Run Girls, Run! ミニアルバム「Get set, Go !」発売記念インタビュー | テーマは「突破」。原点回帰と新境地開拓の一枚へ
テーマは「突破」
――ありがとうございます。では今回、新しくリリースするミニアルバム「Get set, Go!」について聞かせてください。最初に制作のお話をいただいたのはいつごろからだったんでしょうか?
林:比較的、発表のタイミングと近かったです。
厚木:「え、ミニアルバム!? 何曲ぐらい入るの?」と驚きました。
林:年末くらいから徐々に動き始めていった感じです。
――最初に目を引くのはクリエイター陣の名前ですね。
林:アルテさん(Arte Refact)は『プリチャン』のころから本当にお世話になっていて、「プリマ☆ドンナ?メモリアル」のときに初めてお会いして以来、「TOKIMEKIハート・ジュエル♪」などのみらいの曲も含め、ずっと同じディレクターさんが担当してくださっています。
今回のミニアルバムも同じ方に録っていただいているので、家族というか、チームみたいな感覚で、レコーディングが毎回楽しみなんです。高校1年生のときから見ていただいているので、今回歌ったときは「あ~、大人っぽい歌い方もできるようになったんだね~」と言われました(笑)。
厚木:親戚みたい(笑)。
林:マイクを立てるときも「林さんの身長がだいたいこのくらいだと思って立てたらバッチリでした!」みたいなやり取りもあって。アルテさんとはいいチームとしてやらせていただいているな、と思います。
厚木:レコーディングの休憩中に他愛もない話をしたりと、本当に仲がいいので、私も毎回楽しみにしています。今回のアルバムにはアルテさんがかなり関わってくださっているので、他のメンバーがどんな感じだったのかも話してくださって。「はやまるのソロ曲いいんですよ~」と言われたり、ふたりのことをめっちゃ褒めてくれてなんだか私まですごく嬉しかったです。
一番最初に「蒼穹のBlue Grandia」を収録したのですが、最後のフレーズを歌っているのがもっちーで、「ここ、森嶋さんめっちゃよかったんですよ!」と言われて、自分のことのように喜びました。
森嶋:嬉しい~。
厚木:ただ曲を作るだけじゃなく、私たちにすごく寄り添って一緒に作ってくださるので、よかったな、と思います。
――今回のアルバムは一言で言うならどんなアルバムでしょうか?
森嶋:一言って難しいね。
厚木:全体的なテーマとしては「突破」だと思います。ランガの新しい一面というか、5周年に向けて走り出す、みんなを引っ張っていくような、一歩大人になったランガを見せたい、という思いはあるかもしれないです。
――衣装もこれまでとは雰囲気が違います。レザーも初めてじゃないですか?
林:部分的に使うことはありましたが、ここまでメインとして使うのは初めてですね。
厚木:青が多かったよね。赤と黒のカラーリングも初めてなんですよ。
――今回は表題曲の「RADIANT」をElements Gardenの藤永龍太郎さんがご担当されています。
林:もっちー、すごく喜んでいたもんね。
森嶋:喜びました! 今まで楽曲をいただいていたときも、提供してくださる方の名前を見てテンションが上がっていましたが、そういう衝撃をいつまでも味わえるのはすごくありがたいな、と思いました。大事に歌いたいです。
林:私も奈々さん(水樹奈々さん)に憧れてこの業界に入ったので、一番最初は「え、マジ!?」と驚きました。レコーディングもすごく緊張しました。
森嶋:私も心臓バクバクで歌いました。
林:アルテさんとは長い付き合いでもあるので、「おはようございまーす! やっほー」みたいな感じの気楽なテンション感もありましたが、Elements Gardenさんのときは「おはようございます! よろしくお願いします!!」と。
最初は「3人のキャラ感もあまり分からないので、歌い方とかどういう感じでいったほうがいいですかね?」と相談され、パーソナルな部分も気にしながら録っていただいたな、と感じました。
厚木:本当にすごく丁寧に録っていただいた印象です。「こういう感じでどうですかね?」と実際に歌ってくださって、すごく分かりやすかったです。もちろん言葉でも説明してくださるのですが、まさか実際に歌ってくださるとは思っていなかったので、本当にありがたいな、と思いました。そこまで一緒に世界観を作ってくださることや、初めましてなのに私たちのことを深く理解して、いい曲を作ろうとしてくださる姿勢が、本当に温かいな、と思いました。
――「RADIANT」はどんな曲でしょうか?
