『学芸大青春』最新ミニアルバム『Hit me !』発売記念インタビュー!『漂流兄弟 season2』の振り返りから“ガチプレゼンバトルまで!
「Hit me !」と「Lazy Day」のポイント
――ではここからは、最新作となるミニアルバム「Hit me !」についてお訊きできればと思います。表題曲「Hit me !」はどんな楽曲になっているのでしょうか?
南:新しいジュネスというのが一番にあるかな、と思います。一年目は「明るい」とか「爽やか」みたいなイメージの綺麗な曲調の楽曲が多かったんですけど、二年目に入って、この楽曲で初めて負の感情を歌っているものになってます。
自分たちの醜いところというか、マイナスな部分ってなかなか人前に出さないじゃないですか。そういった負の感情を曲として伝えるために、自分の悔しかったこととか、過去の経験を思い出してぶつけた曲になっているので、より感情がこもったものになっていると思います。
――確かに、これまでとはまったく違う雰囲気になっていますね。
内田:荒々しい雰囲気の中にも、歌詞に「あの頃の僕らは 弱さに甘えていた」というフレーズがあって。僕個人の感想なんですけど、『学芸大青春 バクステアプリ』で描かれてる僕の過去、「サッカーやめて、折れて、歌に出会って……」という挫折から歌に出会ってジュネスになった背景を知っていると、よりこの曲のジュネスらしさが垣間見えるかな、と思います。
星野:ただ荒々しい、カッコいいだけじゃなくて、歌詞を注目してみると繊細な部分があったりするので、将綺が言ったように「荒々しさの中にある繊細さ」みたいなものが面白いかな、と思います。
――今までと雰囲気はガラッと変わっていても、ジュネスらしさがしっかりと残っている部分もあるんですね。改めて『バクステアプリ』もちゃんと全部チェックしないといけませんね!
内田:いつでも見返せるので、ぜひ時間のあるときに!
――ジュネス、勉強し直します。
星野:ぜひ、よろしくお願いします(笑)。
――仲川さんは「Hit me !」をどんな楽曲に感じましたか? もしくはどんなところに注目してほしいですか?
仲川:僕は最後のオペラパートを頑張りました。あんな歌い方したことなかったので。
僕が歌ってるというのを、MVが出るまで分かってなかった人がけっこう多かったみたいで、将綺の家族でさえも、将綺が歌ってると思ってたらしいです(笑)。
内田:いや、妹は蓮が歌ってるって分かってたんだけど、親父は分かってなかった。「これ、お前だろ?」って(笑)。「誰でしょう?」って返して、MVが出るまで秘密にしてました。
――先ほどの『漂流兄弟』の話でも登場したお父様が(笑)。すごく仲がいいですね。
内田:そうですね(笑)。
仲川:それぐらい普段と違う歌い方ができた、というのはすごく収穫でした。
――楽曲をもらったときから「ここはオペラで歌ってください」というディレクションがあったのでしょうか?
仲川:最初は(プロデューサーの)杉沢さんから「ここのオペラパートは蓮ね。」とだけ言われて。「意味が分かんないな」と思ってました。
一同:(笑)
――1stアルバムを経て、全員から歌い方の変化や成長、表現の幅の広がりを感じました。相沢さんも今回かなり変わっていた印象を受けました。
相沢:そうですね。今回自分がもらったパートは、メロディラインがけっこう難しくて、リズムにも乗らなきゃいけないパートだったんですけど、歌詞の意味的にも「今までとはまた違う」ということを見せたかったので、自分としてもけっこう感情を込めて歌いました。そういった意味で、今までとまた違った一面を出せたかな、と思います。
負の感情を込めて歌うことが、自分たちの楽曲にはなかったんですけど、昔自分がバンドをやってた時に歌ったり、聴いていた曲の中には激しめのものもあったので、そのときの経験が活きたかな、と思いました。そういった昔のことも思い出しながら取り組みましたね。
――ありがとうございます。以前のライブを拝見したときに思ったのですが、相沢さんは、ライブのときにCDとまた声がかなり違う印象を受けました。なにか意識されてることがあるんですか?
