音楽
『令和2年アニソン大賞』ノミネート発表特番レポート

配信イベント「令和2年アニソン大賞ノミネート発表特番~2020年末SP~」レポート|3時間超に及ぶ大議論!モメにモメた「声優ソング賞」の栄冠に輝いたのは……?

“ちゃんと分かってるんだよ”って言いたくない?

続いて作曲賞。“特に作曲の分野において独創的で話題になった楽曲”ということで選ばれたのは、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』のOP、angelaの「乙女のルートはひとつじゃない!」でした。

 

こちらは吉田氏がノミネートしていた楽曲であり、「自分の意見が通るとめっちゃ嬉しい!」と大きな歓声を上げました。その魅力を「コミックソング、電波ソング、アーティストソングとして成立し、なおかつ明るく楽しく、アニメのOPとして90秒でまとまっている」とコメント。「多くの要素を入れて破綻している楽曲はいっぱいある。でも、angelaは一度も破綻していない」と続け、ふたりの表現力の高さを絶賛しました。

 


 
また「angelaは軽く見られている!」と激情を露わにし「そのすごさにもっと気付いて、あるいは分かっていても、改めて“ちゃんと分かってるんだよ”って言いたくない?」と、他の選考員および、視聴者に提案。この提案に全員が納得し、決定する形となりました。


 
冨田氏、齋藤P氏、前田氏は、それぞれ「イノチノアカシ」「キミのラプソディー」「君という神話」と、別々の楽曲をノミネートしながらも、次点でangelaを挙げており、実力を大いに評価していることがうかがえました。その上で前田氏は「君という神話」について、クリエイター・麻枝准氏の、ファンの期待を幾度となく超えてきた天才性を熱弁し、「ファンだけでなく、広くいろんな人に聴いてほしい」と付け加えました。

     

DJ和氏、松原氏は「芽ぐみの雨」をノミネート。『俺ガイル』の作品世界に見事に寄り添った楽曲を絶賛しつつも、“作曲賞”としてふさわしいかどうか、そして吉田氏の説得を受け、身を引いたことが明かされました。

 

作曲賞ノミネート楽曲

・冨田氏「イノチノアカシ」ZAQ/『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』OP

・前田氏「君という神話」やなぎなぎ/『神様になった日』OP

・吉田氏「乙女のルートはひとつじゃない!」angela/『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』OP

・DJ和氏「芽ぐみの雨」やなぎなぎ/『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』OP

・齋藤P氏「キミのラプソディー」Mashumairesh!!/『SHOW BY ROCK!!ましゅまいれっしゅ!!』ED

・松原氏「芽ぐみの雨」やなぎなぎ/『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』OP

編曲は“パクチー理論”

“特に編曲の分野で創作的で話題になった楽曲”に贈られる編曲賞は、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』主題歌、スタァライト九九組による「再生讃美曲」が受賞。

 

編曲という工程を冨田氏は「鼻歌や楽譜に音符を書くことが“作曲”、そこから楽器選びなどを行っていき、ユーザーが聴いている完成形に持っていくのが“編曲”」と解説。「作曲の段階でバラードであっても、編曲次第ではロックやダンスミュージックにすることもできる」とし、楽曲作りにおいて非常に重要な工程であることを説明しました。

 


 

 
齋藤P氏も、編曲を「パクチー理論」と表現し、ラーメンにパクチーを入れればたちまちその国の味に変化するように、音楽もアコーディオンを入れれば、雰囲気はたちまちパリに、バンドネオンを入れればアルゼンチンに、といった楽器による変化や、フレーズで情景を見せることができるといった効果を解説。
 
その上で「再生讃美曲」を、映画音楽、ミュージカルからの引用が多数詰め込まれ、「音楽でできる手技がすべて入っている」と言えるほどのスケールの大きさがあると絶賛。舞台美術やお芝居、ステージへの愛が詰まった作品を見事に音楽で表現している手腕と、難度の高い曲を歌い上げる九九組の実力を高く評価しました。


 
冨田氏は、編曲を手掛けたTom-H@ckさんの巧みな技術から「つらぬいて憂鬱」を、松原氏は、「Theater of Life」を今年のアニソンの中でとにかく好きだったと評価し、それぞれノミネートしましたが、最終的には齋藤P氏の編曲論を受け、「再生讃美曲」を支持したとのこと。

   

吉田氏は、「ぐるぐるDJ TURN!!」をノミネート。メディアミックスプロジェクト『D4DJ(ディーフォーディージェー)』を“アレンジャーの天下一武闘会”と評し、レベルの高いアレンジ曲が多数生まれていることと、PandaBoYさんによる編曲、前山田健一さんによる作詞のバランスの良さを高く評価しました。また、DJの本質である“リアルタイムのコミュニケーション”をきちんと表現できていることもポイントだとし、本職のDJ和氏も同意。その上で、『D4DJ』は来年のコンテンツという指摘を受け、今回は引いたと明かし、来年への期待を滲ませました。

 

DJ和氏と前田氏は、「恋のうた(feat. 由崎司)」を挙げ、「絶対になにかしらの賞は与えたい」、「アニソンの一つの革命」とそれぞれ大絶賛。編曲という部門に当てはめるべきか悩んだことや、齋藤P氏の「再生讃美曲」の説明の説得力から、最終的には引いたものの、大きな衝撃を受けたことを述べました。

また、ノミネートこそされなかったものの、選考員一同、アニメ『呪術廻戦』OP、Eveさんの「廻廻奇譚」を高く評価し、作品の力も相まって、大きな存在感を示していた楽曲だったと語りました。

編曲賞ノミネート楽曲

・冨田氏「つらぬいて憂鬱」ニノミヤユイ/『ピーター・グリルと賢者の時間』OP

・前田氏「恋のうた (feat. 由崎司)」Yunomi/『トニカクカワイイ』OP

・吉田氏「ぐるぐるDJ TURN!!」Happy Around!/『D4DJ First Mix』OP

・DJ和氏「恋のうた (feat. 由崎司)」Yunomi/『トニカクカワイイ』OP

・齋藤P氏「再生讃美曲」スタァライト九九組/『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』主題歌

・松原氏「Theater of Life」鈴木このみ/『デカダンス』OP

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