「回レ!雪月花」は自身の転機となる一曲――ヒゲドライバーさんのアニソンベストアルバム『ひげこれ!』発売記念インタビュー! 小澤亜李さんとの出会いの曲は……?
『リゼロ』のED曲「Stay Alive」は大きな反響が。聴いて涙した挿入歌の「Wishing」!
――8曲目の『VALKYRIE DRIVE-MERMAID-』OP曲の「Overdrive」も原田ひとみさんらしい情熱的で激しいロックチューンですね。
ヒゲドライバー:この曲の前まではキャラソンとして作ることが多かったんですけど、ここで原田ひとみさんのアーティスト活動面での楽曲を作らせていただくことになって。
キャラソンを作る時は、キャラから外れないように声の音域がある程度、限られていますがこの曲はその制約もなく。歌ウマな原田さんの曲なので、ちょっと攻めた曲にしたいと思って作りました。だから一般の人が歌おうとするとものすごく大変だと思います。
――あとHeart’s Cry(※)名義で制作された楽曲もいくつか収録されていますが、どういうやり方で作られているのでしょうか?
※ヒゲドライバーさんが所属するクリエイターユニット
ヒゲドライバー:メンバーも作り方もその時々で違うんですよね。基本的には僕が歌詞とメロディを作って、オケは他の方が作るやり方で。
割とメインの組み合わせはゆよゆっぺさん(※)と一緒のことが多いですね。このアルバムの収録曲の「Stay Alive」でいえば、まず、オケをゆっぺさんが作って、僕が歌詞を作り、歌をハメて完成、みたいな。
※ボカロP、DJ、作曲家など幅広く活躍するミュージシャン
――9曲目の「Stay Alive」は、『Re:ゼロから始める異世界生活』の1st season第2クールのED曲ですが、本編のお話やスバルも視聴者も苦しい状況も相まって、ミディアムナンバーと高橋李依さんの感情があふれ出る歌声が胸を打つんですよね。
ヒゲドライバー:この曲も反響が大きかったです。ED曲が流れなかったり、本編とかぶって流れたりという演出も含めて衝撃的でしたね。
――『リゼロ』からもう1曲、10曲目に「Wishing」が収録されています。スバルとレムの2人きりの長い掛け合いが感動を呼び、話題になった18話のEDに流れたバラード曲ですね。
ヒゲドライバー:「自分の曲を聴いて、何でこんなに泣いているんだろう?」と思うくらい涙が止まらなくて(笑)。放送直前に18話のためだけの宣伝活動が行われていましたが、18話放送後に「感動した」という声をたくさん聞きました。
「戦線のリアリズム」は劇伴に近い歌ものを意識。「More One Night」はemon(Tes.)さんのポップセンスが爆発!
――11曲目の『幼女戦記』の挿入歌「戦線のリアリズム」もHeart’s Cry名義で、ケルト楽器は使っていないけど、民族音楽風のサウンド感で不思議な曲です。
ヒゲドライバー:一緒に作ったのがPowerlessと、ギターで烏屋茶房(※1)が参加しています。Powerlessは元々、ゲーム音楽を作っていた人で、最近は『宇崎ちゃんは遊びたい!』の劇伴も作っていて、BGMやゲーム音楽が得意なんです。
『幼女戦記』では、シリアスな作品ということもあり、BGM然として盛り上がる要素が欲しかったので土台は彼に作ってもらって、そこに僕が歌をハメていった感じです。
あとJ-POPみたいにサビでドカンでは作品の雰囲気が崩れてしまうので、徐々に盛り上げていくスタイルにして。劇伴に近い歌ものを意識して作っていきました。
(※1)作詞・作曲・編曲作家として知られるクリエイター
(※2)作詞・作曲・編曲・映像作家として知られるクリエイター
――11曲目から14曲目までの落差がすごいなと。12曲目の『少女終末旅行』のED曲「More One Night」は、チト(CV:水瀬いのり)とユーリ(CV:久保ユリカ)の歌声も、オケの雰囲気もほっこりかわいくて。
ヒゲドライバー:emon(※)さんがほとんど作ってくれて、僕の要素がちょっと入っている感じで。emonさんのポップセンスが爆発している曲かなと思います。
※作曲家として知られるクリエイター