友達以上、恋人未満のふたりが繰り広げるハイテンションラブコメ漫画『現実もたまには嘘をつく』最新2巻発売記念！原作者・にいち先生インタビュー｜続きを望む多くの読者の声が背中を押してくれた

「自然に描けた」という、七海を見守る両親の想いが垣間見えるエピソードにも注目

――そうだったんですね。ちなみに、先生ご自身としてコミックス第2巻の見どころや、描きたいものが描ききれたと思うエピソードがあれば教えてください。

にいち：Level 41.「いつか分かるわよ」などの、七海家両親が関わるエピソードですね。

もともと引きこもりぎみだった七海ですから、親もやきもきすることは多かったと思うんです。でも“親の焦りが子供のプレッシャーになってはいけない。”きっとこの二人はそういう配慮ができる親で、だからこそ、その想いが報われるときの嬉しさは一層大きいと思うんです。

単行本2巻ではそこを強調し過ぎず、自然に描けた気がします。

――お話をうかがって、そんな七海と両親のエピソードが垣間見えるから、薫と七海のズレにもどかしくキュンキュンしたり、少しずつ前進する二人の関係性にほっこり「見守りたい」と感じることにもつながっているんだなと思いました。Twitter上では新作を毎週更新されていて、読者としては物語を気軽に楽しめてうれしいのですが、「もうネタがない！」と思うことはないですか？

にいち：ほぼ毎週、「もうネタがない！」と思っています（笑）。

日常生活でふと思いつく……なんてことはめったになくて、とにかく考えて考えて、ようやく出てくるという感じです。カフェで行きかう人々を見ながらとか、散歩をしながらとか、動きのある環境で考えることが多いですね。

――では、Twitterに「戴いたコメント」としてまとめたファンの方のコメントも楽しく拝見していたのですが、ファンの方のコメントからヒントを得たり、影響を受けることはあるのでしょうか。これまでのコメントで、ご自身の想像を越えるような衝撃的だったコメントはありますか？　

にいち：あくまで好きなように描くことを大切にしているので、戴いたコメントに合わせて話の大筋まで変えることはありません。

でも、笑わせてもらったり、読者さんの意外な視点に気付かされることは多いです。

言い方の妙というか、既にあるネタをちょっとひねってくるコメントが好きなんですよね。

例えば、七海がフィルター無しでコーヒーを淹れちゃった回の「イレギュラーコーヒー」は笑いました。同じ回の「家族愛はフィルターをすり抜けるんだよね」みたいな、よく分からないけど“なんかいいこと言ってる風”のコメントもツボに入ることが多いです。

コメントをいただくと、読者の皆さんが作品を楽しんでくださっているのが伝わってきて嬉しいですね。