相沢:そうですね。自分はライブごとに声を変えていきたい、ぐらいの気持ちがあります。もちろんCD音源という作品があって、ライブでも同じ声を聴きたいというファンの方もいるとは思うんですけど、自分はやっぱりライブの生の感じというか、そのときしか出せないパフォーマンスを楽しんでいただきたい、という気持ちがあって。
そのときに自分が歌いたい感情で、歌いたいニュアンスで、メロディラインもアレンジしたり、フェイクしたりして、「これやりたいな」と思ったことはどんどんチャレンジしていきたいといつも思ってます。
――なるほど。相沢さんの歌に今後も期待していきたいです。続いては「Lazy Day」。こちらは相沢さんからスタートする楽曲ですね。
相沢:この楽曲は聴いていただければ分かると思うんですけど、僕だけなかなかダラダラできない曲になっていて(笑)。みんなが寮で「ダラダラしたいね」と言ってるような曲で、ダンスもそういう振付で表現されているんですけど、4人で違う世界観にいる、という設定で作られています。
みんなは絡みがある中、自分ひとりだけちょっと別世界にいるということで、正直ちょっとさみしいとは思ったんですけど、でも、そういう楽曲もあったほうが面白いし、また違う見せ方になっていると思うので、すごく自分たちらしさが出ている楽曲になっています。
電話するシーンでの、自分の声に電話をかけているときのようなエフェクトがかかっている演出とかも初めてだし、凝っていて。寮生活をしている自分たちならではの世界観や歌詞を楽しんでほしいです。
――確かにMVを見るとメンバー間のギャップがすごいですね。
内田:マジでずっと踊ってます。
一同:(笑)
南:(MV中のダンスで)なかなか家にたどり着かないよね。最後の最後まで。
内田:最近この曲をライブリハとして練習しているんですけど、優輝もけっこう家の中にいる人としては踊ってるんです。
南:僕はあまりダラダラしていなくて、家の中でダラダラしてる3人をいさめている側なんですよ。で、勇仁は外にいる。
内田:一回この曲の練習が終わると、僕と蓮と陽介は「あ~、ダラダラしたね」という感じなんですけど、優輝と勇仁だけ全然汗かいてるんですよ(笑)。
星野:リアルに「Lazy Day」だったら僕ら3人は30回くらい連続で踊れます。
一同:(笑)
星野:マジです(笑)。たぶんこのふたりは5回くらい。
――ちなみにリアルの寮生活だと、誰が一番ダラダラしてますか?
4人:勇仁じゃない(笑)?
――むしろリアルでは逆なんですね(笑)。
相沢:そうですね。
――パンツ一丁で歩いたりとか?
相沢:あはは。(共同生活なので)そういうのはないですね。
内田:あ、でも部屋着に着替える速度が超早いです。
相沢:家帰ったら秒で部屋着に着替えたいですね。ダラダラしたいので。
星野:スーさん(杉沢さん)も言っているんですけど、僕らの楽曲ってダンス&ボーカル、踊って歌って、というのが基本で。
そういう意味でも今後ライブとかで「Lazy Day」を披露したら、僕らも、観てる人も、リラックスできる瞬間になるのかなって思います。これまで、ゆったりとした曲って少なかったので、ガラリと雰囲気を変えられる曲になるんじゃないかなって。
南:ライブの中でアクセントになりそうな曲だよね。
星野:そうそう! 僕らもすごく楽しみにしてます。
南:「Hit me !」もそうなんですけど、二年目に入ってラップも新しい歌い方がけっこう増えてきて。
内田:そうだね。
南:一年目は「爽やか」や「切ない」などだったり、正統派なラップが多くて、自分の声質とも合っていたのでやりやすかったんですけど、「Hit me !」ではダークな感じだし、「Lazy Day」も曲自体は可愛い感じだけど、トラックはK-POPっぽさがあるカッコいい感じで。それを表現するのに最初はすごく苦労しました。
蓮がすごいK-POPが好きなので、「ちょっとワルそうに聞こえる曲でおすすめなやつとか教えて」って聞いたら、一気に30曲くらい送ってきて(笑)。それを全部聴いて、参考にしながら新しい引き出しを増やそうと頑張りました。
内田:「Hit me !」のラップ、ヤバいよな。
――素晴らしかったです。
南:ありがとうございます。「Lazy Day」も好きです。
内田:いいよな。さっき言い忘れちゃったんですけど、「Hit me !」は優輝のラップですべて決まりました。あんな優輝の声は初めて聴いたので。
仲川:うん。カッコいいよね。
――もともと上手いのもあって、ついつい忘れがちになってしまいますが、改めて注目して聴くと、さらにレベルが上がっているのが分かります。
南:ありがとうございます。
内田:これからもどんどん引き出しを増やしていただいて。
南:精進します(笑)。
――「Lazy Day」では、仲川さんもラップで入ってくるところがありますよね。巻き舌っぽくしているような。あれも新しいなと思いました。
仲川:(唐突に)ちょっとだるいっすね。
一同:(笑)
内田:おいおい(笑)!
