アニメ『さんかく窓の外側は夜』チーフディレクター・岩永大慈さんインタビュー|これまで無い力で作りきることが出来た別格の第5話。OP映像のこだわりも【連載09】
2021年10月よりTOKYO MXほかにて放送中のTVアニメ『さんかく窓の外側は夜』。
本作はヤマシタトモコ先生の同名ホラーコミックが原作で、偶然出会った除霊師の冷川理人と昔から不気味なモノを「視て」しまう体質の三角康介がバディを組み、数々の事件を解決していくストーリーとなっています。
このたび、アニメイトタイムズにて声優陣やスタッフを対象にしたインタビュー連載がスタート! アニメーションならではの見どころやキャラクターへの解釈、収録現場の様子などを語っていただきました。
第9回目にお届けするのは、チーフディレクターを務める岩永大慈さん。演出における工夫やこだわりが詰め込まれている過去シーンなど“アニメ制作の裏側”に迫ります……!
観る度に新たな発見や解釈を得られるオープニング
——原作を読んで感じた作品の印象をお聞かせください。
チーフディレクター・岩永大慈さん(以下、岩永):他の作品にはない、独特な空気感のある作品だと思いました。
また、読み進めていくうちに「アニメにするのならこうしてみたい」と思えるアイデアが溢れてくる感覚が強くありました。
そう思えてくる頃には、自分自身もこの作品のファンになっていたんだと思います。
——本作はヤマシタトモコ先生節が効いているホラーコミックが原作ですが、アニメ化するにあたり、どのようなことを意識されましたか?
岩永:上記にも述べました「独特な空気感」にも通じるのですが、ホラーコミックであるが故の不穏当さと、もう一つのテーマとして感じていた「愛」の二つを、どの様に一つの画面にするかを考え続けていました。
——実際に映像をご覧になっていかがでしたか? TVアニメの放送回が進むたびに改めて感じるアニメーションならではの本作の魅力をお聞かせください。
岩永:原作と異なるアニメの武器として、動き・声・音楽・色など様々ですが、あくまでヤマシタトモコ先生の描かれた原作の世界観を表現するための武器として考えていました。
ですので本作の魅力は原作のコミックとほぼ同じかと思います。
強いてあげるとしたら、アニメは漫画と違い、観るペースを視聴者ではなく映像が支配しているため「分かりやすさ」は意識して制作してあります。
——OPの絵コンテと演出を担当されていますが、こだわった点や工夫した点があれば教えてください。
岩永:OPの映像では、当然ですがおよそ90秒間、終始こだわって作りました。何度も流れる映像ですので、本編を観ていただいた方がOPを観る度に新たな発見や解釈を得られる様工夫しています。