『アイドリッシュセブン』ŹOOĻ 1st Album “einatZ” 発売記念インタビュー|広瀬裕也さん、木村昴さん、西山宏太朗さん、近藤隆さん、4人で歌う意味が込められているAlbumに
それぞれが感じたキャラクターの成長
──今回のアルバムを踏まえて、皆さんがそれぞれ感じた彼らの“成長”を聞かせてください。
広瀬:ストーリーに沿って曲が出ているので、「LOOK AT...」だったら“俺を見ろ!”“俺だ!”とトウマとバチバチやっていこうというディレクションがありました。
今回のアルバムは、お互いに認め合った中で、かつ今までの歩みをちょっと振り返ることがあったり、これからに向けての歌詞があったり。
当初と比べれば悠自身も精神的な意味で成長はしていると思うので、もちろんその部分を歌声にのせられるようにできればな、と思いました。
グッと強い想いを伝えたり、逆にフッと寂しげな表情で歌ったり……そういう部分を出せていたら良いな、と思いながら歌いました。
──だからでしょうか、「Ache」を初めて聞いたときに自然と涙が溢れてきたのは。
広瀬:曲によってその雰囲気を醸し出せたり、感じてもらえたりしていただけるのは、僕らにとってもすごく嬉しいです。
こんなに歌詞が素晴らしいので、歌っていて絶対良くなるのは当たり前で、そこにニュアンスを加えて行くのは僕たちの仕事でもありますし、それでハッピーになったりちょっと切なくなったりというのが表現できたら嬉しいです。
──ちなみに、悠として気持ちが高まった曲はありましたか?
広瀬:キャラクターとしてみると、やっぱり「ZONE OF OVERLAP」です。ストーリーもすごく大好きで、曲が本当にカッコいい!
僕、ゲーム本編のインタビューシーンが大好きなんです。絶対ブーイングされる、認められないという中でのプレッシャーをはねのけて、その場に来た人たちを虜にする、それで初めて4人で歌うシーンが本当に大好きで。
実際のアルバムは前山田さんなど素敵な方々が楽曲を手がけてくださっていますが、ゲームストーリー的には巳波が曲を作っていることになるので、よりグッとくる、4人で立ち向かう曲というイメージがあります。
ストーリー的にもキャラクター的にも「ZONE OF OVERLAP」は2nd LIVEで披露したほかの2曲と比べても違うな、と思います。
──これまで『アイナナ』のイベントにたくさん行かせていただきましたが、亥清悠の痛バを身につけている方をたくさん見かけましたよ。
広瀬:本当に嬉しいです。悠は純粋でまっすぐな子なので、それがちょっとずつストーリーでも紐解かれていっていますし、過去についてもゲームをプレイされているみなさんはご存知だと思います。
それでちょっとずつ「悠ー!」と声をかけてくださる人が増えるのは、ファンに認めてもらえているようで、悠にとっても嬉しいことだと感じます。
痛いって言ったり、謝ったり、怒ったり、笑ったり……ストレートにいろんな感情が出るキャラクターで、ちょっとツンなところもあって、そこも分かりやすいというか(笑)。
──本当に分かりやすいです(笑)。
広瀬:彼はいたって真面目なんですけど(笑)。そこが愛おしいところでもあります。
──西山さんはこのアルバムで巳波の成長を感じた部分はありましたか?
西山:やっぱり曲の幅を広げられたことがすごく大きいな、と思っています。声優にとって楽曲1つ1つの出会いというのは、キャラクターに対する幅や深さをより知られる機会です。
このように1曲1曲いただけると、“こういう一面があるんだな”、“どういう風に歌うんだろう?”と考える時間や一緒にいる時間が増えます。そういう意味では良い機会をいただいたな、と思いました。
──ちなみに、木村さんは先ほど、巳波は“歩くエモ”とおっしゃっていましたが、トウマにぴったりな言葉があるとしたら何でしょう?