南:今じゃない!今じゃない!(汗)ほかのときに使って(笑)。
仲川:ふふ。巻き舌のところはクセになってほしいというか。聴いた人も歌うときにぜひ真似してほしいなって思います。新しい引き出しを増やしました。
星野:きっと楽曲を聴いた方や、この記事を読んでる方も、どうやったら蓮みたく巻き舌を上手くできるようになるか知りたいと思うんですよ。ぜひレクチャーを(笑)。
内田:確かに、『漂流兄弟』のプロレスのとこでも「勝者、ユゥゥゥキィィィィ!」ってちょっと巻いてるしね(笑)。どうやってやんの?
――これは活字にするのがものすごく大変なのでは(笑)。でも、ぜひ教えていただきたいです。
仲川:そもそもルーツがありまして。僕、高校のときに音楽の授業で「O sole mio(オー・ソレ・ミオ)」を歌ったんです。イタリア語って巻き舌をやるので、そこでゲットしました。
内田:イタリア語の曲を歌えと。
星野:ぜひそうやって練習してみてください(笑)。
――まさかそういう方向に落ち着くとは(笑)。内田さん的には楽曲のポイントや苦労した点はどんなところでしょうか?
内田:「ダラダラしたいね ゴロゴロしたいね」と言っているんですけど、このキーが実は苦手で。高すぎず、低すぎずという、僕の声で一番キープするのに神経を使う音だったので、その練習に明け暮れましたね。
で、歌詞を読み直していたら「俺、全然ダラダラしてないな」って思いました(笑)。
僕の声質がけっこうはっきりしているというか、クリアなタイプだと思うので、ダラダラしてる雰囲気が出づらいなと思ったときに、寝転がって歌って練習してみたら、力も抜けて自然に歌えて。
でも、いざレコーディングになってみたら、当たり前ですけど収録って立ってやるじゃないですか。「あ、しまった!」って(笑)。
南:そりゃそうだ(笑)。
内田:そのときに、杉沢さんに「いつもの出てるよ」って言われて。僕、緊張すると肩の力が入って高音が出なくなっちゃうんです。「あ、そうだ」と思って、もう一回肩の力を抜いて歌ったら、見事にフラっときまして(笑)。「眠い!」と。
「リラックスしすぎるのもダメだ」と思いもしたんですけど、寮生活の歌ということで、いつもの生活をもう一度思い出すようにして。
リビングでふざける陽介とか、大学の勉強頑張ってる優輝とか、すぐ部屋着に着替える勇仁とか、あとー……蓮は....蓮です。
仲川:(イメージがすぐに)出てこなかったんでしょ(笑)。
内田:蓮は蓮です。意味もないのに「コンビニ行こう」とか言ってくる蓮とか、そういう日常を思い返したら、最終的にイメージした声が出ました、という話です(笑)。