ドラマCD『酷くしないで5』中島ヨシキさん×寺島拓篤さんインタビュー｜波風が立っているようで、実は立っていない☆　小さな掛け違いで生まれたドラマの先に今後の展開を期待！

ねこ田米蔵先生原作の大人気BLコミック『酷くしないで』。最新ドラマCD「酷くしないで5」が、スピンオフ作品『酷くしないで 小鳥遊彰編』と豪華2枚組で、2020年4月24日（金）発売です。

そこで、メインキャラクターを務める眠傘隆役の中島ヨシキさん、真矢秀幸役の寺島拓篤さんにインタビュー！

物語は、『彰編』にも登場する真矢のいとこで、眠傘の先輩となった彰や、真矢や彰の知り合いでもある縞川らと大学生活を送る眠傘に対し、眠傘と別の大学に進んだ真矢は流夏という青年と出会ったことで、二人はスレ違っていく展開に。

そんな本作の収録を終えての感想や、新キャラクター・流夏についてなどを伺いました。

新しい環境、人と人とのつながりで生まれたドラマは、二人の関係性に安定感が出てきたことのスレ違い!?

――まず、収録を終えての感想を教えてください。

真矢秀幸役・寺島拓篤さん（以降、寺島）：順当に前作の3巻、4巻からドラマが続いているんですけれども、今回は新しいキャラクターの登場もあり、いつもとは違うアプローチで波風が立ったなという感じがしています。

演じながら、自分では気付けないダメな部分を、眠傘を通して気付けた真矢がまた一歩成長できて良かったなと思いました。

眠傘隆役・中島ヨシキさん（以降、中島）：今回は……波風が立っているようで立っていないというか。

寺島：実はね。

一同：（笑）。

中島：何かが起きているようで、二人が勝手にスレ違っているというのが、少し長く付き合ってきたカップル感があって。

お互いを思い合うがゆえにスレ違っている部分であったりとか、真矢くんは司書になりたいという進路を方向転換したり、眠傘くんも塾講師のバイトを始めたりとか、少しずつ周りの環境が変化していったことによって、いろいろな人が関わるようになってきて。

二人きりの世界だけじゃないというのが、二人の環境をより変化させていって、その結果のスレ違いだなというのが、物語の時間が進んでいると感じられて面白かったです。

今回は、のろけ話の延長線上みたいな展開ですが、スピンオフ作品の『彰編』とかなりリンクしている部分があるので、「縞川さんは何者なんだ？」みたいな点は、ぜひ合わせて『彰編』も読んで、聞いていただけたらわかるのかなと思います。

――ご自身が演じるキャラから見て、新キャラクター・流夏はどんな人物ですか？

寺島：キャラクターから見て（流夏は）、作中でモノローグでも言っていたりするんですけど、つかみどころがない、何を考えているのかわからないキャラで、真矢はそういう人物ほど魅力的に感じるので、最初は近づかないようにしていたんです。

流夏役の武内（健）さんのお芝居の妙もあって、底が知れない感じなどもあったんですけど、底とかじゃなくて、普通にいい人でした（笑）。

中島：ただ普通に、上昇思考の強い人だったという（笑）。

寺島：そうそう。だから、誤解されたりすることもある人なのかなと思いました。あと、見た目が美しい、キレイな人でしたね。

中島：学生のうちから企業するタイプですよね。

寺島：ね！　最近はたまに見掛けるけど、才気にあふれた方なんだなと思いました。

中島：眠傘くんは、真矢くん以外の男性にはほとんど興味がない人なので、恋愛という対象としては基本的に（真矢を奪う）“敵”だと思うんです。

眠傘くんの立場だと、最初は流夏の姿かたちもよくわかっていないし、人の話でしか聞かないというのはすごく不安だと思うんですよね。

だから“敵”だけど、実際に会ってみたら一番（眠傘が）懐柔されやすいんでしょうね。

寺島：一瞬だったもんね。

中島：懐柔されるまで、台本では一行もなかったですね。

一同：（笑）。

寺島：ナレーション処理で、いつの間にか（眠傘が流夏に）落ちていて、早かった（笑）。

中島：眠傘くんは経験不足だったり、世間を知らずに生きている人なので、真矢くんにとってもお互いに、（流夏は）自分の知らない世界を知っている人物ということで、最終的には魅力的な人なんじゃないかなとなりました。

