真島ヒロ先生原作のアニメ『EDENS ZERO』ピーノ役 井澤詩織さん&ホムラ役 青木志貴さん対談インタビュー|ホムラはギャップが魅力であり、難しさ。ピーノは人間とロボ感の間を意識
人気マンガ『FAIRY TAIL』や『RAVE』などを手掛けた真島ヒロ先生原作の『EDENS ZERO』(講談社『週刊少年マガジン』連載中)が現在好評放送中!
スパイダーを撃破し、四煌星のうち、3人が仲間に加わったシキたち「エデンズ ゼロ」一行。四煌星の残る1人はヴァルキリーで、ホムラと深い関係が……。
アニメイトタイムズ では、これまでキャストやスタッフへのインタビューをお届けしておりますが、今回ご登場いただくのはピーノ役の井澤詩織さんとホムラ役の青木志貴さんです。
初共演というお二人ですが、お互いのお芝居の印象から、アニメを振り返ってみた感想や印象的なシーンを語っていただきました。また前回登場のワイズ役の手塚ヒロミチさんからの質問にもお答えいただきました!
みんなが思い描く少年マンガの王道で老若男女が楽しめる作品。シキのコミュ力に憧れも!?
──『EDENS ZERO』の原作を読んだり、アニメで演じた印象や感想をお聞かせください。
ホムラ役 青木志貴さん(以下、青木):まずシキの誰とでも友達になりたいという部分は、僕は友達が少ないので共感できました(笑)。でも彼はコミュ力が高いので、どんどん友達を作っていくところがうらやましさも感じました。
またEDENS ZEROに乗り込んでくるキャラとの絆も深くなっていくところもボッチ勢としてはまぶしいです(笑)。
あと個人的にセクシーなお姉さんがたくさん出てくる作品も、強い戦う女性も好きなので、キャラ的な部分でもめちゃめちゃツボな作品です。
ピーノ役 井澤詩織さん(以下、井澤):原作の真島ヒロ先生は『RAVE』、『FAIRY TAIL』など、みんなが思い描く少年マンガの王道で、爽快感や共感しやすい作品を描かれる方なので、『EDENS ZERO』も楽しく読ませていただいています。
うちの両親が、私が出演するアニメを見ても難しくてついていけないものもあるんですけど、『EDENS ZERO』はわかりやすく楽しんでいる様子で、見終わった後には感想を聞かせてくれます。そんな老若男女でも楽しめるところが魅力かなと思っています。
──レベッカたちのお色気シーンもありますけど……(笑)。
井澤:いやらしくなくて、かわいく描かれている気がするんです。
青木:コミカルでおもしろいですからね。
井澤:でも先日の裸土下座はさすがに「大丈夫かな⁉︎」と思いましたが(笑)。塗りの感じも少年マンガっぽいのでいやらしさを感じないので、安心して親や友達にも勧められます。深夜に放送されていますが、夕方に放送してもいいのにと思っていて。
青木:ご家族で見てほしいアニメですよね。
──実際にアニメの映像をご覧になった感想は?
青木:マンガで読んでいた時に何となく想像したり、アフレコでもまだ映像ではなく、絵の状態だったので「どんな映像になるのかな?」と思いながら演じていましたが、完成したアニメを見ると色がついて、動くときれいだし、臨場感や迫力も全然違って。
個人的に一番すごいなと思ったのは桜宇宙(サクラコスモス)の花びらの描写で、実際に宇宙空間で花が咲くことはないので、アニメの世界だから見られる景色だなと思って感動しました。
あとはエーテルギアの描写も腕から発光するところもアニメならではで、「こんなふうにエーテルギアは発動するんだ!」と。マンガを読んでいたけど、アニメになって初めて発見することもあり、新鮮に感じました。
井澤:最初に見た時、OPが熱くて、「これ! これ!」と興奮しました。本編の作画も毎回安定しているし、キャラもみんな魅力的で、目力がすごく感じて。真島先生のデザイン自体がそうですけど、アニメになってよりすごくなっているような。
特にシキの目に引き込まれるんですよね。シンプルなはずなのに。キャラの表情の変化につい注目しながら見てしまいます。
──感情の揺れ動きも細かく表現されているような。
井澤:台本上では「…」とだけ書いてあるシーンが結構あるんですけど、オンエアで見ると動画ですごく見せてくれるんですよね。
ホムラはクールだけどボケ要素もある愛すべきキャラ。収録では大苦戦!?
