まだ奇跡は終わっていなかったーー未完の大作『シェンムー』のアニメ化は盲点？　アニメ『Shenmue the Animation』芭月涼役・松風雅也さんインタビュー

『シェンムー』の舞台、横須賀とのコラボイベント開催中！

――アニメ化を記念して、『シェンムー』と横須賀のコラボイベントが開催中です。

松風：ありがたいことです。ゲームの時は勝手にやっていたので（笑）。今回、聖地巡礼される皆さんのためのガイドマップも作成していただいて、作中に実際登場したドブ板通りのお店はどれなのか、どこにあるのかが紹介されています。しかも作中の絵とお店の写真が並べられていて。

ゲームでは訴えられても大丈夫なように、ちょっとずつお店の名前を変えていたし、東京の竹芝で撮影していたり。これで認めていただけたと思うと正直ホッとしています（笑）。

――ゲームやアニメで描かれていた80年代の横須賀やドブ板通りと今ではどう変わったのか確認するのも楽しそうですね。

松風：そうですね。僕もゲームが発売された当時、プライベートでドブ板通りに来て、
雰囲気を肌で感じていました。このコラボが始まってから横須賀を聖地巡礼されている方が多いそうで、今日も汐入でたくさんの観光客の方をお見掛けしたのも、もしかしたら聖地巡礼の方なのかな？　ぜひ涼たちが過ごした横須賀、ドブ板通りを歩いて、気分に浸っていただけたら。そしてこれを機に世界中の方にも『シェンムー』と横須賀の素晴らしさを体験してほしいです。

松風さんいわく「『シェンムー』は異常なゲーム」!?　長く愛されているのはブレずに理想を貫いた結果

――改めて『シェンムー』という作品の魅力とは？

松風：当時のゲームシーンでヒット作を連発していた裕さんが脳内シミュレーションを繰り返した結果の究極形態がオープンワールドと呼ばれる無限に広がるリアルな世界観で。例えばゲーム内の自動販売機でジュースを買って、飲むこともできるし、実際にそのモーションキャプチャーもやりました。実は炭酸飲料を飲んだ後とオレンジジュースを飲んだ後の声も変えています。そんなところまで誰も気が付かないのに、コーラを飲むシーンでいっぱいNGを出されたことも覚えています。「それは炭酸じゃない」と（笑）。でもジュースを飲んだからといって、パワーが出るとかそういう意味もなくて。異常なゲームですよね（笑）。

壮大過ぎて、発売当時はゲームファンも関わっている僕らも正直、理解できなかったけど、制作スタッフさんたちがブレずに信じた理想を貫いた結果、試みのすごさが評価され、ここまで長く愛される作品になったのかなと思うし、聖地巡礼で横須賀を訪れる方が多いのかなと思います。

――では皆さんへメッセージをお願いします。　

松風：このアニメは『シェンムー』ファンの方だけでなく、初めて『シェンムー』に触れる方でも楽しんでいただけるように作られていますので、まずは気軽に見ていただきたいです。興味を持っていただけたら、ゲームの「1」から「3」まで発売中なので、プレイしてみてください。よりディープな世界に入って、そのまま沼にハマっていただけたら。

掘り下げたり調べるほど、発見や湧き出てくるものがある稀有なアニメだと思いますので、まだ触れたことがない考察ファンの方にもオススメです。

とにかく評判がいいので、まずは見てください。そしてアニメを見て下さっている方はそのまま涼の冒険をワクワクどきどきしながら見守ってください。

[取材・文・写真／永井和幸]

「シェンムー×横須賀アニメ化記念プロジェクト」開催中！

シェンムーゆかりの店舗を中心としたアニメ・ゲームの貴重な資料展や、お買い物キャンペーンを開催します。さらに、遠方の方でもブラウザ上で楽しめる、「名場面ガチャガチャ」や、現地に来ないと回せない「ご当地！名場面ガチャガチャ」キャンペーンなどを実施し、名場面のデジタル素材をDLできるほか、抽選で素敵なプレゼントを差し上げます。なお、プロジェクトは3期に分かれており、展示資料やノベルティを入れ替え予定です。ぜひこの機会にアニメ『Shenmue the Animation』の世界観をお楽しみください。

【開催日】
2022年4月23日（土）～6月26日（日）
　1期 4月23日（土）～5月13日（金）
　2期 5月14日（土）～6月3日（金）
　3期 6月4日（土）～6月26日（日）

【開催場所】
ドブ板通り

【お問合わせ】
横須賀市観光課　046-822-8124

【主催者情報】
主催：横須賀集客促進・魅力発信実行委員会
協力：Shenmue Project、IGN JAPAN

☆詳細はこちら

『シェンムー』とは

1999年にセガの家庭用ゲーム機・ドリームキャストで発売された『シェンムー』は、世界中の数多くのプレイヤーから愛されてきた作品です。

昭和の香るノスタルジックな横須賀を3Dで忠実に再現し、その世界で行動できる自由度の高さは、当時としては画期的でした。リアリティあふれる世界を創出するため、人物や背景はフルポリゴンで作られ、人間の動きをそのまま取り込む「モーションキャプチャー」を採用し、リアルで自然な“動き”を再現しているほか、「タイムコントロール」「マジックウェザー」システムを導入し、作品内でのリアルタイムな時間経過、天候の変化を可能にしました。3Dオープンワールドの元祖、ゲームの歴史を大きく変えた作品の一つとなりました。

アニメ『Shenmue the Animation』作品情報

●TOKYO MXにて、毎週火曜19:00～放送中！
※編成の都合により休止を挟む可能性があります。

●各配信サイトで好評配信中！

ストーリー

1986年、横須賀。芭月道場で生まれ育った芭月涼は、厳格な父のもとで芭月流柔術の腕を磨いていた。

しかしある日、謎の男・藍帝に父を殺され、父が守っていた『鏡』を奪われてしまう。必ず事件の真相を解き明かすと決意する涼。しかし父の過去に通じる手がかりを追い求めるうちに、闇組織の抗争に巻き込まれてゆく……。横須賀から香港を舞台に、涼の長い旅が今始まる！

スタッフ

原案：鈴木裕（YS NET）
原作：セガ
監督：櫻井親良
シリーズ構成：下山健人
キャラクター原案：雨鷹
キャラクターデザイン：石川健介
美術監督：村本奈津江
色彩設計：小島真喜子（スタジオ・ロード）
音響監督：えびなやすのり
音楽：澁江夏奈音楽制作：ウェーブマスター
アニメーション制作：テレコム・アニメーションフィルム
製作：Shenmue Project
オープニングテーマ：「UNDEAD-NOID」伊東歌詞太郎
エンディングテーマ：「Sympathy」鳴ル銅鑼