陰キャ少年×陽キャ美少女による極甘ラブコメ『僕の心のヤバイやつ』 4巻は「市川のパーソナルが表れた濃密な作品に」原作者・桜井のりお先生インタビュー

　

メインキャラクターたちを描く上で意識することは？

――メインキャラクターを描くうえで意識されていることを教えてください。まずはヒロインの山田 杏奈からお願いします。

桜井：もともと私が女性アイドルが大好きで、推しのどういうところが好きかをまとめていたんです。山田はそれを形にしたようなキャラクターでした。あと“考えてることが分からないような感じにしたい”と思ってます。分かるけど分からない感じというか。

――その絶妙な塩梅が大切なんですね。

桜井：分からないほうが魅力的かなと思っていて。主人公自体が考えすぎるタイプなので、理解できないくらいがちょうどいいのかなって思っています。ただ、それとは相反して表情は分かりやすく描くようにしているんです。全然分からないとなってしまうと伝わりにくくなってしまうので、そこは気を付けていますね。

――山田のお菓子を食べてるときの幸せそうな表情が好きです(笑)。

桜井：ありがとうございます(笑)。食べてる女の子の顔っていちばん好きなんですよ。描いてて楽しいところです。食欲ってすごく大切なことだと思っていて。そこに忠実な女の子が好きですね。

――山田の周りのキャラ(小林ちひろ・関根萌子・吉田 芹那)も個性豊かですよね。

桜井：山田自身が学校でいちばん可愛いってタイプなので、そういう子にはどういう友だちができるのかなぁってところから考えていきました。気の強いタイプの女の子が仲良くなってくれるんだろうなという思いがあって。それで自然とあの3人が生まれていったような感じです。

――では主人公の市川 京太郎はいかがでしょうか。

桜井：市川は基本的に私に近いキャラクターなんです。だからあまり悩まず描いています。中学2年生の男子という設定で、私にいちばん近い人格にするとこうなるという感じです。

――では桜井先生も『殺人大百科』を!?

桜井：(笑)。ホラーが好きだったので、そういうものを読んでいたりしました。

――多感な時期の男の子のリアルな気持ちを表現されるにあたって、気を付けられていることなどはあるのでしょうか。

桜井：市川は私と近いこともあって自然と動いていくんです。だから困ったことはなくて。自分だったらこういう行動をとるかもしれないな、こう動くかな、って考えながら描いてます。あと、私自身も女の子に対して……「平和に生きててほしい」「下ネタから切り離されてほしい」って願望があるんですよね(笑)。そこは素直に描いてるんです。ただ、描いたあとになってから少し悩むことがあって。これって正しいのかな？　多くの男性に共感されるのかな？って不安に思うことはありますね。

――“共感”は桜井先生が漫画を描くうえで大切にされていることでしょうか。

桜井：そうですね。共感をされたほうがよりヒロインも魅力的に感じてもらえると思うんです。むしろ、魅力的に感じてもらえるようにならないといけないので、主人公にしっかり共感できるように意識しています。

――野暮な質問かもしれませんがお気に入りのキャラクターはいますか？

桜井：山田も市川も好きなんですけど、その他でいうと市川のお姉ちゃんが好きですね。私自身姉キャラが好きで。姉は姉の責務を果たしてほしいという気持ちもあるので、姉としていちばん良い距離感で見守って欲しいなと思いながら描いています。

――市川の家族もみんな魅力的ですよね。

　

市川のパーソナルが透けて見える4巻　濃密な内容に

――現在、市川と山田との距離が急接近していますが、それはそれで期待しつつ(笑)。でもまだまだイベントごとが待っているんですよね？

桜井：ありますね！　まだ中2の冬なので、この先もイベント的なものがあると思います。

――では、もうすぐ発売となる4巻の見どころを教えてください。

桜井：4巻は基本的に冬休みのお話なんです。毎日学校で会えていた状況ではなくなって、どう距離感が変化していくかってところが見どころだと思います。

当初は1巻まるごと冬休みにするつもりはなかったんです。でもかなり濃い冬休みになったなと思っていて。学校以外でクラスの友だちに会う機会ってあまりないので、関係性の変化、周りの環境の変化、周りの人たちの様子を重点的に描きました。学校じゃない場面がとても多い分、市川自身のパーソナル的な部分というか。家族だったり、考えてることだったり、趣味だったり。そういうものが見えてくると思います。

