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『魔法使い黎明期』梅田修一朗×八代拓インタビュー

視聴者目線でもどかしかった第4話。クドーがどう思っているのかを知ってほしい──春アニメ『魔法使い黎明期』セービル役 梅田修一朗さん×クドー役 八代 拓さんインタビュー

虎走かける先生による原作小説がアニメ化。現在好評放送中のTVアニメ『魔法使い黎明期』は、『ゼロから始める魔法の書』(ゼロの書)からつながっている物語で、『ゼロの書』のキャラクターたちも登場することでも話題となっている。

主人公たちの成長と、魔法が存在する世界観、シリアスさと軽快さを兼ね備えたストーリーに引き込まれてしまう。

魔法学校に通うものの魔法が上手く使えない劣等生でありながら、実は底なしの魔力を持つという主人公セービルを演じる梅田修一朗さんと、トカゲの《獣堕ち》で、高い再生能力を持ち、将来、教魔兵団に入ることを夢見るクドーを演じる八代拓さんに、前半のエピソードを振り返ってもらった。

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魔法使い黎明期
僕は、思い出せずにいる。自分が一体、何なのか――。魔法学校の生徒セービルは、入学以前の記憶がない。自分がなぜここにいるかもわからないまま過ごす学校生活はどこか空虚で、努力の方法も分からないまま、成績は常に最下位だ。そんなセービルに、魔法学校の学長・アルバスは、突如危険な特別実習を言い渡す。「魔女狩りのある地域で、魔法の有用性を広めてほしい」魔女と教会の戦争が終結して数年――世界はまだ、魔女と魔法を完全に受け入れてはいなかった。時は魔法使い黎明期。これは、何者でもない少年が、心に傷を隠した仲間たちと、自分を見つける物語。作品名魔法使い黎明期放送形態TVアニメスケジュール2022年4月7日(木)~2022年6月30日(木)TBSにて話数全12話キャストセービル:梅田修一朗ロー・クリスタス:岡咲美保ホルト:鈴代紗弓クドー:八代拓泥闇の魔女:花守ゆみり傭兵:矢野正明神父:水中雅章アルバス:大地葉ホルデム:加藤将之リーリ:石見舞菜香スタッフ原作:虎走かける『魔法使い黎明期』(講談社ラノベ文庫刊)キャラクター原案:いわさきたかし一部キャラクター原案:しずまよしのり監督・シリーズ構成:桑原智文芸:虎走かける・森田眞由美キャラクターデザイン:岩...

キャラクターの成長をどう演じたのか。そして、アフレコの雰囲気は?

ーー ここまでのエピソードを通して、TVアニメ『魔法使い黎明期』の面白さや魅力はどんなところにあると思いますか?

クドー役 八代 拓さん(以下、八代):ファンタジー作品で、魔法があったり、学園モノであったりするので、とてもポップで読みやすそうな印象を受けるし実際にそうなんですが、同時にすごくディープな問題がたくさん出てくるんですよね。それは差別であったり、国同士の戦いであったりなんですけど……。

そういういろいろな問題があるので、心にズシンとくるものはあるのですが、その中で必死にそれぞれの生き方を貫いているキャラクターたちが出てくるので、楽しみ方がすごくたくさんある作品だと思いました。

セービル役 梅田修一朗さん(以下、梅田):明るいところだけではないんですよね。魔法が出てくるけど、魔法の良いところだけではなくて、この世界では魔法と魔法を使う人がどう思われていたのか、どういう歴史があったのかということがちゃんと描かれていて、歴史背景がちゃんとあるんです。その中で生きているキャラクターを見届けるという意味で、深く見れば見るほど、この世界を楽しめるのかなと思います。

ーー 魔女と人の対立で魔女狩りが行われていたなど、歴史背景を知って見ると、また違った見方ができますよね。ここまでもキャラクターの成長や変化が大きかったと思いますが、ご自身が演じるキャラクターの成長・変化をどう感じましたか?

八代:クドーを演じる上で、大事になってくるのが彼の過去で。見てわかる通りトカゲの姿をした、この世界では《獣堕ち》とされるものなんです。そういう括られ方をしてきたので、小さい頃は散々な目に遭っていたし、誰からもまともに相手にしてもらえず、何なら攻撃をされていたんです。だからまだ人のことは信じ切れないけど、困った人がいたら助けたい。人情は厚いんだけど素直になれないのは、そういう彼の過去があるからなので、そこはすごく大事に演じていました。

ただ、そこからの変化として「信じてもいいかな」という人が身近にできたんですよね。それは彼にとっては大きな変化で、それまでは、信じられるのは自分だけだったけど、セービルやロス先生(CV.岡咲美保)、ホルト(CV.鈴代紗弓)という仲間ができた。そこで、ちょっとした頼り方、甘え方を覚えたのかなって感じがしました。

信じられるからこそできることって、守ることではなく、むしろ甘えたり守られたりすることだと思います。そのほうが彼にとっては大きいはずなので、それを演じながら感じていました。

ーー 過去の話でいうと、子供の頃に教魔兵団の破竜王に助けられていなかったら、どうなっていたかはわからないですからね。

八代:生きていたとしたら、誰も信じずに人を攻撃する側になっていたかもしれない。本当に破竜王に助けられて良かったですよ(笑)。

ーー セービルは第1話では、まったく感情なくしゃべっていましたけど、演じる上ではどうだったのでしょうか?