林:カッコいい中に苦悩があるというか、「突破」というテーマはこの「RADIANT」に一番表れているかな、と思います。暗闇から段々景色が開けていくイメージで歌うように心がけていました。ラストのサビは一回録ったあとに、もう一回録り直したりもしたので、パンと明るくなる感じが表れていたらいいな、と思います。
森嶋:聴いた瞬間ももちろん好きだと思いましたが、聴いていく中でどんどん好きになっていきました。私って可愛い楽曲を歌っているイメージが強かったようで、レコーディング前にプロデューサーさんから「とりあえずカッコよく歌ってね」と念押し気味にオーダーをいただいたので、カッコよく歌ってみたら、自分的には気に入った仕上がりになりましたし、プロデューサーさんも褒めてくださったので、個人的にはバッチグーだと思います。
――令和でバッチグーと聞くとは(笑)。
厚木:うふふ(笑)。
林:でも確かに、大人っぽい感じだった。
森嶋:嬉しい。この楽曲で新しい面を見せられたと思います。
――デビュー当時からカッコいい楽曲自体はあったと思います。その頃と比べてどういったカッコよさの違いを出しましたか?
森嶋:感情表現というか、苦悩といった気持ちも歌に込められるようになったと思います。「カケル×カケル」のときはカッコよく、まっすぐに思いを乗せましたが、今回は、この2年ぐらいのもどかしさ、苦悩の部分も乗せられました。
――厚木さんはいかがですか?
厚木:ランガで歌わせていただく機会が多いロック。歌詞にもランガっぽさが入っていて、私たちらしい曲になっていると思います。
最後は私たちが5年目の光に向かって走っていくよ、という気持ちのような楽曲になっていますし、MVも後半に向けてポジティブな感情がすごく多いので、ランナーさんにはこれからの私たちを感じてもらえたら嬉しいな、という気持ちで歌わせていただきました。
コロナ禍でみんなになかなか会えなくてもどかしい気持ちになることも多かったのですが、それを経て、有観客でのライブやイベントもできるようになってきて。「5年目本当にいいものにしたいな」とちょうど思っていることに重なる部分が詰まった楽曲です。
――ライブではどのあたりで歌いたいですか?
厚木:めっちゃ悩む!
林:ヒートアップしてきたラストスパートとか。
森嶋:そうだね。ラストスパート合うかも。
――ライブで聴きたい曲ですよね。
林:「さあ行こう」が綺麗にいかないとだから頑張らなきゃ。
――千秋楽ではちょっとアレンジを加えてみたりも楽しそうです。
3人:うわ~、楽しみ。
森嶋:どうしよう、めっちゃ喋り出したら。
――間奏で語りが始まるのもいいですね。
林:確かにライブで楽しめるところでもあるよね。
――2曲目は「蒼穹のBlue Grandia」。まず、タイトルがカッコいいですね。
林:心くすぐられますよね。私がレコーディングをしているときはまだ「蒼穹の」という言葉は入っていなかったんです。「やっぱり「蒼穹」って言葉をタイトルに入れたほうがいいんじゃないか?」と話し合いになって、私が歌い終わった頃に決まりました。
――こちらはどんな曲でしょうか?
森嶋:こちらもカッコいい曲ですが、「RADIANT」とはまた違う、壮大で透き通った空のようなイメージを持っています。後半になるにつれてそれがどんどん大きくなっていく感じで、3人のハーモニーが重なった完成音源を聴いて鳥肌が立ちました。豪華な楽曲に仕上がったと思います。
林:確かに、ひとりで歌っているときとイメージが全然違いました。私は一番最初のレコーディングだったので、曲のイメージを作るために最大限カッコよく歌いましたが、改めて聴いてみると壮大さが加わっていて。
ひとりで歌っているときは歌詞も相まって「悩みながら歌っている」イメージでしたが、3人の声が合わさると「ちょっと広いところに3人でいる」イメージになりました。ライブの踊りがどうなるかも気になります。
森嶋:確かに。見せ方が楽しみだね。
――厚木さんは収録はいかがでしたか?
厚木:私は一番最後の収録だったのですが、最初にプロデューサーさんから「めちゃくちゃ広い空間、朽ち果てた世界に3人しか存在しない、みたいな雰囲気で歌ってほしい」と言われました。「すごく孤独で、ハングリーな気持ちもあるけれど、誰もいない世界なんてすごく幻想的でしょ?」というお話と、ふたりの歌声を聴いて「なるほど!」と思いましたね。
イメージができたところで、「じゃあ厚木さん、トッピングしに行ってください」と言われ、ドキドキしながら歌わせていただきました。
私は元々EDM系の音楽が大好きなので、曲自体がそもそも好きでした。ランガでカッコいい曲は今までもあったのですが、大人っぽいクールさを見せる曲はあまりなかったので、そこも嬉しかったです。3人でずっと「大人っぽさのある楽曲も歌いたいです」と言っていたので、それが形になった瞬間というか、今の私たちの大人っぽさってきっとこれなんだろうな、とすごく思えました。
繊細さやカッコよさもありつつ、ちょっと成長して自立した感じもあったりと「この表情のランガちゃんってなかったな」と思う要素がいっぱいあるので、音量をガンガンに上げて聴いてほしいです!