『鋼の錬金術師』完成報告会見が開催! 「原作ファンだからこそ、禁忌に触れてしまっているような不安を感じていました」

原作ファンだからこそ、禁忌に触れてしまっているような不安を感じていました――映画『鋼の錬金術師』完成報告会見が開催!

2017年10月3日(火)綱町三井倶楽部にて、12月1日(金)に公開となる映画『鋼の錬金術師』の完成報告会見が開催されました!

会見には主演の山田涼介さん(エドワード・エルリック 役)をはじめ、本田翼さん(ウィンリィ・ロックベル 役)、ディーン・フジオカさん(ロイ・マスタング 役)、松雪泰子さん(ラスト 役)、そして曽利文彦さん(監督)が登壇し、本作への意気込みを語りました。

本稿では、その模様をお届けします!

▲左から、曽利文彦 監督、松雪泰子さん、本田翼さん、ディーン・フジオカさん

▲左から、曽利文彦 監督、松雪泰子さん、本田翼さん、ディーン・フジオカさん

シリーズ累計7000万部を超える国民的人気コミックがついに実写化!
まずは最新予告映像が公開となります。映像には、初公開となるMISIAさんによる本作の主題歌「君のそばにいるよ」が使用されており、映画『鋼の錬金術師』の世界観を盛り上げていました。



MCの呼び込みで、山田さん、本田さん、ディーンさん、松雪さん、曽利監督の5人が登壇し会見がスタート。完成した作品への自信が感じられる挨拶ののち、会見はトークセンションへと移っていきます。

まず語られたのは、本作の出来栄えとその自信について。山田さんは「凄いものを観ちゃった感覚です。自分が出ている作品って自分の粗を探してしまうんですけど、それよりも作品の持っている力に魅入られてしまいました」とコメント。「僕たちの撮影が終わってからも監督やスタッフたちは戦っていて、どれだけ作品を愛しているのかが伝わってくる映像になっていました。凄いんですよ。初めて『ハリー・ポッター』を観たときの感覚に近かったです。こんなのが日本で出来ちゃうんだなって」と興奮気味に語ります。

原作の大ファンでありながら、今回メインキャストとして出演を果たした本田さんは、ファンであるがゆえの不安も多かったのだそう。しかし、「アルの完成度が素晴らしいんです! 撮影では山田がなにもないところ相手にお芝居をしたりしてて、それを現場で見てる間はどうなるのかイメージできなかったんですけど、完成したものを観て、自分の想像を遥かに超えるスケールの映像になっていて興奮しちゃいました」と力強く語る姿からは、本作に対する自信がありありと感じられます。また「エドが槍を錬成するシーンとか、原作の角度を忠実に再現してるところがたくさんあるんです」と、ファンならではの目線から本作の見どころを紹介しました。

ディーンさんが語ったのは、本作の持っているメッセージ性について。「映像の素晴らしさや迫力は勿論、僕は、兄弟の物語だったり、思いだったりが伝わってきて、この物語の持っている厚みが心に残ったんです。シンプルに良いストーリだと思ったし、それを華々しく魅せる監督の技術に心打たれました」と絶賛。また炎を錬成するマスタング特有の所謂“指パッチン”について、「これで大丈夫なのかなって不安もありました(笑)」と会場の笑いを誘いつつも「監督に的確なディレクションをしていただいたおかげで、見えないものを想像しながら自信を持って演じることができましたし、完成品になったときには感動しました」と、誇らしげな表情を浮かべていました。

本日の登壇者では唯一、エドたちにとって敵側のキャラクターを演じた松雪さん。「こんなに悪役なのは初めてで、そして人間ではない役だったので、とっても楽しかったです」と笑顔を浮かべます。「なかなか人生で何度もやれるような役ではないですし、ファンタジー映画で悪役をやりたい夢が今回叶ったのでとても嬉しかったです。どれだけ怖くできるかに挑戦しました」と演じたキャラクター・ラストに似た妖艶な雰囲気を浮かべて笑う松雪さんでした。

本作で気になるのは、VFXで再現されているエルの弟・アルフォンソ。この声を担当しているのが、俳優の水石亜飛夢さんであることが明かされました。

曽利監督によると、水石さんはもともと現場でアルフォンソのスタンドイン(現場で仮の演技をする役者)として参加していたそうなのですが、撮影が進むにつれて「水石亜飛夢がアルフォンソをやるべきだ」と思うようになったのだとか。「特にメインの兄弟喧嘩をするシーンがあるんですが、そこの撮影で山田くんと水石くんのコンビは崩せないと確信しました」と大抜擢の理由を明かしました。

