ガチ猫の芝居を求められたオーディションに役者魂に火が!?　アニメ『夜は猫といっしょ』フータくん役・日野聡さんインタビュー

フータくんを通して猫への理解を深めている最中。キュルガとの関係性はまるで漫才コンビ!?

――演じるフータくんについての印象と、ご自身との相違点を挙げるとすれば？

日野：フータくんは、キュルガが家にやってきたことで、猫の生態を少しずつ理解しながら毎日を過ごしていくわけですが、僕も猫には詳しくなくて。作品を通して理解を深めているので、フータくんとシンクロしている感覚です。僕自身、親戚のうちの猫と触れ合う機会はあったけど、ずっと一緒にいるのと、時々会うのとでは見えてくるものも違うと思うので、収録のたび、新しい発見があって楽しいです。

――フータくんはキュルガの一挙手一投足をじっくり観察するような興味津々な様子がコミカルで微笑ましいです。

日野：フータくんの気持ちがとてもよくわかります。僕も犬を飼っていた時はまじまじと見ていましたから（笑）。寝ている姿とか、帰ってくるのを察知して玄関前で待ってくれていたり、人間とは違う動物独特の動きや感覚があるから見ていて飽きないんですよね。フータくんもキュルガの行動の一つひとつが楽しくて、つい見てしまうのでしょうね。

――キュルガの行動は予測不能で、フータくんに近づいてきたり、甘えることはあまりないからこそ、時たま喜ばせるようなことをしてくれると嬉しいんでしょうね。

日野：そんななかでも、キュルガとフータくんはお互いの意思疎通がうまくできているのかなと思ってます。「かまってほしい」、「かまってあげよう」、「もう飽きました」みたいなやり取りも漫才芸人のコンビのようで、ボケとツッコミみたいに、うまくバランスが取れていると思います。

――演じる際に意識したことやアドバイスやディレクションで印象的だったものはありますか？

日野：特にこちらがイメージしてやった芝居が違うとは言われていないので、そこをベースにして、ほのぼのとした夜という空間を意識して。ただギャグに寄せ過ぎてしまった時には「もっと日常的な雰囲気を出してください」というディレクションをいただくことがあります。

――フータくんは喜怒哀楽の感情をあまり出さないタイプなので、演じるのが難しそうですね。

日野：お芝居はフラットに近い感じです。この作品で立たせないといけないのはキュルガで、キュルガのかわいさやおもしろさを邪魔してはいけないと思っているので、抑えるところは抑えるつもりでやっています。個人的には肩の力を抜いて、素の自分に近いテンションでまったりとやらせていただいています（笑）。

ピーちゃんみたいな妹がいたら心配!?　演じた中でお気に入りのキュルガのシーンは？

――妹のピーちゃんの印象をお聞かせください。

日野：ピーちゃんも独特な妹ですね（笑）。キュルガ、フータくん、ピーちゃん、みんなマイペースですが、それぞれうまくバランスが取れているのではないでしょうか？　でも自分の妹がピーちゃんみたいな子だったら、「大丈夫？」と心配するとは思いますけど（笑）。

――収録も順調に進んでいるそうですが、ここまで収録した中で印象に残っているシーンを挙げるとすれば？

日野：キュルガのシーンはどれもかわいくて。その中でもキュルガがイスの間に入って、お腹がたぷんとしているエピソードはかわいかったですね。「猫は本当にこんなことするのかな？」と思いましたが、本当にあるなら見てみたいです。

あと原作のなかの、「ダルマさんが転んだ」をするシーンはTVの動物番組でも似たような場面を見たことがあって印象的でしたし、手に輪っかをつけると首を突っ込んでくるシーンは「小さな箱があると入りたがる習性からかな？」と考えたりしながら楽しく読んでいました。