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『Fate』シリーズ用語・ネタ解説【[HF]第三章公開記念番外編・『Fate』シリーズには桜がいっぱい!?】

【劇場版[HF]第三章公開記念番外編:『Fate』シリーズには桜がいっぱい!?】『FGO』がもっと楽しくなる!?『Fate』シリーズに関連した様々な用語・ネタを解説!

 

注意:以下のページに一部歴代TYPE-MOON作品の言及アリ

 

様々な『Fate』作品での間桐桜を紹介

『Fate/stay night』([Fate]、[Unlimited Blade Works(UBW)]ルート)

言わずとしれた、2004年にTYPE-MOONより発売されたPCゲーム『Fate/stay night』のヒロインの一人。主人公・衛宮士郎を慕う後輩として衛宮邸に居着いており、藤村大河らと共に主に日常シーンに登場し、平和な日々の象徴として描かれます。

セイバー、遠坂凛をそれぞれヒロインとした[Fate]及び[UBW]ルートでは、聖杯戦争が進むにつれ登場頻度が下がっていき、物語の本筋からはフェードアウトしていく……のですが、[UBW]においては兄・間桐慎二が生き残っており、その関係が少しずつ修復されていることが仄めかされているのが見どころ。他のルートでは慎二は命を落としてしまうため、『stay night』で間桐兄妹が和解するのは、この[UBW]ルートのみです。

なお2006年に放送のディーン製作のTVアニメ版では、[Fate]ルートをベースとしたアレンジが加えられており、ゲーム版とは桜の立ち位置にも少し変化が。

キャスターに攫われたあと操られ、内に秘めた複雑な感情を利用されて凛に襲いかかるという、[HF]ルートの要素を一部取り込んだようなオリジナル展開が盛り込まれています。

この時にキャスターに着せられたボンテージのような衣装は、原作のイラストを担当する武内崇氏のデザインということが明らかになっており、今も語り草(?)になっています。

『Fate/stay night』(HFルート)

満を持してメインヒロインを務めることになるのが、『Fate/stay night』の最終ルートである[HF]ルート。遠坂家から間桐へと養子に出された後、間桐の魔術師となるために受けた刻印虫による拷問のような訓練を受け、心が壊れかかっていたところを、衛宮士郎の存在に救われるという衝撃の過去が明らかになります。

[HF]ルートの桜は士郎への依存や凛への嫉妬など、負の感情が生々しく描かれたキャラクターでした。それまで多くのプレイヤーが[Fate]及び[UBW]ルートで抱いていたであろう、“引っ込み思案でおとなしい、家庭的な後輩キャラクター”という印象が一変し、大きなインパクトを残しました。

劇場版第一~二章では、正義の味方ではなく桜だけの味方になることを決めた士郎と心を通わせ合うのですが、「この世すべての悪」(アンリ・マユ)の影響を抑えきれなくなりつつあったのに加えて、慎二を殺害するという一線を踏み越えてしまったことで、抑え込んでいた精神が決壊。

第三章では完全なマキリの杯としての姿(黒桜)となり、士郎たちと敵対することになります。

『Fate/hollow ataraxia』

『Fate/stay night』のファンディスクである『Fate/hollow ataraxia』でも引き続き登場。『hollow ataraxia』ではヒロインによってシナリオが変化する要素はないので、ヒロインというよりはメインキャラクターの一人という立ち位置になっています。

基本的には本編での設定が引き継がれてはいるのですが、臓硯及び慎二との力関係が完全に逆転しており、密かに桜がつけていた日記(通称・ジャプニカ暗殺帳)には、帰宅時間が2秒遅れたり、米粒を一粒残しただけで慎二たちに殺意を抱く様子が記されているなど、「腹黒さ」を開き直ってネタにしたギャグ要素が多め。悲劇のヒロイン的な立場である[HF]ルートとのギャップが凄まじいことになっています。

しかしギャグだけではなく、クライマックスでは本編で見せたどの顔とも異なる、かっこいい桜を見ることもできるので、[HF]の映画を見終わった後には、こちらをプレイしてみるのをオススメします。

