【連載17回:ボクはキミの剣】『FGO』がもっと楽しくなる!?『Fate』シリーズに関連した様々な用語・ネタを解説!
ボクはキミの剣 とは
「ボクはキミの剣」とは、WEBマンガ『もっとマンガで分かる! Fate/Grand Order』の第45話「丸出し」において、男主人公(リヨぐだ男)が妄想したアストルフォの台詞。
このエピソードでは、リヨぐだ男がライダーのアストルフォに対して聖杯を使用するか、後に実装されるかもしれない星5のアストルフォのために温存するかの葛藤が描かれており、リヨぐだ男が想像した星5のアストルフォが、全裸で剣にまたがりながらこの台詞を口にしています。
▼アニメ「マンガでわかる!Fate/Grand Order」ではそのシーンもアニメ化されています。
その後、星5のアストルフォは、元々適正があるとされていたセイバークラスでゲーム内に実装。その際、ピックアップ召喚のサーヴァント紹介の項目で「ボクこそがキミの剣!」という記述が行われ、多くのマスターに該当のエピソードを連想させ話題を呼びました。
さらに、セイバークラスのアストルフォが実装されたイベント「クリスマス2019 ナイチンゲールのクリスマス・キャロル」でも「ボクってばキミの剣だからね!」という台詞が登場するなど、結果的にリヨぐだ男が想像した通りの展開が実現することに(当然ながら服は着ていますが)。
ただ、セイバークラスのアストルフォが実装されたあとも、リヨぐだ男が連れているアストルフォの姿はライダークラスのまま。
さらに『ますますマンガで分かる! Fate/Grand Order』の第127話 「光と闇」においては、虞美人とアナスタシアから「あいつが剣トルフォを引くなんてありえない」「全財産を失ってボロボロになる」と言われており、実際に第129話 「未経験」では、一度は断念したにも関わらず、ライダークラスのアストルフォにコマンドコードや聖杯をすべて使用しようとしていることから、リヨぐだ男自身は召喚できなかった可能性が非常に高いです。
なお「ボクはキミの剣」という言い回しは、ライダークラスでのマイルームの台詞からも確認できますが、アストルフォがセイバークラスになることを強く願っていたのは、この台詞を堂々と口にしたかったからなのだとか。
アルトリアなど、サーヴァントは自身のことを「剣」として表現する傾向があり、それに憧れていた部分もあったのかもしれません。
『もっと!マンガで分かるFate/Grand Order』においては、このエピソードに限らず、リヨぐだ男から異常な愛情を向けられているアストルフォ。
初登場作品となる『Fate / Apocrypha』や『FGO』本編では、その自由気ままさで他のキャラクターたちを振り回すことの方が多いアストルフォですが、同作ではアストルフォの方がリヨぐだ男に振り回される構図になっているのが面白いところ。
黒のライダーとして召喚された『Fate / Apocrypha』でも、マスターであるセレニケ・アイスコル・ユグドミレニアからも変態的な愛情を向けられており、迷惑なマスターを引かされがちな星の下にあるのかもしれません(クー・フーリンたちとは違い、アストルフォ自身の幸運は「A+」と、全サーヴァントの中でもトップクラスなのですが)。
またセイバークラスのアストルフォといえば、鞭のように形状を変える宝具「僥倖の拘引網(ヴルカーノ・カリゴランテ)」も特徴の1つ。
このタイプの武器は、一般的に「蛇腹剣」とも呼ばれ、いろいろなアニメ・特撮作品で登場しています。
実はこちらにも元ネタがあり、1984~1985年にかけて放送されていたTVアニメ『機甲界ガリアン』において、主人公・ジョルディが搭乗するロボット・ガリアンの手甲に内蔵された武器が元祖とされています。そのため、このタイプの武器は「ガリアンソード」と呼ばれることも。
余談ながら『機甲界ガリアン』で監督を務めた高橋良輔氏は、『装甲騎兵ボトムズ』ではローラーダッシュとパイルバンカー(巨大な杭打ち機)、『蒼き流星SPTレイズナー』ではV-MAX(リミッターを解除しての瞬間パワーアップ)を生み出しており、こちらも後に多数の作品でオマージュされるなど、後の日本のアニメに非常に大きな影響を与えた方でもあります。
TYPE-MOON作品では、他にもパイルバンカーが『月姫』のシエルが使用する概念武装・第七聖典として登場していたり、ロボットアニメからのオマージュが盛り込まれていることも少ないので、そちらの元ネタを調べてみるのも一興だと思います。
リヨぐだ男の妄想が現実となった「ボクはキミの剣」。マンガでは、女主人公(リヨぐだ子)に負けず劣らずの狂気を見せることも多いリヨぐだ男ですが、『Fate / Apocrypha』でのマスターであるジークが実装された際には、アストルフォにプレゼントしようとするエピソードがあったり、例え自分が愛されなくともアストルフォの幸せを最優先で願う、紳士な(?)一面も持ち合わせています。
アストルフォも、なんだかんだとそんなリヨぐだ男に付き合い続けていることから、意外といいコンビなのかもしれません。
なおこの台詞が登場するエピソードは、You Tubeで公開中のアニメ『マンガで分かる!Fate/Grand Order』にて映像化も行われており、アストルフォ役の大久保瑠美さんよるボイスを聞くこともできるので、未見の方は是非一度ご視聴を。
今後も本連載では、様々な『Fate』シリーズに関連したネタを紹介するのでお楽しみに。
[文/米澤崇史]
『Fate』シリーズ用語・ネタ解説
◆第01回・ランサーが死んだ◆第02回・ええー? ほんとにござるかぁ?
◆第03回・何度も出てきて恥ずかしくないんですか
◆第04回・おっと心は硝子だぞ
◆第05回・スカディシステム
◆第06回・すまない……(すまないさん)
◆第07回・王の話をするとしよう(マーリン)
◆第08回・いろんなガチャ宗教
◆第09回・他のサーヴァントに遅れを取ることもなかった
◆第10回・サクラファイブ
◆第11回・ガチャは悪い文明
◆第12回・沖田さん大勝利
◆第13回・おい、その先は地獄だぞ
◆第14回・フィーッシュ!!
◆第15回・俺のサーヴァントは最強なんだ!
◆第16回・ドスケベ公
◆第17回:ボクはキミの剣
◆第18回:溶岩水泳部
◆第19回:私は悲しい……(ポロロン)
◆[HF]第三章公開記念番外編・『Fate』シリーズには桜がいっぱい!?
『Fate/Grand Order』概要
タイトル名:Fate/Grand Order(フェイト/グランドオーダー)
ジャンル:FateRPG(フェイトRPG)
iOS/Android にて好評配信中
企画・開発・運営:DELiGHTWORKS Inc.(ディライトワークス株式会社)
製作:TYPE-MOON / FGO PROJECT
価格:基本無料(ゲーム内課金あり)
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