「大ベルセルク展~三浦建太郎 画業32年の軌跡~」ケンドーコバヤシ氏の体験レポートが公開
故・三浦建太郎の傑作マンガ『ベルセルク』の単独大規模作品展「大ベルセルク展~三浦建太郎 画業32年の軌跡~」が、松屋銀座で開催中(9月21日(水)~10月4日(火))です。
本作品展は昨年、東京の池袋から始まり、大阪、名古屋を経て再び東京に戻ってきました。展示内容は、連載時の直筆原稿にカラー原画などを作中の時系列に合わせて展示、各種スタチューやジオラマに三浦氏の仕事場の再現など、貴重な展示物が数多く展示されています。『ベルセルク』という作品の偉大さを噛み締めることのできる貴重な展示会となっています。
本作品展を、大のベルセルクファンであるケンドーコバヤシ氏が体験。その公式レポートが到着しましたので、ご紹介します。
魂をえぐられる「蝕」の大型ジオラマ、圧倒的存在感の巨大ゾッド像
本作品展の目玉は、「蝕」の大型ジオラマだろう。ゴッド・ハンドが現出する異様な空間を再現したこのゾーンは、鬼気迫る迫力があり思わず言葉を失くしてしまう。ゴッド・ハンドのフィギュアも飾られており、その驚異的な造形をじっくりと堪能できる。
ケンコバは、「職場や学校で追い詰められてる人は、このゾーンを通る時は気を付けてほしい。生贄をささげしまいそうになるかも」とこのゾーンの魅力を解説。また、「原作の始まりにこうやってつながるのか」とその構成の上手さに脱帽したという当時の感想を語ってくれた。
そして、「蝕」ゾーンと並ぶ目玉スポットが、クラウドファンディングで1300万円以上を集めて制作された巨大ゾッド像だ。ケンコバの一番のお気に入りのキャラクターがゾッドだそうで、本物を見て大興奮。ケンコバは「今にも動き出しそう、作中みたいに天井突き破って銀座で暴れ出しそうや」とポツリ。
ゾッド関連は原画もフィギュアも充実していた。人間体と使徒の状態の造形物が並べられており、ケンコバもその完成度の高さに感嘆させられていた。
壮絶な場面ばかりではなく、エルフのパックのコミカルバージョン「栗パック」がたくさんいる「栗パックの森」のジオラマなど、癒される展示もあって、緩急バランスの取れた内容となっている。
また、ガッツの大剣「ドラゴンころし」と撮影できるフォトスポットも用意されている。ガッツになりきったつもりでポーズを決めて記念撮影するといいだろう。
時系列でガッツの旅を追いかける原画展示
原画の展示は作中の時系列順に展示されている。三浦氏の緻密な作画を余すところなく堪能できるように見やすく配置されており、ケンコバも食い入るように細かいところまで見つめていた。「見開きの大ゴマとか改めて見るとすごい迫力です。陰影もすごくて、光と影という物語のテーマが凝縮されている」とファンならではの深い視点を披露してくれた。
強烈な印象を与える原画が多いが、ガッツとグリフィスが決闘する名場面の美しいシーンや妖精郷の原画など、息をのむ美しい原画も数多く展示されている。どれもこれも見逃せないものばかりだ。さらに、原画以外にもフィギュアなどの造形物も豊富に展示されていて、作品を立体的に楽しませてくれる。
ケンコバがアニメで声を担当した30人斬りのバズーソの原画も展示されていた。「10年前に声をやらせていただいて、バズーソはお気に入りじゃないんですかとよく聞かれるんですけど、ギリギリ、モブ脱出したようなキャラですからね(笑)」と笑いを誘うケンコバだが、大ファンの作品に出演が叶ったことはやはり嬉しかったようで、発表会の時、三浦先生から「『大変な衣装を着てくださってありがとうございます』との言葉をもらって嬉しかった」と述懐してくれた。
ケンコバ演じるバズーソは、10月から放送されるテレビアニメ『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』の冒頭に登場するので要チェックだ。そのテレビ放送に関して、ケンコバは「地上波で流れると聞いて若干心配しています。ブッチャーやタイガー・ジェット・シンが出てた頃の全日(全日本プロレス)よりも流血量多いでしょ」とプロレス好きらしいコメントで、アニメ放送の見どころを語ってくれた。
また、単行本の表紙群も展示されている。ケンコバ一番のお気に入りの表紙は12巻のフェムト誕生が描かれたものだそうだ。「ヨーロッパの美術館に飾ってあっても全く違和感ない」と絶賛。単行本の表紙を見ていたケンコバは「まだ僕が芸人として売れてない時代から読んでいたマンガなので、僕の芸人歴とも重なるんですよね。ちょっとほろっとしてきました」と本作を読んだ時の思い出に浸っていた。
三浦氏の構想部屋を再現
展示の最後を締めくくるのは三浦氏の仕事場の再現コーナーだ。三浦氏はスタジオ我画で集まって作業するスタジオの他、1人で籠って構想を練るために部屋も持っていたそうで、今回再現されたのは構想を練るための部屋だ。『ベルセルク』の物語が生み出された部屋を目の当たりにしてケンコバも感無量といった表情を浮かべていた。机には様々な資料の他、好きなキャラクターのフィギュアなども飾られている。
その隣には、三浦氏の生前のインタビュー映像が流されていた。2020年末に撮影されたものだそうで、本展に対する想いなどが聴くことができる。穏やかな表情で質問に答える三浦氏の姿は、胸が締め付けられる。
充実した展示内容に、ケンコバは「腹いっぱいになった」と感想を最後に語ってくれた。本作品展は10月4日(火)まで、松屋銀座にて開催される。来月の『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』の放送も控えており、再び盛り上がりを見せる『ベルセルク』の魅力が詰まった展示会となっているので、ファンは是非とも足を運んでほしい。
「大ベルセルク展 ~三浦建太郎 画業32年の軌跡~ 銀座Edition」開催概要
会期:10月4日(火)まで好評開催中
会場:松屋銀座8階イベントスクエア
開場時間:午前10時00分~午後8時00分
<9月25日(日)、10月2日(日)は午後7時30分、最終日は午後5時閉場>
※入場は閉場の1時間前まで
主催:「大ベルセルク展」実行委員会
協力:フィールズ
後援:TOKYO MX
展示協力:株式会社謙信(ART OF WAR) 株式会社プライム1スタジオ 株式会社マックスファクトリー
大ベルセルク展公式サイト
大ベルセルク展公式Twitter(@B26478213)
©三浦建太郎・スタジオ我画/白泉社