声優・アーティスト梶原岳人さんの2ndミニアルバム「ロードムービー」発売記念インタビュー|よりリアルな心情を描いた、人生に寄り添えるようなアルバムに
学生時代の制作曲に込めた想いとは
——2020年11月25日にアーティストデビューをしてから約2年が経とうとしています。デビュー当時と現在で変わったなと思うところはありますか?
梶原:ちょっとずつ皆さんに自分のやりたいことや目指していきたい方向性を固められたというか、下地を作れてきたかなと思います。
自分の楽曲や雰囲気を好んでくれる方が集まってきてくれて、今新しくやれることや自分が本当にやりたいこと、自分そのものを出しやすくなっているように感じます。
気持ちとしての変化というよりも、自分がよりやりやすくなっている環境の変化が大きいです。
——そのような変化から、今回のアルバムには梶原さん自身で作詞作曲をした楽曲が2曲収録されています。作詞作曲自体が本当にすごい才能だと思うのですが、梶原さんはどのように楽曲を作ったり、歌詞を書いたりしているのでしょうか。
梶原:生まれたときから音楽に触れてきたので、普段から親しみがあるからこそ出てくるものがあるのかもしれません。
小さい頃からピアノをやっている人は考えなくても弾けたり、スポーツをしてきた人は目をつぶってもできたり、そういう感覚に近いんじゃないかなと。
ありがたいことに、音楽と触れ合う環境の中で成長してきたので、今自分でもそこまで考えすぎずに作詞作曲ができているんじゃないかなと思います。
あと、もともとバンドをやっていて、オリジナル曲をやるときに自分で楽曲を作ることもあったので、作曲自体にそこまでハードルはありませんでした。
——学生時代といえば、今回のアルバムに収録されている「わすれないように」は学生時代の卒業制作の映画制作時に作曲をアレンジしたものだそうですね。
梶原:大学時代の課題制作の中で友人たちと1つの映画を作ろうとなったときに、僕は出演する側で出ていたんですけど、監督の子が歌もやってほしいと言ってくれて、その映画のストーリーを踏まえて制作した曲がこの「わすれないように」です。
その映画は人間と犬の話でして、主人公の子が失ってしまった犬を忘れられずに過ごしていたけど、周りの助けもあって少しずつ悲しみを乗り越えて前へ進むというストーリーになっています。
僕も実家でペットを飼っていたので自分の環境に当てはめながら考えて、これは誰しもぶつかる問題なのかなと。乗り越えなきゃいけない現実と、忘れたくない、残しておきたい気持ちも確かにある。
その気持ちは自分の中で大事にしていきたいものとしてずっと残しておいても良いと感じますし、変わらずに支えてくれたペットや家族の存在をイメージしながら、“いつでも帰れるような場所”のように曲を作りました。
——梶原さんにとっては、思い入れが強い楽曲なのですね。
梶原:そうですね。当時のことをよく考えながら曲を作りました。ペットを含め、家族という存在はやっぱり特別な存在ですし、当時は大学生だったので今とはその感覚がちょっとだけ違かったと思います。大人になった今は、“支えてくれたもの”のありがたさをより感じています。
自分が今過ごしている中で、実家の両親や犬に会える機会もあまりありませんし、たまに帰ったときには「老けたなぁ」と思うこともあって。そういうのを実感したとき、本当に時間を大切にしていかなきゃいけないなと思いました。
いつまで経っても刻んでいかなきゃいけない、忘れたくない記憶として残しておきたいという想いが、この楽曲に込められています。