結成30周年目前 『月とライカと吸血姫』主題歌を彩るALI PROJECT・宝野アリカさんにインタビュー 未来に向けての希望を描いた「緋ノ月」について「イリナとレフのおかげで、ステキな曲ができました」
MVは「これまでの作品で一番好きかもしれない」
──今回のタイトルはシンプルですよね。どのように決められたのでしょうか?
宝野:すごく悩んで。久しぶりのシングルなのですごく凝ったものにしたいなと考えたんですけれど……いかんせん、私にとっては落ち着いた歌詞なので、あまり飾るような感じじゃないなって。それでシンプルになりました。
──紅い月、という意味ですよね。吸血鬼のイメージや、イリナの瞳の色からだったのでしょうか。
宝野:吸血鬼の(血の)紅ではなくて、イリナの心の中にある紅い宇宙というか。緋色もどちらかと言えば、スカーレットオレンジっぽい色なので、そのイメージです。紅を印象的に使いたいなって。
──MVでも紅が印象的に使われています。基本的には宇宙のような、シルバーの暗めの色がメインになっていて。
宝野:「緋ノ月」と言うと紅い印象を想像すると思いますが、紅はさんざんやっていますし、紅い服で宙を舞ったこともありますし(笑)。紅と黒ってありがちじゃない? だからこそこの色合いにしました。鏡を使って、宇宙の無限を表してみて。
──いろいろなシュチュエーションで撮られていますが、その中でも鏡のシーンは印象的でした。MVはいつもアリカさんからコンセプトを提案されるんですか?
宝野:なんとなくこういうのが良いなっていうのはあるんですけれど……うちのスタッフと、衣装、ビジュアルデザイン、カメラマン、ヘアメイクで集まって話していくうちに、どんどん広がっていきますね。今回もそうでした。
牙はなしにしたんですけど、目は紅くしたいなと思って。あとお耳もイリナのように尖らせたいなと。少し分かりにくいんですけれど、エルフ耳になっています。
──すごく可愛いです! ゴージャスな衣装もステキです。
宝野:ありがとうございます(笑)。ゴージャスなフリルですよね。多分、今までで一番フリルが多いんじゃないかしら。25メートルプールを越えるくらいの生地を使ったそうです。だから結構重さがありましたね。
──たしかに重みがありそうです。月のシーンもファンタジックですよね。
宝野:お月様にも乗りました。プロデューサーから「こういう感じはどうですか?」って提案があったんです。ファンタジックな部分があったほうが良いなと思ったので「お願いします」って。実際はブルーバックで、ただ座っただけなんですけどね(笑)。映像では月にちゃんと座っていて感動しました。
──アリプロの音楽は映像との相性もすごく良いですよね。
宝野:ここまでCGをたくさん使ったのは初めてで、すごく気に入っています。今までで一番好きかもしれない。だからいろいろな人に見ていただきたいですね。
──アニメOPの映像も楽しみです。
宝野:すごくキレイで、カッコ良いですよ。
──先日上映会もありましたが、ご覧になられていかがでしたか?
宝野:すっごく面白かったです! 映画のようで、クオリティがとても高かったです。トークのところでは(横山彰)監督の帽子が気になりすぎてとても欲しくなって!(笑)。パイロット帽のようで、すごく可愛かったんですよね。ついつい検索してしまいました。
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──いま宝野さんが被られている帽子もすごく可愛いです。
宝野:ふふふ。ありがとうございます。蝶々がついています。
──イリナ役の林原めぐみさんのお声もとてもステキでした。
宝野:そうなんですよね。林原さんのお声がつくと映画のようだなと。極端にアニメ声という訳ではなくて、上品なお声なんですよね。“ステキだな”といつも思います。
──それこそ、アリプロの世界もとても上品ですよね。
宝野:ありがとうございます。でも、もっと下品なものを作りたい、下品に歌いたいって思うこともありますよ(笑)。アリプロにはいろいろな曲がありますが、例えば昭和歌謡っぽい曲を歌うときに、「もっとかすれた声だったら良いのにな」と思うことがあるんです。ハスキーな声って昔から憧れなんですよね。風邪を引いたらなるんですけど(笑)。ロックな女性の声ってカッコいいじゃないですか。
──十分にロックだと思いますし、カッコいいと思います!
宝野:(笑)ありがとうございます。