音楽
halca『Engage Kiss』『邪神ちゃん』8thシングルロングインタビュー

halca『Engage Kiss』『邪神ちゃん』の主題歌をタイトルにした初の両A面シングル『誰彼スクランブル / あれこれドラスティック feat. 鈴木愛奈』インタビュー|「いろいろな人の愛と優しさが詰まった、激しく、とんでもないシングルです!」

宝探しを楽しんでほしい!

――「誰彼スクランブル」「あれこれドラスティック」の中には、「Question1」など共通するワードが入っていますね。

halca:そうなんですよね!今おっしゃってくれた<Question1>のところは「誰彼スクランブル」では<Question1「人間に意味はあるか?」になっていて、「あれこれドラスティック」だと<Question1「意味はあるか?」ってあっちの世界の話!>と歌っていて。さらに「誰彼スクランブル」では<全員ぶっ飛ばすわ>、「あれこれドラスティック」では<ほらほら蹴っ飛ばそうぜ>って言っていて……仕掛けがたくさんあるんです。

今まで自分が歌わせていただいた曲たちの中でこんなに遊ぶことってやったことがなかったので、そういった遊びゴコロも歌っていて楽しいところでした。ファンの方には「あ、こことここ、つながってる!」って宝探しのように楽しんでもらえたらいいなって。

いつも歌うときは子どもの頃の気持ちになって歌っているんですけど、特に今回は遊びゴコロが満載だったので楽しくて。子どもの頃のワクワクするような気持ちを思い出してもらえたらなって思ってます。

――話が前後してしまうのですが、田淵さんにはどのような形でオファーをされたんですか?

halca:田淵さんにお願いしたときはまだ両A面シングルになることは決まっていなかったんです。実は「誰彼スクランブル」は結構前に作っていて。1年半から2年前くらいかな。

――タイアップ曲だと早く歌を用意されることも多いですよね。

halca:そうなんです。『EngageKiss』はアニメオリジナル作品で。オリジナル作品に携わらせていただくことも、田淵さんに曲を書いていただくことも初めてだったので、「誰彼スクランブル」の時点で、面白いこと、ワクワクすることをやりたい!って決めてました。今までも“新しい自分を見せたい”“応援してくれる人にワクワクしてもらえたらいいな”という思いで作ってきてはいたんですけど、「誰彼スクランブル」はそれにプラスして、誰も予想できないようなものにしたいなって。

そのあとに『邪神ちゃんドロップキックX』のオープニングを担当させてもらえることが決まったんです。「誰彼スクランブル」が今まででいちばん難しい曲だったので、これを乗り越えた私は何を歌おうと思って。これは田淵さんに相談してみよう!と。

――なんて相談されたんです?

halca:「誰彼スクランブル」がてんこ盛りな曲だったので(笑)「次はどうすればいいですかね?」って直々にご相談しました。『邪神ちゃん』の曲だから楽しく、明るいものにしたいということと、「面白いことをやりたいです!」って。そしたら「やろう」と言ってくれました。

田淵さんに相談した時点で、『邪神ちゃんドロップキックX』内でも声優を務める鈴木愛奈さんをフィーチャリングアーティストに迎えられることが決まりかけていたんです。田淵さんは「いっぱい人を巻き込んで、とことん面白くしよう」って言ってくれて。それで、その時に最近田淵さんがいいなと思っているバンドマンの方がいると教えてくれたんです。聴いてみたら「好きかもしれない!」って。それが林直大さんだったんです。曲は林さんに大筋書いていただき、田淵さんと一緒に作ってもらって。歌詞は田淵さんに書いてもらいました。

この2曲をメインで書いた方は違うんですけど、田淵さんが可愛がられている方なので、パッと聴いたときに「田淵さんの曲っぽい!でもどこか違う!」という印象がありました。対にする曲にはぴったりだなって。

――歌詞を読まれたときはどのような印象がありました?

halca:私、もともと天使、悪魔、教会とか、そういうシンボルに憧れがあるんですよ(笑)。すごく軽い気持ちで申し訳ないんですけど、中二病心をくすぐられます。だから、邪神ちゃんのファンの人たちのことを邪教徒と呼んでいるところにすごく憧れがあって! 