『Fate/Zero』

虚淵玄先生による『Fate/stay night』の前日譚を描くスピンオフ『Fate/Zero』では、間桐家に養子に出された後の幼少期の姿で登場。すでに臓硯による蟲蔵での修練が開始され、心が壊れはじめています。そんな痛ましい桜を救うため、一度は間桐の家から逃げ出した叔父の間桐雁夜がマスターとして聖杯戦争に参加しますが、その願いは叶わず。

結果としては、桜の母である遠坂葵に重症を負わせ、桜が戻りかった場所を完全に壊してしまうという最悪の事態に陥ってしまいます。本当の意味で桜が救われるには、衛宮士郎との出会いと、[HF]ルートまで持ち越されることになります。

『Carnival Phantasm』

武梨えり先生の『TAKE MOON』を原作としたオールスターギャグスピンオフ『Carnival Phantasm』でも、『Fate/stay night』からのキャラクターとして登場。

不遇な身の上を逆手にとったNHKの朝ドラのパロディ回「型月連続テレビ小説 さくら」では、実質の主人公も務めています。

本編と同様に慎二からいいように使われているのですが、悲劇のヒロインとしての自身の立場に完全に陶酔しており、たくましく生きる(?)桜の姿を見ることができます。ライダーとの微妙に噛み合わないコンビっぷりも見どころ。

衛宮さん家の今日のごはん

TAa先生による料理を題材とした異色のスピンオフ、『衛宮さん家の今日のごはん』でもメインキャラクターとして登場。立ち位置なキャラクター性としては、日常の象徴である[Fate]及び[UBW]ルートでの桜が基本になっているのですが、こちらは凛との関係が完全に修復しているのが特徴です。

本編ではほとんど見られなかった、姉妹二人での仲睦まじい料理シーンは必見。桜自身が求めていた平和な日常がずっと描かれ、桜自身の黒い面もほぼ出てこないので、おそらく桜にとってもっとも幸せな世界と言える作品です。こちらも劇場版[HF]の後に見ると、一層幸せな気持ちに浸れると思います。

『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』シリーズ

ひろやまひろし先生による、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンを主人公としたスピンオフ『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』シリーズにおいても登場。

とくにインパクトが強かったのが、『劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い』における、かつて美遊がいた世界側の桜。物語の開始当初こそ、第4次聖杯戦争で間桐家が壊滅したことで、天涯孤独ながらも自由の身という本編よりも救われた立場になっているのですが、ジュリアンからクラスカードを渡されたことで、第5次聖杯戦争に巻き込まれてしまいます。

思い悩む桜でしたが、士郎を守るために聖杯戦争に参加を決意。しかしその直後に慎二(正確にはその記憶と人格を移植されたドールズ)によって士郎の目の前で殺されてしまう、悲劇的な結末を迎えてしまいます。

さらに詳細は明らかになっていませんが、本編である『Fate/kaleid liner プリズマ イリヤ ドライ!!』においてはランスロットそっくりの鎧をまとった、桜と思わしき人物が登場し、士郎と交戦しています。

何かと不幸な属性がついて回る桜ですが、もしこの存在が、美遊世界側の桜であるとするなら、ずば抜けて不幸度が高いと言えます。(イリヤ達が存在する本編側の世界の桜は別に存在しており、こちらは平和な日常を送っていることが明らかになっているのが救いになっていますが)

またアニメオリジナルのギャグスピンオフ『Fate/kaleid liner Prisma Illya プリズマ☆ファンタズム』においては、兄である慎二に大きなスポットがあたったこともあり、主役のイリヤ達顔負けの存在感を発揮。

「黒桜の部屋」では、『Fate/EXTRA CCC』でのBBを思わせるようなハイテンションなキャラクターになったかと思えば、時折ランスロットの姿になって慎二を脅すなど、本編の恨みを晴らさんと言わんばかりに大暴れしています。

『Fate/EXTRA』シリーズ

『Fate/EXTRA』シリーズにおいては、マスター達の健康を管理する役割で登場……しているのですが、これは桜本人ではなく、かつて存在していた間桐桜という人物をムーンセルが再現したNPC。

『stay night』と別人なのはリンやシンジも同じですが、二人にはあくまでもアバターとしての姿で、プレイヤーは別に存在しているため、桜とは立ち位置が異なります。