梅田:第1話はセービルの語り(モノローグ)から始まるので、そこは役者として緊張しました(笑)。おっしゃる通り、何も知らない人がセービルのしゃべりを聞いたら、まったく感情が読めないと思うんです。ただ演じる側としては、セービルには感情がちゃんとあって、感じることもできるんだけど、それを出す手段がわからない、僕だけがセービルとして、それを理解して演じなければいけないというところがすごく難しいなと思いました。

ただ、感情が出せないというのはマイナスな面だけでなく、考えることができないがゆえに、思ったことをそのまま言ってしまうんですね。それは子供と同じなんですけど、結果としてそれがツッコミになったり、ズレとして面白くなったりしていたので、セービルの愛らしい面、面白いところにもつながったのかなと思います。

ーー ホルトとのやり取りは、結構すれ違いも多くて面白かったです。

梅田:ホルトも面白いですし、セービルもホルトによって面白くなるんですよね(笑)。

ーー 感情が少しずつ出せるようになってきたのでしょうか?

梅田:本当に少しずつですね。何かを掴んできたというか。第4話のホルトとの会話で、自分が死ぬの怖くないと言ってホルトを傷つけてしまうんですけど、なぜ傷つけたのかをロス先生とクドーに教わって、そこで初めて人を傷つけてしまったことを知るんですよね。

だから、自分の内面をうまく理解して、それを出せるのかと言ったら、すごく時間がかかることだと思うんですけど、少しずつ表情や接し方に変化は出てきているのかなと思います。

ーー お互いの演じるキャラクターについて、どう感じましたか?

八代:セービルはどう見ても難しいキャラクターなんですけど、毎話、それに対して真摯に丁寧に向き合っている梅田くんの姿は刺激にもなりますし、頼もしかったです。

物語の中心にいるべくしている存在だなって感じましたし、クドーとして見ても、セービルってやっぱり特別なんですよね。気が許せるし仲も良いし、同級生の男の子同士という関係性が築ける大事な存在だなと思います。

それに掛け合っていても楽しいし、絶妙なんですよね。遠慮はないけど気使いはあるくらいの、すごくちょうどいい掛け合いがいつも楽しかったです。セービルも意外とクドーには、はっきり言ったりするので、たぶんクドーも嬉しいんじゃないかなって思っています(笑)。

梅田:セービルとして掛け合っているとき、クドーがセービルに対してどう思っているのかが肌感覚で伝わってくるような投げかけ方を拓さんがお芝居でしてくださるんですよね。でも、セービルは同じ熱量で返せるわけではないので、それを感じて、自分の心の中でうわっと動いたあとに、セービルの感覚でクドーに返すという作業はすごく独特でした。

セービルの感情を出すときの感覚って難しくて、たまにもどかしさを感じるんですけど、そのもどかしさもひっくるめて、クドーとの会話は楽しかったです。クドーがセービル以外のキャラクターと話しているシーンも後ろから見ているんですけど、すごく面白いんですよね。クドーがいるから、ロス先生御一行の空気が面白くなっているんだと思います。

ーー アフレコではロス先生御一行の4人一緒が多かったそうですが、そのときのムードメーカーは誰になるのですか?

梅田:拓さんはすごく柔らかく話を聞いてくれるお兄ちゃんみたいな方で、岡咲さんと鈴代さんは「今のロス先生、面白かったよね~」みたいな話をしたり、近い年代の役者として話しやすかったので、みなさんがそれぞれ過ごしやすい空気を作ってくださっている感じだったんですよね。

八代:いやいやいや! 大前提として4人共結構おしゃべりで、そもそも集まるとにぎやかになるんですよ。でもやっぱり梅田くんの持つ雰囲気が、座組の雰囲気になるんですよね。座長ってそういうもので、そういう意味で彼が温かく色んな人に目を向けながら話題を振ったり、疑問を投げかけてくれるので、みんな仲良くしゃべっていますけど、話題の中心にはいつも梅田くんがいて、しみじみ良い現場だなぁと思っています。

ーー 見た印象的に、ほんわかしているのですが、そのままなのですか?

八代:そのまんまです! ただ、これから掘っていったら邪悪な部分が出るのかもしれない(笑)。

梅田:でも僕はネガティブですし、陰キャ出身ですよ。もしかしたらセブくん(セービルの愛称)の仄暗い感情が奥底にある感じとリンクするのかもしれない(笑)。

(C)虎走かける・講談社/魔法使い黎明期製作委員会
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