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アニメ映画『あした世界が終わるとしても』内田真礼インタビュー

アニメ映画『あした世界が終わるとしても』内田真礼さんインタビュー|最後までドキドキしながら台本をめくっていたのを覚えています

2019年1月25日(金)に公開される、劇場長編アニメーション『あした世界が終わるとしても』。梶裕貴さん、中島ヨシキさん、内田真礼さん、千本木彩花さん、悠木碧さん、水瀬いのりさんといった豪華キャスト陣に加え、さらに先日、水樹奈々さん、津田健次郎さん、森川智之さんの出演も決定し、大きな話題を呼びました。

アニメイトタイムズでは、泉琴莉役の内田真礼さんにインタビューを実施! 自身が演じるキャラクターの印象や、アフレコを終えた感想、本作の魅力について語っていただきました。

また、本作の舞台が新宿ということで、内田さんの新宿おすすめスポットや、デートスポットについてもお話を伺っています!

『あした世界が終わるとしても』というタイトルに驚かされた

——『あした世界が終わるとしても』に出演が決まった時の感想を教えてください。

内田:本作のきっかけとなった作品『ソウタイセカイ』にも出演していたので、「あの世界の中で再びお芝居ができるんだ!」と嬉しかったです。

キャラクターに触れたら壊れそうなほどの繊細さがあり、すごく引き込まれる作品なんですよ。

ポスターだけ見るとほのぼのとした印象があるのですが、物語はハイスピードで流れていくので、収録中も頭の整理が大変でした。最後までドキドキしながら台本をめくっていたのを覚えています。

シナリオについても、「『あした世界が終わるとしても』というタイトルが、こう繋がってくるんだ!」と驚かされました。収録が終わってから監督に「めちゃめちゃ面白かったです!」と伝えられて良かったです(笑)。

——泉琴莉という役について、どのような演技をしようと考えましたか?

内田:狭間真の傍に寄り添う女の子として、常に可愛くありたいというのがありました。みんなでお出かけするシーンなんかも、好きな人の前だから可愛くいようと、楽しい雰囲気を出すんです。「女の子ってそういうところあるよね」という、あざとさがありますよね(笑)。

逆に、好きな人がいない時って、琴莉はすごくクールなんですよ(笑)。ミコと二人でいるシーンなんかは、すごく分かりやすく違うんです。

女の子としてあるべき姿が透けて見えるような。それがリアルで憎めないんだけど、心の支えとなっている真にも繋がると思っていて。

真にとって、琴莉はただただお姉ちゃんっぽくてもいけないし、可愛い女の子という存在でありたいという意識は常にありました。

——なるほど。琴莉は掛け合いをするキャラクターによって、態度が大きく違うのですね。

内田:演技が分かりやすいように、わざと感情を表に出すようにしていました。要するに、琴莉は真以外にはどう思われてもいいわけですよ。真以外の人に興味がないというか、“みんなにとっての良い子”ではないんですね。

見た目も良いからモテると思うんですけど、だからといってみんなに良い顔をしようとはしていない。

特に突然現れたミコなんて、琴莉にとってはよく分からない存在なんです。いつでも良い子を演じているわけではない琴莉に、すごくリアルさを感じました。

キャラクター作りとしてとても面白いと思ったし、それが現代日本を舞台にした作品で描かれる良さだとも思いました。監督のキャラクターの描き方はすごく面白いなあと。

真との掛け合いのシーンは、梶裕貴さんの演技を参考にしていた

——琴莉の性格やキャラクター性について、内田さんはどういう印象でしたか?

内田:恋愛に対して、とても積極的だと思いました(笑)。これが女の子の素の部分だし、本当のところなんだろうなと。琴莉は決して男の子の妄想上の女の子ではないんです。女の子が見た時に、「自分もこうかも」と思えたり、逆に好かれないような存在だとも思いました。

なるべく素の部分は、嫌われないようにしたいのもあり、収録中も感情を抑えた部分もあって。

例えば、デートに真と2人で行くシーンでは「お待たせ」というセリフに音符マークをつけない感じで言うとか(笑)。嬉しそうなんだけどそこまで行かず、感情をどこまで表に出すかといったバランスが難しかったです。

——そういった細かい表現もあって、琴莉は非常に魅力的なキャラクターに仕上がっていました。

内田:何だかんだ琴莉は可愛いですよね(笑)。明らかに真が好きなのが分かるし。伊勢丹の上で真と2人で会話するシーンなんかは、もうちょっとでくっつきそうな絶妙な感じも良いなと。

——そういう胸キュンな場面も良かったです。琴莉にはコトコという対になる人物がいるのですが、コトコの演技は意識しましたか?

