『半妖の夜叉姫』“作品愛”を語りつくす! 半妖の姫たちを演じる松本沙羅さん、小松未可子さん、田所あずささんインタビュー!
2020年10月3日(土)より、読売テレビ・日本テレビ系にて放送中のTVアニメ『半妖の夜叉姫』。『犬夜叉』の登場人物である殺生丸と犬夜叉の娘である“夜叉姫”たちの過去が解き明かされたことで、謎が明らかになったり逆に深まったり……複雑に絡み合う驚きの展開が大反響を呼んでいます。
そんななか、メインヒロインたちを演じる松本沙羅さん(日暮とわ 役)、小松未可子さん(せつな 役)、田所あずささん(もろは 役)にお話をうかがうことができました!
『犬夜叉』の世界から受け継がれるもの、現場の掛け合いの空気感を大切にしながら、夜叉姫を演じている3人。収録の様子や、作品愛などをたっぷり語ってくれました。
“夜叉姫”たちの魅力を大解剖 それぞれのキャラクターの解説も
――そもそも、『犬夜叉』の娘たちによる新しい物語が作られると初めて知ったときは、どのような印象を受けましたか?
松本沙羅さん(以下、松本):第一に衝撃が強かったです。自分が小さいころから見ていたキャラクターたちの子どもが生まれたと聞いたときは「どうやって生まれたのかな!?」って(笑)。
『犬夜叉』がファンタジー要素のある作品だったので、普通の人間が生まれてくるような形じゃないんじゃないかと変な想像をしてしまうくらいでした(笑)。
そして次世代の子どもたちに、どうやっていろいろなモノが受け継がれていくのかなってワクワクしました。
田所あずささん(以下、田所):私も本当にビックリして。大好きな作品だったので、すごく美しく完結していたことも知っていて。
だから「まさかその続きとして新しい物語があるなんて!」と驚くと同時に、また『犬夜叉』の物語が受け継がれていくんだという喜びもありました。犬夜叉とかごめさんに子どもがいるのは分かるんですが、まさかの殺生丸さん(笑)。
オーディションの準備を始める前に、まず「いったい誰との子なんだ!?」と考えてしまって(笑)。オーディションを受けるにあたってキャラデザをいただいていたんですが、もろはちゃんのキャラクターデザインが感慨深かったです。(犬夜叉とかごめの)ふたりを受け継いだ容姿で、想像通りであり、想像以上でした。
小松未可子さん(以下、小松):最初にオーディションのお話をいただいたときに、タイトルだけ見て「『犬夜叉』みたいなタイトルがきちゃったなぁ」なんて思っていて(笑)。
そしたら、正当な犬夜叉ワールドを引き継いだ作品で。しかも犬夜叉と殺生丸の娘たちのお話。驚きはあったんですが、最終話で弥勒たちの子どもたちの描写があったので「確かに!」とは思ったんです。
もしその後も続いていたとしたらあり得るよなと。原作を読んできた身としてなつかしさと、子どものころから楽しんできた作品にまたイチから触れられるうれしさのようなものを感じました。
自分たちの知らない『犬夜叉』の世界が生まれるんだな、また犬夜叉ワールドに触れられるんだなってワクワク感が大きかったです。
――皆さんが演じられている日暮とわ、せつな、もろはの魅力についても教えていただけますか?
松本:とわは、もろは・せつなと違って一人だけ現代で育ったという背景があるので、いちばん「今」のリアルに近しい登場人物でもあるのかなと思っています。
現代で起こる物事を見てきたとわならではの思考、かごめの弟の草太一家に育てられた影響があるので「戦国時代から見るとお前は弱すぎる」「柔軟すぎてそれがダメだ」って言われてるシーンもあるんですが……それは「とわなりに突っぱねるのかな」と思ったんですけど、ふたりに言われると「ぐぅ」って飲みこもうとするので(笑)。根っこの部分はやわらかくて、お母さんよりの血を引いているなって。
周りの人からも「本当にあの人にそっくりね」と言われるような子なのかなと思っています。
田所:もろはちゃんは一見ちょっとバカっぽい子で(笑)。音響監督の名倉靖さんにも「もっとバカっぽくやって!」って言われることもあるくらい、猪突猛進型というか。表情も感情もコロコロ変わっていくので、私がついていくのが大変なくらいで(笑)。でもそこが見ていて飽きないんです。
考えるよりも先に行動する無邪気な面もありつつも、大変な状況のなか一人で生き抜いてきたこともあって、戦うことには長けていて。策を練ったり、指示出しをしたりという意外性もあって、知れば知るほど好きになるキャラクターだなって思っています。
一人で生き抜いてきたからこその気高さ、したたかさ、大人じみたところもあるけど、子どもならではの無邪気さも兼ね備えていて、本当に可愛らしい子だなって思っています。
小松:せつなは現代の世界で育ったとわとは真逆で、戦国時代で育っています。殺生丸の性格的な部分で、冷静な部分があったり、似通った喋り方があったりと、血筋は濃く受け継いでいるなと感じることも。
でも人里で育ったこと、しかも(妖怪)退治屋の皆さんと関わってきたこともあってか、ちゃんと人の心が通っていて、そこが直接的に殺生丸とは違う部分というか。人に対してのやさしさというか、人間らしさのようなものを感じています。
とわと出会ってからは……幼いころの記憶がないことも大きいんですが、とわは自分とは真逆の生ぬるい生き方をしていたので(笑)、イライラはしているんですけど、そこは自分にない部分ってことはちゃんと認めているからこそ、彼女なりに揺れているんですよね。
まだ14歳ということもあるんですが「等身大の心の揺れをしっかり出す子だなぁ」と思っています。冷静に戦っている反面、とわのやりかた、生き方を目の当たりにして、口にこそ出さないですけど「そういう考えもあるのか」って感じているんじゃないかなと。
台本では「……」と記されている口を紡ぐシーンは、彼女なりに一回噛みしめて考えているんだろうなと思ってます。
たまにあるギャグシーンではのっかっていたりして(笑)。意外にノリがいいんですよね。空気は読むタイプです(笑)。
田所:確かに!(笑) よくできている。
小松:そこは人と育った影響なのかなと思っています。