3世代ピンクプリキュアが夢の鼎談！　受け継がれていく“楽しさ”のバトンについて、悠木碧さん、成瀬瑛美さん、引坂理絵さんが語る│『映画プリキュアミラクルリープみんなとの不思議な１日』声優インタビュー

プリキュアから学んだこと

──引坂さん、成瀬さんにとって、プリキュアの経験がどんな宝物になっていますか？

引坂：『ＨＵＧプリ』を通してシナリオというものの素晴らしさを感じました。役者たちのがんばりもありましたが、『ＨＵＧプリ』はシナリオに引っ張ってもらっていた部分もあるのかなと。物語って、役者にも、観てくださるかたにも力を与えてくれるものなんだと感じました。

1年間の放送が終わって、監督、脚本家のかたの考えをもっと理解したいと思って。文章を書く人の気持ちになったら、他のことにも反映できるんじゃないかなって。それで自分で物語を書けないものかと思うようになって……。

成瀬＆悠木：おお!?

引坂：物語を考えてみようという意識になって、シナリオなどのワークショップに行ってみたんです。

一同：ひゃーーー！

成瀬：「なんでもできる！　なんでもなれる！」！

悠木：すっごいステキ！

──プリキュアから「いろいろな可能性に挑戦してみよう」という力をもらったんでしょうか？

引坂：そうですね。声のお仕事はもちろんですが、声のお仕事以外でも自分の可能性があるんじゃないかと思わせてくれたのはプリキュアだと思っています。……この話、初めて公で話しました（笑）。恥ずかしくて言えなかったんです。

成瀬＆悠木：（無言で拍手）

成瀬：すごいっ！　私の場合はアニメの見方がまるで変わりました。もともとアニメファンでいろいろな作品を見てきましたが、画面の向こうであんなに情熱を持って作品と向き合っている声優さん、スタッフさんがいるんだ！と思うようになったら、どんな作品を見ても涙を流すようになりました。スタッフロールもすごく見るようになりましたね。東映アニメーションに入りたくなりました！

──じゃあ成瀬さんもモノづくりの醍醐味を改めて感じたんですね。

成瀬：はい。プリキュアのお仕事をさせていただいて、声優さんのお仕事は声を当てるだけではないんだなと知りました。まさにインタビューもそうなんですが……作品の良さを自分で理解して、それを伝えることも声優さんのお仕事なんだなって。自分ができているかは分からないのですが。あと自分にできることはないかなと探して、作画の方々の後ろで無言で応援するってことをしてきました。

引坂＆悠木：すごい！

──悠木さんはプリキュアに抜擢された経験が、どんな力になっていると思いますか？

悠木：どの作品にも言えることなんですが、オーディションに合格することは自分の表現を肯定してもらうことだと思うんです。実はキュアグレースは自分の引き出しのなかに素材がないキャラクターなんです。私は基本的に小さくて強いキャラクターが多くて、キュアグレースのようなふわっとしてて優しいキャラクターって珍しいんです。やったことがないわけではないんですが、得意だとは思っていなくて。自分から遠いからこそ俯瞰で見られるキャラクターなんですよね。正直自信はなかったです。

だから合格をいただいたとき「これでいいんだ！」ってすごく嬉しかったし、この子を1年かけて知られることに喜びを感じました。キュアグレースから得られること、たくさんあると思います。他のキャラからもらったものでどんどん成長していく一年間を楽しんでいこうと思ったし、この子にもらった引き出しできっとまた進める未来があると思うんです。キュアグレースから色々なものを学んでいきたいです。

──（インタビュー時は）『ヒープリ』の第1話が放送になったばかりですが、実際に見たときはどんなことを思われましたか？

悠木：参加させていただいた作品の1話目は必ず見るようにしているんですが、泣いちゃったの久しぶりでした。絵の力、曲、ストーリーに引き込まれたのも大きいんですが「うおお、私の声がプリキュアからするよ～」って（笑）。一緒に見ていた親が泣いてて。その感動もありました。

──これからの1年間が楽しみですね。

悠木：はい、楽しみです！　だってこんなに先輩たちが楽しんでいるじゃないですか。生きてるって感じがします！

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──では映画の見どころ、子どもたちに受け取ってほしいメッセージを教えてください。