また、会見中には原作者である荒川弘先生からのコメントが紹介されました。

<荒川弘先生コメント>
「観た瞬間、エドがいる!って驚いて、冒頭からアクション全開で一気に世界観に引き込まれました。この物語を1本の映画にまとめるために大変苦労されたと思いますが、原作への寄り添い方とずらし方が絶妙で原作ファンの皆さんにもこう来たか!こう来たか!って、全編飽きることなく、楽しんで頂けると思います。そして山田涼介くんが、エドが背負った罪を見事に表現されている。エドとアルの兄弟は、壮大な旅の中でどんな選択をするのか。エンドロールできっと、涙が溢れてくると思います。純粋に楽しかった。自分でマンガを描いておいて何ですが(笑)」

このコメントに、山田さん、本田さんは大興奮。「僕自身も原作ファンで『鋼の錬金術師』の良さがわかったうえでやらせていただいたんですけど、だからこそ恐縮だったというか、それこそ禁忌に手を出しているような気がしてたんですよ。だけど、荒川先生からこのように言っていただいて、本当に嬉しいです」と山田さん、「実写化されることになって、特に荒川先生が一番不安だったと思うんです。そんな先生からこのような言葉をいただけて、この作品に出演できて本当に良かったなと思います」と本田さん。

さらに、曽利監督も「我々からしたら神様みたいな存在である荒川先生にこの作品をどう観ていただけるのか、心臓が飛び出るような気持ちでした。試写から出ていらっしゃった荒川先生に、満面の笑顔でガッツポーズをしていただいたときは、いろんなことが報われたと思いでしたね」とコメントしていました。

また「私の後ろには素晴らしいスタッフが揃っていて、そこは自信があります。この映画はキャストのみなさんがですね、自信を持ってお届けしたいと思っています。役者陣がものすごくて、山田くんを筆頭に、みんなの役に対する入れ込み方が凄くて、特に、メインキャストのみなさんには役に成りきっていただいて、監督冥利につきます」と語っていただき、この作品に対する情熱と、それ以上の自信を感じとることができました。

キャスト・スタッフ・そして原作者が太鼓判を押す大注目の映画『鋼の錬金術師』は、12月1日(金)公開。日本映画史に残るファンタジー・アクション超大作を、ぜひ劇場の大スクリーンでお楽しみください!

[取材・文・写真/原直輝]

映画『鋼の錬金術師』作品情報
12月1日(金)ロードショー!


【概要】
本作は、月刊「少年ガンガン」(スクウェア・エニックス刊)で2001年~2010年に渡り連載された、荒川弘氏による大人気コミック『鋼の錬金術師』(略称:ハガレン)の実写化作品。エドワード・エルリック役の山田涼介さん(『映画 暗殺教室』(2015))、ウィンリィ役の本田翼さんら豪華キャストが集結。監督はジェームズ・キャメロン監督の下『タイタニック』(1997)のCGを手掛け、『ピンポン』(2002)で日本映画の新たな扉を開いた曽利文彦氏です。

【STORY】
「返せよ、足だろうが、両腕だろうが、心臓だろうが、くれてやる。だから返せよ! たった1人の弟なんだよ!」

大好きだった亡き母を生き返らせようと、幼い兄弟は最大の禁忌(ルビ:タブー)を犯した──。

「これだ! この理論なら完璧だよ! 母さんを生き返らせることができる!」

幼くして錬金術の天才的な才能を見せるエドは、弟アルと、ついに"人体錬成"の理論にたどり着く。
母さんにもう一度会いたくて、その笑顔が見たくて…、迷わず前に進んだ幼い兄弟の運命はしかし非情なものだった。二人の錬成は失敗し、エドは左脚を、アルは身体全部を代価として"持っていかれて"しまう。

瀕死のエドはとっさに無謀な再錬成に挑み、右腕と引き替えにアルの魂だけをなんとか錬成し、近くにあった鎧に定着させる。あまりに多くを失ったエドだが、決して諦めはしなかった。すべてを取り戻すため、鋼鉄の義肢をつけた身で国家錬金術師となり、鎧の姿の弟アルと旅を続けるエドをやがて人はこう呼ぶのだった。“鋼の錬金術師”、と──。

※錬金術とは
物質の構成や形状を変化させ、新たなものに作りかえることができる、一見魔法のようだが、「等価交換」を原則とする厳正科学。この術において、最も禁止されていることが、“人間”自体を作ること。この兄弟は、幼いがゆえに死んだ愛する母親にどうしても会いたいと、蘇らす人体錬成を行ったが、失敗。その代償として身体の一部を失ってしまった。

【キャスト】
山田涼介 本田 翼 ディーン・フジオカ
蓮佛美沙子 本郷奏多/國村 隼
石丸謙二郎 原田夏希 内山信二 夏菜
大泉 洋(特別出演) 佐藤隆太/小日向文世/松雪泰子

【スタッフ】
原作:「鋼の錬金術師」荒川 弘(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
監督:曽利文彦(『ピンポン』)
製作:映画「鋼の錬金術師」製作委員会
制作プロダクション:OXYBOT
配給:ワーナー・ブラザース映画

>>映画「鋼の錬金術師」公式サイト
>>映画「鋼の錬金術師」公式ツイッター(@hagarenmovie)

(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会
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