花澤香菜さんが演じたキャラクターをマジ天使と信じ続けて10年あまり……！ 演技の幅がピカイチなその秘訣とは？【推し声優語らせてください・連載第2回】

アニメ〈物語〉シリーズ｜千石撫子

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作家・西尾維新先生による小説を原作に、2009年に放送されたTVアニメ『化物語』に端を発するこのシリーズ。このキャラクターと初登場となった「なでこスネイク」のエピソードについてスルーしようとしたら、流石に編集の石橋さんに怒られたのでピックアップ。

主題歌だった「恋愛サーキュレーション」のこともありますし、いまから考えると自分でもこのキャラクターをスルーして通ろうとしたのは正気の沙汰ではありませんね……。一体ネタ出し段階の筆者は何を考えていたのでしょうか。

そんな裏話は置いておいて、スルーしたかったのにも理由があるんです。実は筆者、ヒロイン勢なら羽川翼とか神原駿河、忍野忍や老倉育のが好きでして。というかそれ以上に撫子のようなタイプの女性キャラクターが非常に苦手だったんですよね、あまりにも嘘くさくて。

最初からどこかおかしいといえばいいのでしょうか。自分が可愛いことを自分でわかっていてああいう事をやっている、可愛い自分に酔っているみたいな風に思えてしまったんですよね。本当にそういうキャラクターは心の底から苦手なのですが、それでも嫌いになるまでいかなかったのが、セカンドシーズン以降の描かれ方のおかげ。

それもこれもシリーズで一番好きなキャラクターが貝木泥舟だったのが幸い(もしかしたら災いかも？)し、セカンドシーズン以降だと少しは好きになれる部分が出てきたのでした。正直学校で暴言吐いている姿の方が、可愛い子ぶっている時より見ていて好きになれたんですよね。イタい事には変わりないですけれど。

要するに当初に感じた直感はほぼほぼ正解に近く、本性が明らかになった後の方が理解できる部分が出ただけ好きになれたみたいなイメージです。本当に貝木さんは偉大です。

ここでふと気づいたのですが、あの初登場時の段階で「嘘くさくね？」と視聴者に感じさせていたって凄すぎないかということ。もしかしてそれを最初からわかって演じていたのだろうか？　みたいに考えてみると、思わず鳥肌が立ってしまいました……。

PSYCHO-PASS サイコパス｜常守朱

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やっぱりこのキャラクターも外せませんよね。年齢的にはこれまで紹介してきたキャラクターと違って20代で大人。若いキャラクターたちとはまた違った魅力があります。

何となく苦労人ポジション的といいますか、第1期だと新人監視官としての登場で狡噛慎也と槙島聖護の因縁周りに関わっていき、終盤では登場したてのキャピキャピ感は消え失せて貫禄が出ていた印象があります。

個人的に好きなのが第2期で刑事課一係の中心人物みたいな立ち位置になってからで、面倒すぎる後輩の霜月美佳を抱え込んだりで、苦労が絶え無さそうだと思っていました。

そんな彼女を演じる上で難しそうだなと思えたのが、サイコパスの色相が濁りにくいという一点。この色相が濁ると例え法を守る側の立場であろうと、ドミネーターで肉片にされるので(色々言われてはいますが、そういう部分をまざまざと描いてくれた第2期第4話は今でも大好きなエピソード)、これを演じるのって絶対に難しいのではないでしょうか。

もしも目の前で友人を殺されたり、親族を奪った相手が目の前に居たとしても動じないという事なんですから。そのおかげか東金朔夜みたいな厄介な奴に目をつけられる辺りもまた運がないですよね。

第1期からの狡噛とか宜野座伸元との関係性とか掛け合いも好きなんですけれど、やっぱり印象に残っているのは立場が出来てからの第2期以降です。自身の周囲にもキツイ出来事があるのに、めんどくさい後輩や部下を抱えそれでも毅然と法を守る。

そんな朱のキャラクター性もそうですが、それを演じる花澤さんもカッコいいですよね。