内田:コトコに関しては顔は琴莉と同じなんですけど、全然違う存在である方がいいかと思って、特に意識はしなかったですね。

現代社会の琴莉と、日本公民共和国のコトコとでは生きてきた道のりだって違いますし。コトコの存在に引っ張られないようにしましたね。

——ちなみに、収録はお一人だったんですか?

内田:一人でした。皆さんの声がほとんど入った状態で、それを聞きながらの収録でした。先に録ってある声に合わせる形で演技をするかどうかなど、組み立てが難しかったです。

真との掛け合いのシーンでは、梶さん(梶裕貴さん)の演技を信じた形ですね(笑)。

——あらかじめ声が入っていたということで、内田さんの用意していた演技プランと実際に演技した時というのは色々変わってきたと思います。それも含めて、収録中で印象深かったエピソードでありますか?

内田:琴莉はあざとくなり過ぎないように意識しました。琴莉はSFのパートにあまり関連がないキャラクターでもあるので。

とにかく素の部分をしっかり出すようにして、彼女らしさを大切に演じました。

収録中では掛け合いができないですが、声を聴けば温度感は伝わってくるので、だいぶ助けられましたね。

——琴莉は真のどういうところに魅力を感じたと思いますか?

内田:真は口数が少ないんですけど、心優しさは伝わってきますよね。あとは、ほっとけなさ(笑)。

琴莉のお姉さんっぽさみたいところが、2人を良い関係にしているのかなと思って。琴莉が真を引っ張っていくような関係は、まさにポスターのビジュアルにも現れていますよね(笑)。

琴莉にとって、そういった関係が楽しいんじゃないかなと。真にはついつい構いたくなるような魅力があります。

——内田さんから見て、琴莉はどのように映ってますか?

内田:すごく共感できますよ。女の子はアニメでよく描かれるような、言いたいことが言えなくて口ごもっちゃう照れ屋な子ばっかりじゃないと思うので。「こういうキャラで来たか!」という驚きがありました。

高校生の年代ならではかもしれないですけど、女の子が積極的で、男の子を引っ張っていくみたいなところも見えるから。嫌な感じがせず、こういう女の子に男の子は惹かれるんだろうなというのもありましたし、リアルなんじゃないかなと。

この2人って、お互いがお互いを好きだって分かっているからこその距離感なんです。学校とかでもみんなからからかわれても、お互いが好きだと分かっているような態度だし、見ていて可愛いなと思うところですね。

突然“非日常”に巻き込まれていく恐怖

——琴莉と真の関係について、内田さんはどのように見ていましたか?

内田:すごくモヤモヤしてました(笑)。「早く告白しちゃえ!」っていう瞬間がいっぱいあったじゃないですか。

——(笑)。2人のやりとりを観ていて、ご自身の高校時代とかを思い出したりとか?

内田:私も積極的に話ができたら、と思った時もありましたけど……。ここまでお互いのことが分かったうえで、微妙な距離感のまま友達関係を続けるというのも憧れですね(笑)。「好き」とまでは言えない関係のまま送る高校生活もいいなあと。

——若い世代にリアルに刺さってくる心情ですよね。

内田:共感してもらえるシーンかもしれないですね。SF的な展開の段階で、自分たちの世界と同じだと思える部分があると思うんですよ。

そんな世界が壊れるということは、今まで当たり前にあったものが崩れることだとも思うので。自分の境遇と重ねられる部分が多く描かれている作品だと思います。

——ストーリーはもちろんキャラクターも魅力的なんですけれども。やはり映像のクオリティもすごく高いですよね。3DCGならではのアフレコの時の難しさだったり、逆にやりがいだったりというのはありましたか?

