アニメ『さんかく窓の外側は夜』チーフディレクター・岩永大慈さんインタビュー｜これまで無い力で作りきることが出来た別格の第5話。OP映像のこだわりも【連載09】

原作の内容をより広げることができた第5話と第6話

——個人的に除霊シーンや、所々に紛れているつい笑ってしまうシーンが好きなのですが、とても印象に残っているシーンや回があれば教えてください。

岩永：印象に残っているのは5、6話の過去のお話です。除霊シーンやクスッと笑ってしまうシーンは原作のコミックでも強い印象があったのですが、アニメ化する事によって原作の内容をより広げることが出来たのが5、6話なのかなと思います。

——第5話「過去」はチーフディレクター・岩永さんの演出回でした。この回は今後のストーリーにもつながる重要な回ですが、どのように描こうと演出を考えられましたか？

岩永：演出を担当する時は毎回そうなのですが「12本の本編で最高のエネルギーで作る」ということを意識しました。

ただしこの5話は別格で、金春智子さんに頂いた脚本に心酔し、沖田宮奈さんの絵コンテに感動し、これまでに無い力で作りきることが出来ました。

特にBパートの過去のシーンは、様々なバックグラウンドまで細部にわたり作り込んでいますので、繰り返し観て楽しんで頂ける映像になったと思います。

——逆木と英莉可、半澤と冷川など「視える人」と「視えない人」、シリアスなシーンもあれば笑えるシーンもあり、対比バランスが絶妙で夢中になって毎週楽しんでいる方は多いと思います。原作ありきでTVアニメという制限された中、絶妙なバランスを保っていられるのは何かポイントがあるのでしょうか。

岩永：制作に入る前に、一度ヤマシタ先生とお話しする機会をいただきました。

その際、ヤマシタ先生がおっしゃられた「読者に固定概念を植え付けたくない」という言葉が自分の中にスッと入ってきたんです。

制作の現場でも常にその言葉を念頭に置いて作業した結果が、「絶妙なバランス」に繋がっているのだと思います。

——各話脚本を担当された金春智子さんのTwitterにて、「（脚本打ち合わせ時）監督とチーフディレクターの連携プレーがすごくいい感じでした」と絶賛されていたのを見かけました。本作のテーマの1つが“バディ”になっているように、監督とチーフディレクターも制作側の“バディ”として活躍されていたと思います。監督との話し合いややり取りで印象深かったエピソードが裏話などがあれば教えてください。

岩永：安田さんとは常日頃から作品作りに限らず様々な会話を積み上げてきました。ですので、自分としては全てのやりとりが新鮮で印象深く、また全ての会話が日常の中にあった為、一つを挙げるのは難しいです。

ただ、互いに「何を見せたい、何を大事にしたいか」については言葉を交わさなくての理解し合える間柄だと思っています。そういった阿吽の様なものが金春さんとの打ち合わせの中で漏れ出ていたのかもしれません。

安田監督は業界の大先輩でもあり、自分自身も安田さんの描く絵のファンであり、現場では戦友であり、一緒に楽しいお酒を呑める親友です。

連載バックナンバー

□第1回　三角康介役・島﨑信長さん

□第2回　冷川理人役・羽多野渉さん

□第3回　迎系多役・斉藤壮馬さん

□第4回　非浦英莉可役・安済知佳さん

□第5回　半澤日路輝役・三上哲さん

□第6回　逆木一臣役・諏訪部順一さん

□第7回　先生役・平田広明さん

TVアニメ「さんかく窓の外側は夜」作品情報

心霊探偵バディによる新感覚”霊感エンターテインメント”

放送・配信情報

TOKYO MX：10月3日スタート　毎週日曜　22:00～
サンテレビ：10月3日スタート　毎週日曜　23:30～
BSフジ：10月5日スタート　毎週火曜　24:00～
CS「ホームドラマチャンネル」：11月19日スタート　毎週金曜　深夜2:00～（2話放送）
FOD先行独占配信：10月3日スタート　毎週日曜　22:00～　最新話配信
　