――先ほど「二人の世界だけじゃない」とお話があったように、それまでは二人のことしか見えていなかったから、余計に眠傘にはそう見えていそうです。

中島：眠傘くんの周りには、あんな人はいなかったはずですからね。お母さんにバイトだって止められていたのに（笑）。

寺島：本当だよ～！

一同：（笑）。

寺島：眠傘は大事に、大事にされてきたのに。

中島：なのに、あんな胡散臭い男と知り合いになるなんて、お母さんはたぶん卒倒しちゃうよ。

寺島：そうだよね、お母さんに紹介したら大変だ。

中島：「流夏さんていうんだ。ふらぁ～（倒れる仕草）」みたいな。

寺島：早い、早い。まだ何者かも聞いてないから、もう少し説明しよう（笑）。

一同：（笑）。

寺島：作中にあった人脈じゃないですけど、こうやって人と人がつながることで、また新しくドラマも生まれてくるので、そういう意味では流夏さんに感謝しています。

　

――相手のシーン・セリフなど“ここはオススメ”と思うポイントを、理由と合わせて教えてください。

寺島：オススメですか……。

中島：（寺島さんに耳打ちして）全部。

寺島：えっと、「全部」なんですよね。（引き続き、中島さんが耳打ち）「全部、最高だったんですよね。ヨシキは最高で」……。

今のところは、「寺島（中島）」と書いておいてください。

一同：（笑）。

寺島：僕自身、わりと信頼していると言葉数が少なく、あまり話さないタイプで、眠傘の「追及したら面倒くさがられるかな」とか「話さなくてもきっと大丈夫だよな」という感じは共感できるので、大変だなと。

自分も気をつけようと思いました（笑）。

――ある意味、眠傘から学ぶというか。

寺島：自分のことを客観的に見るのは難しいので、学びましたね。

新しい、すごいことを教えてくれる人に対して、「あの人、本当にすごかった」という気持ちもよくわかるので、僕は眠傘に似ているのかなと共感できる部分が多くて、シーンとしては特に選べないんですけど、（眠傘を）見守ってほしいです。

――中島さんはいかがですか？

中島：縞川さんとや他にもいろいろあって、俺は絶対しないと思うんですけど、眠傘くんは黙っておけばいいのに、自分から話そうとするじゃないですか。

寺島：縞川さんとあったことね。

中島：そういう、もろもろのことがあってビジネスホテルに行った時、真矢くんが「そーいう意味じゃ……」と説明するんですけど、僕も「そういう風に聞こえるよ！」と思って。

寺島：どっちも天然なんだよ。

中島：（笑）。ちょっと、真矢くんも流夏と知り合ったことでテンションが上がっていて、どこか眠傘くんと流夏を比べるところも、多少あったんでしょうけど。

真矢も言葉が足りないし、本当になにげない言葉をネガティブに受け取ってしまうのが眠傘で。

寺島：そう。そろそろ（お互いの理解を深めよう）ね。

中島：そろそろね（笑）。お互い好きゆえにというのがあるので、僕は演じていて、寺島さんのお芝居も聞いて、今回はそれ程おおごとになっていない感が、逆に面白かったです。

客観的に周りから見た時に、この程度のことなら二人は大丈夫じゃないかと思える安定感、安心感が出てきたところでもあるし。

逆に、まだまだお互いの気持ちに寄り添えていないところがあるし、第5巻は「そーいう意味じゃ……」というセリフに凝縮されている気がします（笑）。