春アニメ「名探偵コナン ゼロの日常」古谷徹さんインタビュー|昭和、平成、令和で主役を演じ続けてきた古谷さんが語る「安室透は現代のヒーロー」
TVアニメ「名探偵コナン ゼロの日常」が2022年4月4日(月)より放送中です。(Netflixにて4月5日(火)より国内配信開始)
「名探偵コナン ゼロの日常」は、安室透を主人公とした『名探偵コナン』のスピンオフ作品で、安室透(降谷零、バーボン)の日常が描かれています。
青山剛昌さん(原案協力)、新井隆広さん(作者)による作品で、『週刊少年サンデー』(小学館)にて2018年より連載がスタート。コミックスは現在第5巻まで発売され、電子書籍版を含めた累計発行部数は300万部を突破している人気作品です。
本稿では、TV放送を記念して、安室透役の古谷徹さんにインタビュー! 作品の見どころやキャラクターについてはもちろん、14年ぶり主演作への意気込みなど、たくさんお話していただきました。
14年ぶりのTVアニメ主演
ーーTVアニメの主演が14年ぶりとのことですが、主役として参加するお気持ちをお聞かせください。
古谷徹さん(安室透役/以下、古谷):おかげさまで今年アニメデビューから56年になるんですけど、これまで100作品ほど主役を演じてきました。脇役よりも圧倒的に多いです。
主役をやるということは、そのキャラクターの感情にそって物語が描かれるものですから、情報があればあるほど、その役に入り込みやすい。主役は演じやすくて、脇役の方が難しいんです。
TVアニメは14年前に、『キャシャーン Sins』(※1)という作品で、キャシャーン役を演じましたけど、その時も監督からのご指名で主役をやらせていただきました。当時は、この年でもまだ主役ができるんだとすごく嬉しかったですね。
主役を演じる機会としては、『キャシャーン Sins』が最後じゃないかと自分では思っていましたし、それがここに来て、こんな形で主演をやらせていただけることになって本当に嬉しかったですね。多分これで最後になると思います(笑)。
あと、もうひとつ思ったのは、昭和、平成、令和で劇場版アニメの主人公を全てやらせていただけたことです。去年『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』(※2)というサウジアラビアとの合作アニメーションで主役をやらせていただいて、達成できたんです。
TVシリーズのアニメに関しては、今回の作品で運よく達成できました。なかなかそういう声優は他にはいないんじゃないと思います。自分では「良く頑張ってきたなぁ」とつくづく思います。
※1『キャシャーン Sins』:2008年から2009年まで放送されたTVアニメ。古谷さんはキャシャーン役を演じた。
※2『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』:日本・サウジアラビア合作のアニメーション映画。古谷さんは主人公・アウス役を演じた。
ーー歴史的な記録ですね。
古谷:おかげさまで、本当に強運でした。
安室透としての出演で夢が叶った
ーー古谷さんにとって、『名探偵コナン』はどのような作品ですか。
古谷:僕は『名探偵コナン』という作品のもともとファンでしたし、その作品で大きな役目を担うことになったキャラクターで参加出来たのは、光栄ですし、夢が叶いました。
安室透が出てくるまでは、『名探偵コナン』には犯人の役でしか出演していなかったんです。それでも嬉しかったんですけど、それがこんなかっこいいイケメンキャラクターをやらせていただけて、しかもコナンくん(CV:高山みなみ)と相棒のように事件を解決していくのは、本当にとても嬉しいですね。
ーー今回「名探偵コナン ゼロの日常」では、主人公の安室透役を演じられますが、アニメ化されると聞いた時の感想をお聞かせください。
古谷:『名探偵コナン』の中では、脇役である安室透がスポットを浴びて、こんなスピンオフという形で主人公のマンガができあがり、さらにアニメ化されることになりました。
これは安室透のファンの方がたくさんいて、人気があるということの証ですから、僕にとってはものすごく嬉しいことでした。ただ、もちろんワクワクしていましたけど、コミックスが大ヒットしたので、責任が重大だなというプレッシャーもありました。
ーー作品の印象についてお聞かせください。
古谷:任務や事件と関係のないところの日常が描かれていたので、最初に思ったのは、安室透の表情が穏やかで、タッチがソフトな感じという印象を受けました。
それでいて、ところどころ警察学校同期組(※3)に思いを馳せたり、あまり見せたことのない淋しい表情や孤独感も描かれていたりと、安室透の魅力が増した気がしました。
※3警察学校同期組:『名探偵コナン』のスピンオフ作品『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』に主に登場するキャラクター。警視庁警察学校で、降谷零と同期の松田陣平(CV:神奈延年)、伊達航(CV:東地宏樹)、諸伏景光(CV:緑川光)、萩原研二(CV:三木眞一郎)。