音楽
「歌い手」の魅力とは?【歌い手を知ろう!・連載第1回】

掘れば掘るほどいい曲が盛りだくさん! アニソンシーンでも勢いを増す「歌い手」の魅力とは?【歌い手を知ろう!・連載第1回】

YouTubeやニコニコ動画などインターネットを軸に活動していた“歌い手”が、徐々にお茶の間に浸透しつつあります。Adoさんの歌う『うっせぇわ』は「2021ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10入り、まふまふさんは歌い手初の「第72回NHK紅白歌合戦」出場が決定。続々とアニメ主題歌のタイアップを果たすなど、その勢いはとどまることを知りません。

読者のみなさんの中にはすでに歌い手が好き、もしくはこれからもっと知りたい! と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで歌い手の理解を深め、歌い手の魅力を探ろう! という本企画「歌い手を知ろう!」がスタートしました!

本稿では、初歩中の初歩である「歌い手とは何か」をベースに、歌い手初心者の筆者が現段階で感じている「歌い手の魅力」、そしてアニメイトタイムズ読者のみなさんもご存知であろう「アニメ主題歌を担当した歌い手」の一部を紹介していきます。

また、読者のみなさんが感じる「歌い手の魅力」についてのアンケートも記事の最後に募集していますので、ぜひみなさんのお気持ちをお聞かせください!

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そもそも「歌い手」って?

YouTubeやニコニコ動画などでボーカロイド曲やアニメソングなどのカバーし「歌ってみた」動画を投稿している人たちの総称として「歌い手」という言葉が誕生したと言われています(諸説あり)。

まだYouTubeが現在ほどの普及していなかった2006年にニコニコ動画がサービス開始し、日本で爆発的な人気を誇っていきます。そこでは一般の方のコミュニティが盛んで、「○○してみた」系の動画が人気となっていきました。「踊ってみた」「演奏してみた」「作ってみた」……など、数ある挑戦企画動画の中にボーカロイドの曲を肉声で歌ったり、人気曲を歌ってみる「歌ってみた」というジャンルが確立していきます。

その「歌ってみた」ジャンルの中で人気になったのが「歌い手」だと言われています。

▼当時の歌ってみた動画の人気曲「メルト」

そこから「歌手」はプロ、「歌い手」は一般人(アマチュア)、と使い分ける意味で「歌い手」の言葉が浸透するようになったそうです。分かりやすく言うと「仕事」か「趣味」かの違いといったところでしょうか。

そういった由来から基本的に、多くの歌い手は顔出しをしていません(当時はネットに顔を出すのが怖いことのイメージが強かった)。代わりに自身をイメージした二次元キャラクターを表に出している人が多い印象です。筆者はこの要素から現在流行しているVTuberの走りなのではないかと感じました。

▼近年ではVTuberの歌ってみた動画も多い

ただ徐々に「歌い手」も形が変わってきており、自身で作詞・作曲したオリジナル曲を歌い、音楽番組への出演やライブの開催、アニメやゲーム主題歌のタイアップなど一般的な「歌手」と変わらない活動をしている「歌い手」も増えてきました。その中には顔出しをしていく人もいます。「歌手」と「歌い手」の境界線の曖昧さを感じる人も少なくないでしょう。

とはいえ、ルーツである動画配信サービスを活用しインターネットを軸に「歌う」活動をしていることは、今も昔も変わりません。なので今後は、「アマチュア」ではなく「ネット発のアーティスト」という認識が広まっていく可能性があるかもしれません。

そもそもの「歌い手の魅力」

今回、人気・話題の歌い手さんを中心にいくつか楽曲を聴いてみた中で、筆者なりに感じた「歌い手の魅力」を3つピックアップしてみました。

①個性豊かな歌声

筆者の中で歌い手の一番魅力だと感じたのは「歌声」です。ハスキーな声や柔らかい声など人それぞれ歌声に持つ特徴がまるで違うため、例え同じ楽曲をカバーしていたとしても全く違う曲に聴こえる不思議。そして歌い手さんの多くは驚くほど音域が広いんですよね。高音~低音の幅が広いということは、さまざまなテイストの楽曲を歌うことができるので、幅広い表現が可能です。

中には歌い手としてだけでなく、声優として活動を始める歌い手の方も最近は増えているようですが、個性的な声を持つだけにシナジーが生まれやすいのかもしれません。

②歌に集中できる

前述したように歌い手の多くは「顔出し」をしていません。その影響もあり、歌や歌声に集中して楽しめるのが魅力の一つだと感じました。①でもお話したように声に特徴のある人が多いため、声を楽しむことに全振りできるんですよね。

高音がキレイすぎて女性かと思いきや男性だった、低音のカッコよさに男性かと思いきや女性だった……みたいなことも多々あり、そういった驚きや意外性などはすごく新鮮。歌声で「どんな人だろう」と想像する作業も一つの楽しみ方かもしれません。

③純粋に歌を楽しんでいる

「歌が好きで趣味の延長線上で楽しんでいたら人気が出てしまった」という人が多いような気がしています。「好きな曲だから歌ってみた」「難易度の高い曲だから歌ってみた」と純粋に歌うことを楽しんでいる様子を見ると、「歌って楽しい!」「自分も歌ってみたい!」とリスナーも同じような気持ちにさせられます。

上手下手に重点を置かず自らが楽しむことを軸にした活動の姿勢は親近感が湧きました。リスナーと身近な存在であることで、応援したくなるだけでなく「一緒に歌を楽しみたい」という気持ちにさせられます。

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