引坂：それぞれのチームのキャラクターの楽しさも、タイムリープするなかに盛り込まれていて、見ていて楽しい作品です。正直なところ、全部が楽しい（笑）。特に三世代の絡みやコラボレーション、ここでしかない化学反応を楽しんでいただきたいです。

受け取ってほしいメッセージとしては……私たち3チームの楽しさを受け取っていただきつつ、映画の物語を楽しんでいただければと思います。子供たちが「とにかく楽しい！」という気持ちになってくれたら、嬉しいなと思っています。

悠木：いわゆるお祭り的な楽しさが詰まっています。 “お祭り”という言葉だけだと薄い印象があるかもしれませんが、めっちゃ深くて。話自体は“ど”ストレートに熱いし、しっかり組み立てられているので間違いなく見応えがあります。王道のストーリーの良さはありつつ、王道を越える熱さがのっていて。可愛い恰好をした女の子たちがふわっと楽しんでると思ったら大間違いだよっていう（笑）。プリキュアはかわいい、ステキ、憧れではなく、「やっぱりカッコいい！」と思っていました。プリキュアがカッコよくなっていく過程で受け継がれていく思いがあるのもみどころかなと。

伝えたいこととしては……今回の物語は今日を何度も行き来するというお話で。最初にプロデューサーさんから「子どもたちは明日をすごく楽しみなものとして捉えているんです」というお話があったんです。明日の給食だってイベントだってワクワクする。でも大人になると「明日にならないでほしい」と思うようになるんですよね（笑）。映画のなかで、大人が過去を懐かしむようなお話が出てくるんですが、プリキュアはみんな「明日に行きたい」んです。明日が楽しみで希望がある。でも“ステキな昨日”があったことが伝わるといいなと。お母さんと一緒に見て、感想をおしゃべりしあってほしいなと思います。

成瀬：プリキュアの映画はエンターテインメントなんです。ご家族の思い出を作るためにも“観に行く”じゃなくて“遊びに行く”という感覚で足を運んでいただければ嬉しいです。もちろん、大人のかただけで観ていただけるのも大歓迎です！　今回の入場者プレゼントのミラクルンライトがめちゃくちゃ可愛いんです！　人形としても可愛いのでぜひゲットしてもらえたら。

伝えたいことは……今回13人のプリキュアが出演するんですが、みんな違ってみんな良いというか。それぞれの輝きを放っています。これからの未来を作ってくれる女の子、男の子も、周りと自分を比べずに自分の色で輝いていてほしいなと思っています。

──ありがとうございました！

[取材・文／逆井マリ　撮影／相澤宏諒]

『映画プリキュアミラクルリープみんなとの不思議な１日』作品情報

「ヒーリングっど♥プリキュア」、「スター☆トゥインクルプリキュア」、「ＨＵＧっと！プリキュア」が巻き起こす不思議な1日からの脱出大作戦！？

今日は楽しい土曜日♪のどかは、ちゆとひなたと宿題をしたあとにお花見！のはずだったんだけど・・・。

そこへ突然、謎の敵・リフレインに追われて困っている精霊ミラクルンがあらわれた！その姿をみて、のどかは『ミラクルンを助けたい！』と強く決意する。手強いリフレインに悪戦苦闘している時、「スター☆トゥインクルプリキュア」と「ＨＵＧっと！プリキュア」のみんなも駆けつけてくれて、なんとかピンチを脱出！と思ったのに、時間が戻されてしまい〈今日〉がまたはじまっちゃった！？

どうやら全てのカギを握っているのは、ミラクルンが生み出すミラクルンライト！？

ミラクルンを助けるため！そして〈明日〉へ行くために、13人のプリキュアが立ち上がる！！

大ヒット公開中！

■声の出演
悠木碧
依田菜津
河野ひより
加隈亜衣
武田華
金田アキ
白石晴香
成瀬瑛美
小原好美
安野希世乃
小松未可子
上坂すみれ
木野日菜
吉野裕行
引坂理絵
本泉莉奈
小倉唯
田村奈央
田村ゆかり
多田このみ
野田順子
福島潤