恋愛生活小説『義妹生活』第3巻発売記念三河ごーすと先生インタビュー｜小説家を目指した経緯、『義妹生活』誕生秘話、最新刊の注目ポイントとは？

イラストのHitenさんは先生からのリクエスト。小説発売後の反響についての感想は？

――小説のイラストを担当されているHitenさんはどのように決められたのでしょうか？また先生が感じるHitenさんの魅力や、各キャラクターデザインの際、オーダーされたことはありますか？

三河：Hiten先生が個人で発表されていたイラストの中に、少女がひとりで過ごしている日常の一幕を切り取ったような作品がありまして。それが、私のイメージしている『義妹生活』の世界にピッタリだったんです。ひとりで過ごすとき、人はあまり表情を動かさないものだと思うのですが、そのぼんやりした空気感が完璧だったと言いますか……。キャラクターの実在感と、フィクションとしてハマれる魅力の中間地点という点で、最高峰のイラストを描いていただけると確信しました。

――小説が発売された後の反響についてどう思われましたか？

三河：想像以上の好評をいただいていて、とてもホッとしています。本作はあえて調味料を使わない、素材の味で勝負するような一作であることもあり、一歩間違えれば地味とだけ受け取られ、作品のテーマや日常の空気感を楽しんでもらうという本作の旨味を楽しめない恐れもあったものですから。皆さん前向きに作品のテーマに触れてくれて、すごく嬉しいです。

悠太役の天﨑滉平さんと沙季役の中島由貴さんはハマり役。執筆中も脳内再生!?

――作中のキャラで特にお気に入りのキャラクターを挙げるとすれば？

三河：読売栞です。大和撫子な文学少女然とした見た目からの、意外と気さくでお茶目なところが多いバイト先の先輩。こんな先輩が身近にいたら理想だなと思います(笑)。

――PVの悠太役を天﨑滉平さん、沙季役を中島由貴さんが演じられていますが、キャストはどのように決められたのでしょうか？　また実際に演じていただいた音声を聞いた感想は？

三河：御縁でお会いしたある声優事務所の社長さんにご相談し、作品に合うキャストさんとしてお二方をご紹介いただきました。実際に演じていただいた音声を聞いた感想は、本当にハマり役といいますか……今となっては悠太と沙季の台詞を書いているときも、お二方の声でしか脳内再生できなくなってしまいました。

三河先生の学生時代、そしてアルバイト経験は？

――悠太と沙季は高校2年生ですが、三河先生の高校時代はどんな学生生活を送られていましたか？

三河：高校時代にはもう物語に触れるのが最高の喜びになっていたので、本を読んだり、映画を観たり、物語性の強いゲームで遊んだりするのが好きでした。部活動もどこか特定の場所にしっかり腰を据えて所属するというよりは、PCを扱う部活、映像制作部、新聞部、文芸部にちょっとずつ顔を出すみたいな、いいかげんな活動をしていまして。小説を書いてみたり、自分でシナリオとプログラム(厳密にはプログラムではなく、ゲーム用に簡易に扱える言語ですが)を組んでゲームを作ったり、いろいろやっていましたね。

――悠太は書店でアルバイトしていますが、アルバイトの経験はありますか？

三河：まさに書店でアルバイトしていたことがあります。作中でのアルバイト描写もそのときの記憶をたよりにしていまして、現在の書店の状況と照らし合わせて自分なりに今っぽい架空の書店を描き切れたのではと自負しています。

――沙季は現代国語が苦手ですが、先生が学生時代に得意だった科目、苦手だった科目は？

三河：得意だったのは圧倒的に国語と数学でした。この２科目だけは学年でもほぼトップに近かった。一方で地理、歴史などの社会系の科目、物理などの理科系の科目がそれぞれ苦手で……勉強で努力のできるタイプじゃなかったので、暗記を求められる科目はまったく駄目でした。

――友和はアニメオタクですが、お好きなアニメ作品はありますか？

三河：たくさんありますが、特に最近はアニメ映画が好きですね。『君の名は。』、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』等は最近の中では特に好きかもしれません。

――アニメイトに関する想い出やエピソードがありましたら教えてください。

三河：まだ「オタク」という概念も「アニメ系専門店」についてもよくわかっていなかった中学生の頃、知ってて当然のような顔で「アニメイト」という単語を出して盛り上がっている友達を見て、何か子どもが知ってたらイケナイ秘密の組織なのではと勘違いして、勝手にドキドキしていたのを覚えています(笑)。

第3巻では悠太と沙季に大きな転換点が！　タイトルの仕掛けも発動!?

――7月21日に第3巻が発売されますが、どんなお話なのか、可能な範囲でご紹介お願いします。そして見どころや注目ポイントも合わせてお願いします。

三河：三巻は夏休みのひとときですが、悠太と沙季、それぞれに大きな転換点がやってきます。そして『義妹生活』というタイトルの本当の仕掛けが作動する巻でもあります。夏といえば大きな変化を予感させる季節ですが、彼らなりの夏の過ごし方、彼らなりの変化の在り方に注目してください。

――今後の展開や注目ポイントと皆さんへメッセージをお願いします。

三河：社会的な正しさと正直な感情との折り合い、周囲の人間関係と自分自身の都合のバランス取り……そういった等身大の課題に直面しながら、さまざまな価値観の人間に出会い、触れ合うことで悠太と沙季は自分なりの答えを見つけていくことになるはずです。二人の禁断の関係がどう進んでいくのか、読者の皆様には引き続き注目してもらえると嬉しいです。