内田:お芝居としては普段の収録と変わらず、出来上がったらすごくいいものになるんだろうなという、想像の中で芝居をした感じですね。アニメーションスタッフの皆さんがどんなものに仕上げてくれるのか、すごく楽しみです。

——真と顔が瓜二つのジンって、琴莉にはどういう風に映っていたのでしょうか?

内田:危ないやつだと(笑)。正直、琴莉はジンにあんまり興味が持てなかったと思うんですよ。彼女は普通に学生生活を送っていたのにも関わらず巻き込まれてしまった人なので。

彼女にとってジン・ミコ・リコというのは、「なんだろう?」ぐらいの感じだったと思います。

だからこそ、非日常に巻き込まれたのが明確に分かるというか。簡単に人がいなくなってしまうことへの恐怖だったり。突然事件に巻き込まれてしまう衝撃みたいなのが感じられます。

——確かに、そう考えるとすごく怖い話ですね。

内田:そうなんです。普通に過ごしていただけなのに、突然死ぬかもしれないと言われるわけですからね。

内田さんのオススメ新宿スポットは……?

——本作の舞台が新宿ということで、新宿ピカデリーなど、新宿の映画館で映画を観られる方も多いかと思います。聖地巡りもしやすい作品だと思うのですが、内田さんにとってオススメの新宿スポットはどこでしょうか?

内田:新宿サザンテラス! 冬になるとイルミネーションが綺麗なので、オススメですね!

他には、伊勢丹の屋上もすごく綺麗だと思います。夏になるとビアガーデンをやってたりとか、新宿の中心地にいてものんびりできるスポットなので、ぜひ行ってみて欲しいです。

あと、私タピオカが好きなんですよ。最近、新宿にタピオカミルクティーの店が増えて嬉しいです(笑)。ぜひ新宿に来たらタピオカミルクティーを飲んで欲しいですね。おすすめは西口です(笑)。

——ありがとうございます! ちなみに、理想のデートスポットってありますか……?

内田:やっぱり映画館じゃないですかね。私はもしデートするんだったら、ポップコーンはキャラメルと塩の2色。あと……、コーラが飲みたい(ボソッ)。

——どうして急に小声になるんですか(笑)。

内田:(笑)。映画を観ているときの飲み物といえば、やっぱりコーラですよね! 隣の人に気を遣って静かに飲んだりと、音を気にしちゃうところに甘酸っぱさを感じるというか。

この映画はカップルで観ても良いと思うんです。明日世界が終わってしまったらどうするんだということを考えながら観ると、「ああッ!」となって(笑)。

あいみょんさんの曲も素敵で、あの曲が流れるたびに、当たり前って当たり前じゃないんだなと思っちゃいますよね。

新宿に来たらそんな思いでこの映画を観つつ、ポップコーンとコーラで楽しんで欲しいかな(笑)。

——内田さんの新宿オススメのデートスポットは映画館ということで……。

内田:あ! あとは新宿御苑もいいですね。新宿御苑の辺りはカフェも多いので、コーヒーを買ってから御苑の中でのんびりするとかもおすすめですかね。

——最後に、本作の映画を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージお願いします。

内田:『あした世界が終わるとしても』というタイトルがまずインパクトがありますよね。日々の中ですごくドキッとさせられたり、心に刺さるものがたくさん詰まっている作品だと思います。

自分の今の日常と重ね合わせてみると明日からの世界が変わって見えるかもしれない、そんなキッカケになる作品だと思うので、ぜひ劇場でご覧いただけたらと思います。よろしくお願いします!

[インタビュー・写真・文/島中一郎]

作品情報

タイトル:あした世界が終わるとしても
公開日:2019年1月25日(金)

原作:クラフター 
監督・脚本:櫻木優平 
制作:クラフタースタジオ 
製作:『あした世界が終わるとしても』製作委員会 
配給:松竹メディア事業部

「あした世界が終わるとしても」公式サイト
「あした世界が終わるとしても」公式ツイッター(@ashitasekaiga)

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