音楽
『令和2年アニソン大賞』ノミネート発表特番レポート

配信イベント「令和2年アニソン大賞ノミネート発表特番~2020年末SP~」レポート|3時間超に及ぶ大議論!モメにモメた「声優ソング賞」の栄冠に輝いたのは……?

今年一モメた声優ソング賞

“声優アーティストの楽曲の分野で大衆に支持され話題になった楽曲”に贈る声優ソング賞は、『理系が恋に落ちたので証明してみた。』のOPである、雨宮天さんの「PARADOX」が受賞。ただ、決定までに相当揉めたようで、最終的に6人の意見が3対3に割れ決着がつかず、特別に『アニソン大賞』の運営側から一票入れてもらってようやく決着がついたほどの、今年一番ともいえる大激戦が繰り広げられたことが語られました。

 

「PARADOX」の受賞を、松原氏は「悲願だった」とコメント。これまで雨宮さんが貫き通してきた「強い、カッコいい」というイメージを大きく覆す、「可愛さ」を見せた楽曲を「すさまじいチャレンジ」と賞賛しました。また、「コロナの影響によるセールス変化があった中でも、販売数がよかった」と続け、多くの人が新しい雨宮さんの姿を評価したことが数字にも表れていたことを説明。


 
齋藤P氏は、「松原さんの意見に乗っかった」と述べ、アニサマ時のエピソードをふまえ、雨宮さんのクールなだけじゃない、可愛さのポテンシャルを絶賛しました。自身がノミネートした、楠木ともりさんの「ハミダシモノ」については、「後ほどじっくり語る場がある」とし、いったん言及を控えました。

前田氏も、最終的に「PARADOX」を支持したことを明かし、多くの人の反響を見て「マス側に立つべきと判断したから」と、『アニソン大賞』の意義に則って行動したことを説明。その上で、自身が挙げた宮野真守さんの「LAST DANCE」について、楽曲の素晴らしさはもちろん、TVドラマやバラエティ番組と多方面で活躍しながらも、声優業も変わらず素晴らしい仕事をしていることを賞賛しました。

 

「PARADOX」と最後まで争ったのが、冨田氏と吉田氏がノミネートした、上田麗奈さんの「リテラチュア」。冨田氏は、3人の意見への理解を示しつつも「でも今年は上田麗奈!!」と豪語し、吉田氏は「リテラチュア」とアルバム「Empathy」を絶賛。「度肝を抜かれた」「“声優の歌うま競争”ももちろんいいが、いったん横に置いてもいいんじゃないか」と続け、上田さんの表現力の高さを熱弁しました。

 

 
今年大きな注目を集めた鬼頭明里さんの「キミのとなりで」を推薦したDJ和氏は、最終的に「リテラチュア」を支持。一方、「PARADOX」を支持した3人も、上田さんの素晴らしさは重々理解しており、「どちらが勝っても納得した」と甲乙つけがたい激戦だったことを改めて強調しました。

 

声優ソング賞ノミネート楽曲

・冨田氏「リテラチュア」上田麗奈/『魔女の旅々』OP

・前田氏「LAST DANCE」宮野真守/『虚構推理』ED

・吉田氏「リテラチュア」上田麗奈/『魔女の旅々』OP

・DJ和氏「キミのとなりで」鬼頭明里/『安達としまむら』ED

・齋藤P氏「ハミダシモノ」楠木ともり/『魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』ED

・松原氏「PARADOX」雨宮天/『理系が恋に落ちたので証明してみた。』OP

アニメOPの固定観念をぶっ壊した

キャラクターソロ楽曲やキャラクターユニット楽曲に贈られるキャラクターソング賞には、『トニカクカワイイ』OPの「恋のうた(feat.由崎司)」が選ばれました。


 
齋藤P氏、松原氏は、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の劇中歌「ずっと ChamJam」を推薦し、「キャラクターの性格が楽曲の中でちゃんと表現できている」、「コロナの影響がなければ、もっと評価されていたんじゃないか」と完成度の高さを評価しました。

 

「ChamJam」に決まりかけていたところに「待った」をかけたのが「恋のうた(feat.由崎司)」。編曲賞でも名前が挙がったように、今年のアニソンシーンを語るうえで欠かすことのできない楽曲であることと、他の賞との兼ね合いから、最終的にこの位置に落ち着いたことが説明されました。

 


 
冨田氏は楽曲について「アニメOPの固定観念をぶっ壊した」とコメント。定型ができあがりつつあるアニメのOPに新たな革命をもたらしたことを褒め称えました。DJ和氏は、同じDJとしても活動するトラックメイカー・Yunomiさんの名が、より多くの人に知れ渡ることの重大さを“事件”と表現。今後のさらなる活躍に期待を寄せました。自身の挙げた「Sacred world」は「キャラソンとは言い切れない部分があるため、最終的には引いた」と述べながらも、抜群にカッコいい曲に仕上がっていたことを大きく評価しました。  

前田氏は、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の「虹色Passions!」をノミネートし、「レギュレーションを今一度確認してほしい」と提言。“大衆に支持され話題になった楽曲”という面において、間違いなく今年を代表する一曲であることを強調しました。

 

吉田氏は、作詞賞でも話題に上がった「イこうぜ☆パラダイス」をこの部門でノミネートしながらも、『魔王城でおやすみ』OPの、スヤリス姫(CV.水瀬いのり)「快眠!安眠!スヤリスト生活」もよかったとコメント。

そのほか、ワルキューレの「未来はオンナのためにある」も議題に上がったことを明かしながらも、『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』の“イメージソング”という位置づけの難しさから外したと説明。その上で、来年への期待を滲ませました。

キャラクターソング賞ノミネート楽曲

・冨田氏「恋のうた (feat. 由崎司)」Yunomi/『トニカクカワイイ』OP

・前田氏「虹色Passions!」虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会/『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』OP

・吉田氏「イこうぜ☆パラダイス」スタンク(CV:間島淳司)、ゼル(CV:小林裕介)、クリムヴェール(CV:富田美憂)/『異種族レビュアーズ』OP

・DJ和氏「Sacred world」RAISE A SUILEN/『アサルトリリィ BOUQUET』OP

・齋藤P氏「ずっと ChamJam」ChamJam/『推しが武道館いってくれたら死ぬ』劇中歌

・松原氏「ずっと ChamJam」ChamJam/『推しが武道館いってくれたら死ぬ』劇中歌

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