『ほむら先生はたぶんモテない』ついに完結! 最新5巻発売記念「せかねこ」先生インタビュー
『バイトの古森くん』『後輩くんは甘やかしたい』などTwitterで次々と話題作を発表してきた「せかねこ」さんのマンガ『ほむら先生はたぶんモテない』が、4月15日(木)発売の5巻をもってついに完結します!
『ほむら先生はたぶんモテない』は、「WEBマンガ総選挙2019」で第2位、「次にくるマンガ大賞2020」WEBマンガ部門で第3位にランクインした人気作品。ジャージに白衣姿、いつもダルそうで、今どきの女子高生を極度に恐れる生物教師・ほむら先生と、そんなほむら先生に恋する女子高生・蓮見さんの、じれったくてちょっぴり甘い脱力系ラブコメディです。
せかねこさんは、最終巻となる5巻をどのような思いで描かれたのでしょうか? ほむら先生や蓮見さんの裏話、影の人気者・早苗くんのことなど、たっぷりとお話を伺いました!
「当初思い描いていた結末とはかなり違います」
――まず『ほむら先生はたぶんモテない』を5巻まで描き切った率直な感想をお聞かせください。
せかねこ:もともと飽き性な性格なので、1つの物語を5巻分も描ききれたことに驚いてます。と同時に、ここまでシリーズとして続けさせていただけた環境に感謝してもしきれません。
――最終巻となる5巻で見せる、ほむら先生と蓮見さんの結末は、せかねこさんが当初思い描いていたとおりになったのでしょうか? それとも描いていくうちに変化したのでしょうか?
せかねこ:これはもう断言できるのですが、私が当初思い描いていた結末とはかなり違います。そこら辺はぜひ5巻のあとがきを読んでいただきたいのですが、たくさんの読者さんたちに応援していただく中でふと「これは私だけの物語じゃない」ということ気づいて、私だけが面白いと思う結末にだけはしてはいけない……と思ったんです。たくさんの応援してくれている方々が5巻を読み終えて「この本に出会えて良かった」と思ってくれるような結末になっているといいなと思います。
――読者のみなさんが気になっている最大のポイントは、ほむら先生と蓮見さんの関係は大きな変化を迎えたのか否か、だと思います。その点を5巻で描くにあたって、悩んだことや苦労したことはありましたか?
せかねこ:まず土台の先生と生徒であるという関係をいかに崩さずに2人の関係を進化させていくかは今回に限らず永遠に難しいなと思っています。ほむら先生を犯罪者にすることなく、蓮見さんにほむら先生を犯罪者にさせることなく……(笑)、だけど明らかに2人の関係は1巻とは変化して来ているというのを表現するのが難しかったです。
――2人の関係の変化といえば、5巻の表紙では2人がこれまでにないくらい接近しており、今までほむら先生1人だけの表紙(よしおはいましたが)だっただけに、読者は非常にドキドキさせられたかと思います。あのイメージはすぐに思い浮かびましたか?
せかねこ:『ほむら先生はたぶんモテない』の表紙は、毎回担当編集さんとデザイナーさんからおおよそのポーズとか服装とかの案をいただいて、なんとなく私が何パターンかラフを出す感じなので、今回もラストは蓮見さんと2人にしようっていうのは私が決めたわけではないんですが……大納得の案でした。2人と聞いて最初は向かい合って幸せそうに笑い合うイメージだったのですが(ラフも描いたので候補としてもありましたが)、横顔より正面顔のほうが可愛く描ける気がしたので、せっかく初めて蓮見さんを表紙に登場させるなら可愛いほうが……という理由でああなりました(笑)。
密着してますが、あくまで蓮見さんは自分の手を組んでいるだけだし、ほむら先生もポケットに手を入れて蓮見さんには触れないようにしているので、最後とはいえここでも先生と生徒スタイルは貫いている感じです。
――た、たしかに! そのお話を聞いてから5巻の表紙を再度見てみると、お話を聞く前とはまた違った見え方になりました。『ほむら先生はたぶんモテない』を描きながら、読者にどんなことを伝えたい、伝わればいいなと思っていましたか?
せかねこ:今はメインが恋愛のストーリーになっているのですが、描き始めた頃はほむら先生という少しずるくてテキトーでいい加減な大人の話というのがメインでした。私自身難しいことを考えるのが苦手で嫌なことからはすぐ逃げたり、今日生きていけたらそれでいいみたいないい加減な生き方をしてきたのに、大人になって「あれ? テキトーに生きて来たわりに私今普通に幸せだな」と思うことがあって。
悩んだりいろんな壁にぶつかったり時には泣くこともあるだろうけど、まあ人生死ななければどうにかなるよ! みたいなのを『ほむら先生はたぶんモテない』を通して伝えたかったんですけど……いつの間にかゴリゴリの恋愛漫画になってましたね。