そんな『邪神ちゃん』ならではの要素を入れたいなと思っていたところ、田淵さんが<Mygod>などの言葉を入れてくださっていて。歌詞の中に表現するギリギリを攻められたと思うんですけど、天使たちも出てくる『邪神ちゃん』だからこそ許される、楽しめる歌詞になってると思います。Bメロはヘドバンしているんだろうなってイメージもあって。ヘドバンの動きって、崇めている感じがあるじゃないですか。

――確かにそうですね!

halca:そこの親和性がすごいなと思って。「絶対にこの歌詞でいきたい!」と強くお願いしました。

――制作も和気あいあいとされていたんでしょうね。

halca:林さんのTwitterが独特で面白くて、お会いできるのを楽しみにしていました。制作のときにも来てくださって。予想通り面白い人でした(笑)。その面白さが『邪神ちゃん』に合ってるなって。

――『邪神ちゃん』とは長いおつきあいですよね。だからこそできるhalcaならではの曲というか。

halca:すっごくお世話になっています! 『邪神ちゃん』は第二期のオープニング「時としてバイオレンス」でもお世話になって。アニメの担当が終わったあとも、『邪神ちゃん』の中のユニット・フォーリンポップさんの新曲「Calling HOPE」の作詞を手がけさせていただきました。

「時としてバイオレンス」は私自身はじめてのオープニングテーマだったんです。
今回の「あれこれドラスティック feat. 鈴木愛奈」では、二期でやらせていただいた時に大事にしていたポイントと、一期のオープニングテーマ「あの娘にドロップキック」(邪神☆ガールズ)をリスペクトして、にぎやかな感じにしました。

――なるほど!「あの娘にドロップキック」も楽しい曲ですもんね。

halca:「あの娘にドロップキック」は私もすごく好きな曲で!みんなでわちゃわちゃ歌って、掛け声やツッコミがあって、本当に楽しい曲です。

急遽鈴木さんのパートを追加!妥協なき制作

――フルサイズで聞かせていただいたとき、「あれこれドラスティック feat. 鈴木愛奈」はフィーチャリングというより、デュエットに近いような感覚がありました。これは意図的なものだったのでしょうか。

halca:ひとりでもしっかり歌えるけど、ふたりで歌っているからこそこの曲が盛り上がるんだよ、ってイメージにしたくて。だから私がひとりで歌っても、仮に愛奈さんが自分のライブで歌ったとしても格好いい曲にしたいなと思っていました。

――鈴木愛奈さんとのエピソードもぜひおうかがいしたいです。

halca:順番的には愛奈さんのレコーディングが先だったんです。具体的には、私が愛奈さん用の仮歌を私が先に歌って、それを愛奈さんにお渡しして練習していただいて。そのあと、愛奈さんの本番のレコーディングがあって、私の本番のレコーディングがあって、という感じでした。……で、実はもう一回愛奈さんのレコーディングがあったんです!

――おかわりが!

halca:そうなんです(笑)。いろいろありまして……フィーチャリングとしてアーティストさんをお迎えするのが初めてで。フィーチャリングで参加していただく場合、BメロやCメロを丸々お願いするってことが多いイメージがあったので、最初はそんな要領で「このパートをお願いします」と伝えていたんですが……。

ラフミックスを作ってみたら、愛奈さんの歌声が想像以上に素晴らしくて。もともと歌声が素敵なことは知っていたんですが、自分との声の相性がすごく良いなって。それで「もっと愛奈さんの歌声が欲しい」と思ってしまって……「お忙しい中本当に申し訳ないんですけど、半々で歌い分けをしたいです!」とお願いしました。それで急遽、再び愛奈さんにレコーディングをしていただいたんです。

――へえ! レコーディング現場にも立ち会われたんです?

halca:はい。どちらも参加しました。2回目のときは私もディレクションのお手伝いをさせていただいて。ディレクションの楽しさにも気づきました。

とにかく愛奈さんの歌のスキルがすごくて! もともとの民謡チックで伸びやかな歌声もすごく良いなと思っていたんです。それに加え、自分と一緒に歌うことで新しい愛奈さんの顔が見えそう!と思っていました。そしたらいつもの良さを出しつつ、新しい愛奈さんの表情が見られるような声を出してくれて。私もやっていてすごく楽しくて勉強になりました。

ちなみになんですけど……愛奈さんパートをあとから追加したので、オープニングテーマのTVサイズの歌い分けの配分と、フルサイズの配分がよく聴くと違うんです! まだ気づいている人が少ないと思うので、そこもぜひ聴いてもらいたいですね。聴けば聴くほど発見がある、そしてもっと仕掛けを探したくなるような曲にできたと思っています。

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