声優
古川 慎さん1stアルバム『from fairytale』発売記念インタビュー

古川 慎さん1stアルバム『from fairytale』発売記念インタビュー|御伽噺をテーマに、自身で作詞した歌詞やサウンドで独自の世界観を構築した唯一無二のアルバムを語る!

 

「愚者の跳躍」はコール&レスポンスができるライブチューン。曲名や歌詞は趣味のタロットカードから?

――「愚者の跳躍」はストレートなロックチューンで、古川さんの今までの楽曲になかったので新鮮な驚きがありました。

古川:こういうロックもやりたいと思っていましたし、ライブでコール&レスポンスができるアッパーな曲があると楽しいなと。歌詞にカッコ書きのコーラス部分が多いのはそのためです。

好きなタイプの曲ですが作詞をするとなると難しくて。何を書いたらいいものやらと。応援歌みたいな方向で書き始めたもののパッとしなくて、いったんリセットしてメロディから浮かび上がる言葉を繋いでいきました。

「キラキラしているから飛ぶイメージかな」から始まって「勢いもあるからジャンプだよね」と。そして僕自身もやっているタロットカードをモチーフにしようと思いついて。愚者のカードの意味を拾い上げて、新しいものに飛び込んでいく勇気や愚直さを表現できた楽曲になったかなと思います。

――古川さんの曲の歌詞には「鳥」や「羽」という言葉がよく使われている印象があります。

古川:たぶん僕が鬱屈しているんじゃないかな(笑)。高く飛べる人にはいい羽がついているんだろうし、そういう憧れが何となく反映されているのかもしれません。

 

和ロックの「勝鬨」はガムシャラに頑張って、歓喜の声を上げられたらという想い。

――「勝鬨」は和ロックで、歌詞も雄々しい感じですね。

古川:僕から和ロックをやりたいとオーダーしました。歌詞もノリノリで書けたんですけど、書き終わったら何か違うなと全編書き直して。

「この楽曲を書き直せる単語って何だろう?」と掘り下げていきました。完成した歌詞を簡潔に説明すると、ガムシャラに頑張れという内容ですね。

腐っているヤツはどこにでもいるけれど、それでもガムシャラにやって勝鬨を上げられたら人生の意味や目標を達成できるんじゃないかなという歌です。

――僕らが今いる時代は戦のようなもので、戦って乗り切れというメッセージにも受け取れました。

古川:そう感じていただけたら嬉しいです。それぞれの、いろいろな場面での「戦」に負けたくない、勝ちたい、と思いますし皆さんにもそうであってほしくて。

考察しがいのある歌詞になっているかと思いますが、ただただノッて聞いていただきたいです。ライブで盛り上がれる曲になりましたが、歌うのが大変な曲でもあります(笑)。

 

アルバムを締めくくる「for fairytale」はシンプルなバラード曲

――そして最後はバラードナンバーの「for fairytale」で、様々な物語の締めくくりであり、1冊の本を読み終えるような。

古川:ゴスペラーズさんみたいな、コーラスがあるバラードを歌いたくて。一番最後にレコーディングした曲で、アルバムに収録するいろいろな方向性の楽曲をまとめる1曲にしようと。

最初はラブバラードになる予定だったので、メロディもキラキラした甘いテイストだったのですが、もっと壮大にしようと音を削ったり試行錯誤を経た結果、シンプルなバラード曲になりました。

歌詞は、憧れたものが真実に即していなかったとしてもその気持ちは本物だから信じて進んでほしいし、その姿を見ている誰かの光になれたらいいよね、という内容です。裏テーマとして人に言えない失敗や恥ずかしい経験、見せたくない努力があったとしても、誰かに力を与えられる存在になれたらいいじゃないか、という気持ちも込めています。

――御伽噺やfairytaleを「ニセモノ」や「絵空事」かもしれないけど、「君という物語」であり、最後に「君だけの未来(おとぎ話)は続く」と締められていて、勇気や元気をもらえた気がします。

古川:そう思っていただけたら嬉しいです。

 

1stシングル「miserable masquerade」はリアレンジし、結末も別のものに?

――あとこれまでの3枚のシングルも収録されていますが、「miserable masquerade」はアルバムバージョンになっています。どんな意図があるのでしょうか?

古川:「miserable masquerade」を制作している時、実は2パターンの終わり方があって、Aパターンがシングルで、Bパターンがこのバージョンと考えていただけたら。

最後には救いがあったほうがいいなと思い、今回のバージョンの終わり方のほうが、未来が見えるようになっています。「歩き出す」という言葉を使っていたり。また「スピカ」と微妙に世界観が重なっている部分もおもしろいかなと。

――ジャケットのテーマや撮影時のエピソードなどご紹介お願いします。

古川:ストーリーテラー的なイメージで撮影しました。物事の陽を表わすような真っ白な衣装を着ていますが、白い衣装を着ることは人生の中でもなかなかないことだったので、最初に着た時は違和感が大きかったですね。

でも世界観を構築する1つのアイテムとして、ケレン味が効いていてカッコよく仕上がったかなと思います。スーツのフォルムも岡村靖幸さんっぽくてカッコいいなと。「ビバナミダ」の時の胸パツン、脚シャキンという感じで(笑)。

 

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