木村:トウマは難しいですね……あえて言うなら、“狗丸も歩けばŹOOĻに当たる”でしょうか。(※ことわざの「犬も歩けば棒に当たる」から)
……忘れてください(笑)。
一同:(笑)。
木村:トウマは天邪鬼のような雰囲気というか、本当はこうしたいけれどそうできない、自分の中でのプライドや反骨精神もあったり。そこからだんだん仲間たちとの優しさに触れたり、心を解放して素直になっていったりする様が良いな、と思います。
真面目に歌わないと思っていたトウマが楽しんで全力で歌っている感じが、僕は最早新しいトウマだと感じました。僕もトウマを表現する上でより感情的に本気で歌う感じを意識しているんですけど、そういうところにあるのかもしれません。
「4-ROAR」でもサビの部分は攻撃的なフレーズでありながらも、どこか口角が上がっている感じというか。未来を見据えて、本気なんだけど口角がちょっと上がっている雰囲気を入れて歌いました。
そういう現状を楽しめているところは新しいところですし、チームワークがあるからこその表現なのかな、とも思います。
近藤:これだけキャラクター性をすごくしっかり作っていただけるからこそ、御堂虎於としては「ササゲロ -You Are Mine-」よりも「Ache」のほうが急所を刺されているんじゃないかな、と思ったんです。
「ササゲロ -You Are Mine-」は自分の中から共感して湧いて出てきたものではなく、虎於だったらこう歌うだろうと素直に楽曲だけに対してのアプローチを意識しました。なので、「ササゲロ -You Are Mine-」はすごく気持ちよく歌っています。
良い曲だから良い曲を素直に歌いたいという気持ちで歌っているという解釈が僕の中であります。結構なレベルで生き生きしていると思います(笑)。
「Ache」に関しては、がっつり刺さり過ぎていますし考え過ぎてしまうので、それをいかに出し過ぎないようにするかという部分を結構気にしました。1番最初の2行の歌詞だけで“やられた”、“虎於には重すぎる……!”と。
この2行で虎於は全部言われてしまっちゃってるんです。歌詞の世界に深くハマり過ぎてしまうと音楽にできないので、虎於として歌詞と音楽に対する理解やアプローチの仕方はいろいろと考えてやらせていただきました。
「Ache」は僕らじゃなきゃ歌えないと思っています。「ササゲロ -You Are Mine-」と「Ache」のこの2曲のアプローチはまったく違っていました。
──皆さんのお話を聞いていると、さらにアルバムが深掘りできて、本当にŹOOĻとしてのまとまったアルバムなんだな、と感じます。
広瀬:本当に最初はみんなバラバラでしたが、この4人が持ちつ持たれつ支え合っているところまで来ました。
何ていえばいいんでしょう……4人は微妙なバランスなんです。大親友ではないですけど、口には出さないけれどお互いを解り合っている。だからこそ不器用に慰めたりしていて。
ストレートには言いませんが、“想っているんだよ”“気にかけているんだよ”という気持ちがストーリーの中でも節々に伝わってくるシーンがたくさんあります。
いろいろなことを経て、やっとまとまって、「BLACK OR WHITE」に挑戦しよう!、頑張ろうぜ!と悠も率先して、みんなついてこい!と。
結果、負けてはしまいましたが、違う意味で新しい収穫を得ましたし、“悔しい!”、“歌って踊れることが楽しい!”と全員が感じることができたのは、ŹOOĻとしても成長しているな、と思います。
そういう中での今回のアルバムですから、自ずと雰囲気や歌にも変化がありますし、4人で歌う意味がアルバムに入っていると感じます。
──本当にこのアルバムにはこれまでのŹOOĻが歩んできた歴史が詰まっているように感じますし、これから新たな道に進む道標の1つになっていると感じました。
広瀬:今までの曲が入っているのに、ちょっと違う雰囲気やニュアンスが感じ取れるのが面白いですよね。
ボーカル2人とパフォーマー2人の既存曲も素敵ですが、また4人で歌ったときの違いは絶対にあると思うので、このアルバムの意味は大きいと思います。
本当に成長が感じられると思いますし、「einsatZ」というタイトルなので、良い意味での出だし、スタートとして、変わったŹOOĻを感じてもらいたいです。