラス]
綾小路清隆 千葉翔也
堀北鈴音 鬼頭明里
櫛田桔梗 久保ユリカ
佐倉愛里 M・A・O
軽井沢恵 竹達彩奈
平田洋介 逢坂良太
高円寺六助 岩澤俊樹
須藤 健 竹内栄治
池 寛治 阿部大樹
山内春樹 岩中睦樹
幸村輝彦 郷田翼

[Aクラス]
坂柳有栖 日高里菜
葛城康平 日野 聡

[Bクラス]
一之瀬帆波 東山奈央
神崎隆二 若山晃久

[Cクラス]
龍園 翔 水中雅章
伊吹 澪 小松未可子

[生徒会]
堀北 学 梅原裕一郎
橘 茜 小原好美

[教員]
茶柱佐枝 佐藤利奈
星之宮知恵 金元寿子

【音楽情報】
・OP:ZAQ「カーストルーム」(2017年8月9日発売)
・ED:Minami「Beautiful Soldier」(2017年8月23日発売)

【STORY】
 この社会は平等であるか否か。真の『実力』とは何か――。

 東京都高度育成高等学校。それは徹底した実力至上主義を掲げ、進学率・就職率100%を誇る進学校である。そこに入学して1年Dクラスに配属された綾小路清隆だったが、学校は実力至上主義の看板とは裏腹に、生徒に現金と同価値のポイントを月10万円分も与え、授業や生活態度についても放任主義を貫く。夢のような高校生活の中で、散財を続け自堕落な日々を送るクラスメイトたち。

 しかし、間もなく彼らは学校のシステムの真実を知り、絶望の淵に叩き落とされるのだった……!

 落ちこぼれが集められたDクラスから少年少女たちが見出すものは、世界の矛盾か、それとも正当なる実力社会か。

>>TVアニメ公式サイト
>>公式Twitter(@youkosozitsu)

(C)衣笠彰梧・KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ製作委員会
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