私自身、単行本化の作業以外は自分の作品を見直すことがあまりないんですが、この4巻は「濃密だな」と感じました。

――4巻の表紙イラストはどのようなものになっているんでしょうか。

担当氏：すごくステキなイラストで、3巻のときとはまた違う雰囲気になっています。

▲通常版表紙（左）、特装版表紙（右）

――分かりました。話が変わってしまうんですが、1巻の最後に「この作品は距離、変化、気付きを丁寧に描いていきたいと思っています」と綴られていましたが、そう思った理由を差支えなければ教えてほしいです。

桜井：ラブコメって謳ってはいるんですけど、友達の少ない主人公がどう人と関係性を育んでいくかってところが自分のなかでのテーマとしてあるんです。それで、距離、変化、気付きをじっくり描きたいなと思っていました。

――人間関係って本当に複雑ですが『僕ヤバ』はその繊細さすら恋しくなるというか。

桜井：ありがとうございます。私自身も人間関係をちゃんと築けないタイプなんで。どんなふうにしたら仲良くなっていくかってところは探り探りのところがあります。自分も学びながら描いているような感じです。

――個人的に気になっていたのが2巻のラストでまるまる1ページ、山田の心がうごく場面に使われているシーン。大事なシーンだからこそ1ページ使われたと思うのですが、同時に勇気のいることだったようにも感じています。

桜井：そうですね。そこは山田の“気付き”の場面なので、いちばん大切にした場面です。これまではギャグ漫画を描いてきたので、基本的にコマが小さめのお話ばかりで。コマを大きくする自信がなかったんです。ギャグ漫画でコマを大きくすると「ここが笑いどころだよ」ってアピールになってしまうので、今まではやる勇気がなかったんですね。最初からここは1ページ使おうと思っていました。

――そういった構想というのは先生のなかですでに温められているものなのでしょうか。

桜井：そうですね。要所要所でやっていきたいなと思っております。

――4巻以降、今後の展開をお話できる範囲で教えていただけたらうれしいのですが……。

桜井：これまでは市川の個人的な部分を描いていたんですけど、今後山田の個人的な部分も出していけたらと思っています。これからまだまだやりたいイベントもあるんです。2人の距離が近すぎないように気を付けながら描いていきたいなと思っています。

――お忙しい中ありがとうございました！

［インタビュー＆文・逆井マリ］
　

フェア情報

「僕の心のヤバイやつ 4巻」発売記念フェア

○開催期間
2021年2月8日(月)～無くなり次第終了

○開催場所
全国アニメイト

○フェア内容
大人気作である「僕の心のヤバイやつ 4巻」が2月8日(月)に発売！　アニメイトではこれを記念して、フェアを開催いたします。期間中、対象商品を1冊ご購入ごとに【1P】のフェアポイントレシートをお渡しいたします。集めたフェアポイントレシート【2P】と交換でB6サイズ4Pリーフレット(全2種)を1冊プレゼント！

○特典内容
B6サイズ4Pリーフレット(全2種)

※特典はお選びいただけます。
※特典は無くなり次第終了となります。

○対象商品
■好評発売中
・僕の心のヤバイやつ 1～3巻
■2021年2月8日(月)発売
・僕の心のヤバイやつ 4巻 通常版・特装版(アニメイト限定セットを含む)

○注意事項
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最新刊 情報

4巻 特装版・通常版 アニメイト限定セット

　

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【アニメイト特典】
●メッセージペーパー

※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※こちらの特典表記が商品ページから無くなりますと、配布終了となりますのでご注意ください。

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