『EXTRA』では、それほどストーリーには絡まず、1回戦を勝ち進むごとにプレイヤーに強力な回復アイテムである特製弁当をプレゼントしてサポートするのが主な役割の存在でしたが、続編である『Fate/EXTRA CCC』では非常に重要なキャラクターに。

NPCである桜が抱いた感情が物語に大きく関わってきたり、同型のAIであるBBを筆頭に、アルターエゴであるメルトリリスにパッションリップら、桜に酷似したサクラファイブの面々(こちらの解説も参照)が登場したり、まさに“桜尽くし”といってもいい作品となっています。

▲桜の特製弁当は概念礼装として『FGO』にも登場しています。

▲桜の特製弁当は概念礼装として『FGO』にも登場しています。

『Fate/Grand Order』

パールヴァティー、及びカーマの依り代として登場。一人のキャラクターが別々のデミ・サーヴァントとなるという例は珍しいですが、これは依り代とされる際、身体が善と悪に2分され、善の身体をパールヴァティー、悪の身体をカーマが、それぞれ依り代として使用したため。

期間限定イベント「徳川廻天迷宮 大奥」においては、春日局の依り代にもなっており、やたらと英霊に好かれて(?)いるのは、彼女自身の体質によるものでしょうか。

▲カーマは[HF]ルートに登場する、マキリの杯としての桜(黒桜)の人格の影響が強いキャラクターになっています。

▲カーマは[HF]ルートに登場する、マキリの杯としての桜(黒桜)の人格の影響が強いキャラクターになっています。

一方、いくつかの概念礼装でも姿が描かれていますが、とくに印象的なのが初期に実装された星5概念礼装「イマジナリ・アラウンド」。

ここで描かれているのは魔術師として成長した姿をイメージしたものとされており、『Fate/hollow ataraxia』でのあるシーンを元にしたと思われる、黒桜の要素も内包した衣装のビジュアルは、ファンにとっては思わず「ニヤリ」とさせられるものになっています。

原点である『Fate/stay night』を始め、様々な『Fate』シリーズに登場する間桐桜。今回は、主に映像化が行われた作品を中心に紹介しましたが、これ以外にもゲーム『フェイト/タイガーころしあむ』や『カプセルさーばんと』、コミック『ちびちゅき!』など、ほとんどの『Fate』シリーズに登場しており、セイバーや凛と並んで、シリーズにとって欠かせない存在と言えます。

そんな桜にとっても、『Fate/stay night』という作品にとってもグランドフィナーレとも言える『Fate/stay night[HF] 第3章「III.spring song」』。シリーズファンであれば、是非とも劇場でご覧になられることをオススメします。

今後も本連載では、様々な『Fate』シリーズに関連したネタを紹介するのでお楽しみに。

[文/米澤崇史]


『Fate』シリーズ用語・ネタ解説

◆第01回・ランサーが死んだ
◆第02回・ええー? ほんとにござるかぁ?
◆第03回・何度も出てきて恥ずかしくないんですか
◆第04回・おっと心は硝子だぞ
◆第05回・スカディシステム
◆第06回・すまない……(すまないさん)
◆第07回・王の話をするとしよう(マーリン)
◆第08回・いろんなガチャ宗教
◆第09回・他のサーヴァントに遅れを取ることもなかった
◆第10回・サクラファイブ

◆第11回・ガチャは悪い文明
◆第12回・沖田さん大勝利
◆第13回・おい、その先は地獄だぞ
◆第14回・フィーッシュ!!
◆第15回・俺のサーヴァントは最強なんだ!
◆第16回・ドスケベ公
◆第17回:ボクはキミの剣
◆第18回:溶岩水泳部
◆第19回:私は悲しい……(ポロロン)

◆[HF]第三章公開記念番外編・『Fate』シリーズには桜がいっぱい!?

『Fate/Grand Order』概要

タイトル名:Fate/Grand Order(フェイト/グランドオーダー)
ジャンル:FateRPG(フェイトRPG)
iOS/Android にて好評配信中
企画・開発・運営:DELiGHTWORKS Inc.(ディライトワークス株式会社)
製作:TYPE-MOON / FGO PROJECT
価格:基本無料(ゲーム内課金あり)

Fate/Grand Order 公式サイト
Fate/Grand Order 公式ツイッター(@fgoproject)
ハッシュタグ:#FGO

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