劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』レビュー　アニメ『輪るピングドラム』を知らない私は観終わってからずっと頭から離れないほど、幾原監督の不思議で美しい世界へと引き込まれてしまいました！

後編で気になるところをピックアップ！

刺客感強い渡瀬眞悧と夏芽真砂子

映画前編の後半で登場した渡瀬眞悧と夏芽真砂子は一体何者なのでしょうか？　苹果の日記が欲しい理由や真砂子が何を「早くすり潰さないと」と思っているのかも気になります。冠葉と晶馬の行方も心配です！

また、多蕗の妻・時籠ゆりも個人的にはなにかあるのではないかと思います。登場回数も多いですし、苹果の本心を見極められる大人なゆり。彼女については後半でわかることもありますか？

あの日の真実とは？

晶馬が苹果に告げた衝撃の事実であり本作の運命の歯車が狂った瞬間でもある、あの日。高倉両親は何をしてしまったのでしょうか？　それにより苹果の姉・桃果の命は奪われてしまったとのことです。晶馬は罪悪感を感じているようですが、果たして冠葉はどう感じているのか気になります。

桃果とプリンチュペンギンの目的は？

プリンセス・オブ・ザ・クリスタルは「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」と言っていましたが、書庫にいるそっくりな見た目の桃果は「きっと何者かになれるお前たちに告げる」と言っていました。まるで反対のようなことを言っており、これは最後まで観ないとわからないよなと思っています。

また、プリンチュペンギンは赤ちゃんでとっても可愛いなと最初は思って観ていました。しかし物語の後半、「バキュッ」とは鳴かないシーンでの語りが怖すぎます……冠葉を落としかけたり、世界を壊すよう促したり。

一体何をしに幼い冠葉と晶馬に接触しに来たのでしょうか？　そもそもこのお話は桃果も生きているし、回想ではなく未来なのですか？　

運命の終焉とは？　後編が楽しみすぎる！

劇場版で初めて観た『ピングドラム』の世界に魅了されてしまいました。現世でまだ観ていないこんな面白いオリジナル作品があるとは……！　出会えて良かったです。見る視点は定められていますが、キャラクターや世界観に考える余地を残してくれていることが作品の良さだなと感じました。

正直いち早くTVシリーズを観て結果を知りたいです。しかし劇場版の物語を一度完結させるために、後編を観終わるまで我慢します。本当はすっごくすっごく観たいです！　きっと後編を観たらすぐに家に帰ってTVシリーズを一気見すると思います。10年前との違いも楽しみたいです。

あと、高倉家のペンギンたちが個性的でとっても可愛いなって随所で思っていました。特に私は2号を飼いたいです。食いしん坊なので餌代はかかりそうですが瞬時に殺虫してくれるのはありがたい！　一緒に暮らしたいペンギン1位は2号です（笑）

後編の放送は7月22日（金）とまだまだ先。冠葉と晶馬が乗り換えなければならない運命とはなにかをずっと考えながら2ヶ月間を過ごすことになりそうです。今から後編が楽しみ！　物語の終点駅はどこなのか、皆さんと見届けさせてください！

『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』作品情報

前編「君の列車は生存戦略」2022年4月29日（金）公開中
後編「僕は君を愛してる」2022年7月22日(金)公開予定

STORY

これは、ある兄弟妹と、突然やってきたペンギンと、この世界の過去と未来についての物語であるーーー。

病気の妹・陽毬の命を救うため、謎のペンギン帽の命令により「ピングドラム」を探す高倉家の双子の兄弟・冠葉と晶馬。自身の運命を信じて日記に書かれた出来事を実現しつづける荻野目苹果。新たな運命を導くため萃果の日記を手に入れようとする夏芽真砂子。大切な運命の人を取り戻すために目的を果たそうとする多蕗桂樹と時籠ゆり。

彼らはそれぞれの運命と大切な人の為に「ピングドラム」を追い続けたのだった。

あれから10年ーーかつて運命を変える列車に乗り込んだ冠葉と晶馬が、運命の至る場所からひととき戻ってきた・・・。

『輪るピングドラム』とは？

2011年7月にテレビ放送されたオリジナルアニメ『輪るピングドラム』。星野リリィ原案による個性的なキャラクターたちや、「ピングドラム」とは何なのか？という謎が謎を呼ぶ展開、クリスタルワールドなどの独特のビジュアルを使用した世界観で、放送当時大きな話題を集めた。

やくしまるえつこメトロオーケストラとCoaltar of the deepersによる主題歌をはじめ、劇中キャラクターのTRIPLE HによるARBのカバー曲など、音楽面でも高い評価を得ており、今でも多くのアニメファンの間で語り継がれている。

STAFF

監督：幾原邦彦
副監督：武内宣之
原作：イクニチャウダー
キャラクター原案：星野リリィ
脚本：幾原邦彦・伊神貴世
キャラクターデザイン：西位輝実・川妻智美
色彩設計：辻田邦夫
美術：中村千恵子（スタジオ心）
アイコンデザイン：越阪部ワタル
CGディレクター: 越田祐史(スタジオポメロ)
VFX：田島太雄
撮影監督：荻原猛夫（グラフィニカ）
編集：黒澤雅之
音響監督：幾原邦彦・山田陽
音響効果：三井友和
音楽：橋本由香利
音楽制作：キングレコード
アニメーション制作：ラパントラック
製作：ピングローブユニオン
配給：ムービック