──演じるキャラの印象とご自身との相違点、演じる時に意識されている点をお聞かせください。まずホムラについてお願いします。
青木:ホムラは謎の女剣士みたいな感じでみんなの前に登場するし、原作で読んだ時もクールな女の子なのかなと思っていましたが、意外とヌケていて。強くて戦う女性キャラにはあまりないボケ要素が多くて、愛すべき点が多いキャラだなと思いました。
また熱いものとか苦手なものも多いし、思ったことをすぐ口に出してしまったりと微笑ましいシーンがアニメの中でもたくさんあるので、かわいいなと。
彼女は師匠のヴァルキリーを探す旅をしていますが、自分は師弟愛など関係性オタクでもあるので(笑)、師弟愛あふれるところもいいなと思っています。
自分とは真逆なキャラで、基本的に会話をするのが苦手なので、ホムラみたいに思ったことがポンポン口から出たら、コミュニケーションが円滑になるんじゃないかと思ってうらやましいです(笑)。
演じる時は、音響監督のはた(しょう二)さんが「普段のクールな時と本音がつい漏れてしまう時のギャップやかわいさを見せたい」とおっしゃっていたので、本音が漏れる時に変な声が出ちゃうところはなるべくかわいく見えるように意識しています。
──台本を見ると本来はカタカナで表記されているはずのものがひらがなになっていて、そのニュアンスも意識されているのでは?
青木:そうなんです! 例えば「えーてるぎあ」の表現とかめちゃめちゃ難しくて、何回もテイクを重ねたのを覚えています。
あと「ゆえ」が口グセで、オーディションの時はナチュラルにさらっと「ゆえ」がなじんだ感じでやっていましたが、アニメの収録になってからは「『ゆえ』は違和感があるくらいでいいから、むしろ強調する感じがほしい」と言われて。
井澤:それは難しいね。
青木:自然にいうことを求められることはあっても違和感が出るくらい強調するお芝居を求められることはなかなかないので、いまだに苦戦しています。
ピーノは少しずつ成長していくキャラ。収録ではかわいく、今後成長する余地も意識
──次はピーノについてお聞かせください。
井澤:アンドロイドの定義が他作品とは違うのが魅力かなと思っていて。ピーノも人間になりたいという夢があって、人間ほどの感情の機微はないけど、人の心をまったく理解できないわけではないところが演じていて難しいけど、楽しいところでもあります。
ピーノは過去の記憶がない状態ですが、もしかしたら昔は人間くらい感情を出せたかもしれないけど、今も少しずつ成長してくれていることを感じて、一緒に成長を楽しんでいる感覚です。
演じる時は性格的には純粋なので、かわいくいることを大切にしています。あとロボットと人間っぽさの間をうまくとるのが難しくて。私の印象では感情が理解できないというより、まだ知らないだけで。
例えばシキが仲間を救いにいこうとした時、「非効率です」と言った時も後で説明されてちゃんと理解していたし。この先、ピーノが人間になれるのかはわかりませんが、成長の余地は残しておきたいなと思いながら演じています。
私との相違点ですが…、ピーノは人間になりたいけど、私は不老不死になりたいのでアンドロイドになりたいです(笑)。機械も不便なんでしょうけど、『EDENS ZERO』の世界観の中のアンドロイドならいいなと思います。
青木:いいですよね!
井澤:シスターなんて、ほぼ見た目ではアンドロイドだとわからないし。ピーノは等身が低いけど、等身の高さに憧れているわけでもなさそうで、どんな人間になりたいのかなと気になります。
──青木さんから見たピーノ、そして井澤さんのお芝居についてどう思われましたか?
青木:ピーノは原作を読んでいた時から大好きで、シキと出会った頃からかわいそうな目にあっていたり、シキが「アンドロイドだけど心がある」と言っていたようにポロポロ涙を流すシーンがあって。自分の中ではアンドロイドという認識が薄いんですよね。
とにかくかわいくて、かわいそうで、つい目で追ってしまう、放っておけないキャラです。そして井澤さんの声やお芝居を聞いた瞬間から「あっ!? ピーノだ!」とか「ピーノの声はこれしかない!」と思ったくらい、しっくりきていて。
井澤:嬉しい!
青木:アフレコの時はまだ完成映像の状態ではないので、動きはハッキリとは見えないけど、井澤さんの声を聞いただけでピーノが動く姿が見えてくるんです。
井澤:ありがとう。