『Fate/GrandOrder』の華はサーヴァントだけじゃない! 実は奥深い、“概念礼装”の秘密に迫る!【連載第3回】
原初のワカメ「偽臣の書」
初代ワカメ礼装。自身の弱体耐性を15%(最大限凸で20%)アップしてくれます。
サービス開始初期から実装されていた星3礼装で、初期は礼装の種類が今ほど多くなく、星3サーヴァントの確定枠も存在しなかったので、この礼装を嫌になるくらい見た……という方も少なくないのでは?
現在はフレンドポイント召喚からしか排出されなくなっているので、中には持っていないという方もいるかもしれません。
[Fate]及び[UBW]ルートでは、ライダー(メドゥーサ)のマスターとして登場していた慎二ですが、実は彼がもつマスターの権限は仮のもの。
本来のライダーのマスターは別におり、慎二はその人物からその権限の一部を譲り受けているのですが、魔術師としての才能に恵まれなかった慎二は、魔術回路というものをもっておらず、令呪を宿すことができません。
そんな慎二でも扱える、いわば令呪の代用品とも言えるのが、この「偽臣の書」。初歩的な魔術を発動させることもでき、本来魔術師ではない慎二が魔術のような力を用いていたのはこの本の力によるものとなっています。
劇場版[HF]でも、何度も出ていていたので、印象に残っている方も多いかと思います。
ちなみに、概念礼装の解説に書いてあるとおり、「偽臣の書」を作り出すためには、令呪を一画消費しなければいけません。このあたりはぜひ、[HF]でも確認してみてください。
劇場版仕様でちょっとイケメンに?「夢の跡」
2017年の劇場版[HF]公開記念ピックアップ召喚にて実装されていた星3礼装。ほぼ先程紹介した「偽臣の書」と同じ内容ですが、こちらでは間桐慎二本人に加えて、それに付き従うライダー(メデューサ)の姿が描かれています。
どことなく暗みのかかった色合いで、劇場版[HF]の雰囲気が再現されていることが感じ取れます。
その効果は自身の弱体付与成功率を3%(最大限凸で5%)アップ&弱体耐性を5%(最大限凸で10%)アップ。星3礼装なので仕方ないといえば仕方ないのですが、お世辞にも強いとは言い難いところです。
ただし、相手を行動不能にするメドゥーサのスキル「魔眼A+」の確率を少し上げることができるので、メドゥーサに装備させるのは無駄にはなりません。
この相手を石化させて行動不能へと追い込むのはメドゥーサの象徴とも言える戦い方ですが、慎二が描かれている礼装は、それの正反対の弱体耐性を上げるという性能を持ったものが多い印象です。
これは、むしろメドゥーサが敵の時に効果を発揮する類のものが多いことになります。本来のマスターとサーヴァントの関係ではない、二人の相性の悪さというのが礼装の効果からも感じとれる気がします。
実は女子にモテモテ!?「勝者の余裕」
やたらイケメンに描かれた慎二が強調された、憎たらしい(?)星3礼装。2017年に実施された「復刻:チョコレート・レディの空騒ぎ」にて実装されました。
ファンからの扱いや、劇中の性格の悪さからはなかなか想像しにくいのですが、実は慎二は女子からモテモテのプレイボーイ。学校のシーンでは、よく複数の女子生徒と一緒にいる姿が描かれており、実際バレンタインではかなりの数のチョコレートをもらっているのではないかと推測できます。
ただ、このイラスト内で手にもっているチョコは、紫とピンクのリボンという、桜を連想させるラッピングなんです。
もし妹からもらったチョコでドヤ顔をしていると想像すると……また違った視点で見ることができそうな礼装です。
誰に装備させても無駄になることはないので、慎二関連の礼装の中では比較的使いやすい性能をしていますが、その数値は雀の涙の程度のため過信は禁物。
ただ、ダメージカットの効果に回数制限がないという強みはあるので、長期戦になればなるほどその恩恵も増えます。防御アップ系のスキルをもつサーヴァントや、耐久を前提としたパーティなら役に立つ場面も出てくると思います。
なおこの礼装、2017年のクリスマスイベント「冥界のメリークリスマス」にも登場。アルテラサンタからのクリスマスプレゼントとして、寂しそうにしていたメドゥーサ・リリィへの「友人」として贈られたのですが、「いりません」と即座に一蹴されるという、かわいそうな扱いを受ける一幕も……。
なおその後には、下の項目でも紹介する「まるごしシンジ君」が改めてプレゼントされ、そちらは「使い道がある」ということで受け取ってもらえていました。
もう一人のシンジ「レコードホルダー」&「まるごしシンジ君」
最後に、番外編的な位置づけとしてこの2枚も紹介。こちらは『stay night』の間桐慎二ではなく、共に『Fate/EXTRA』及び『Fate/EXTRA CCC』に登場する「間桐シンジ」をモチーフとした礼装となっています。
『Fate/EXTRA』シリーズでのシンジは、慎二の外見をアバターとして使用しているまったくの別人で、その正体はアジア屈指のゲームチャンプである、8歳の凄腕霊子ハッカー。
高慢で自信家、他人を見下すなど、別人とは思えないほど慎二本人と瓜二つの性格をしています。
作中で士郎に歩み寄ろうとしなかった慎二とは異なり、主人公と奇妙な友人関係を築くことから、ファンの間では「きれいなワカメ」と呼ばれることもあるほど。
一方の「まるごしシンジ君」は、ランサー(エリザベート)の料理によって窮地に陥った主人公を救い出すために使用された料理処理用フリーソフト。
元々はまったく違う外見をしていたようですが、凛やラニたちによってシンジそっくりの姿へと改造されました。
かなりの危険物であるエリザベートの料理を見事に完食し、主人公を救出するという活躍を見せています(その代償にまるごしシンジ君は大破してしまいますが)。
続編『Fate/EXTELLA』でも登場しており、「decoy」のコードキャストを使用すると、一定時間敵の攻撃を引きつける囮役をこなしてくれるなど、下手をすると慎二よりも活躍の機会に恵まれているアイテムかもしれません。
以上が間桐慎二に関連した礼装の紹介となりますが、いかがでしたでしょうか。
今回紹介したもの以外にも、『Fate/Grand Order -First Order-』や『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』など、様々な作品で慎二との関係性を思わせる人物が登場しており、ある意味アルトリア顔と並んで、TYPE-MOON作品同士をつなぐ存在と言えるかもしれません。
『FGO』での慎二関連の礼装は、どれも役に立つ場面が限定され、使いこなすのは難しい礼装ばかりですが、ある意味その扱いにくさも含めて慎二らしくもあります。
[HF]で慎二の魅力に取り付かれたというマスターは、是非その運用に挑戦してみてください。
本連載では今後も引き続き、ユニークな概念礼装を紹介していく予定なのでお楽しみに!
[文/米澤崇史]
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