
元宝塚トップスター・珠城りょう×声優・千葉翔也が“朗読ミュージカル”を語る|『「Unrequited Love」〜マクベスを殺した男〜』仰々しい内容かと思えばコミカルなシーン、そして歌まで!? お二人にとっても初挑戦のことだらけ
リードピアの最新作となる『朗読ミュージカル「Unrequited Love」〜マクベスを殺した男~』が、10月15日(土)・16日(日)に開催されます。
本作の主演を務めるのは、元宝塚歌劇団トップスターで現在ドラマなどにて活躍中の珠城りょうさん。今回が朗読劇初挑戦であり、作中では男役のバンクォーと女性漫画家の二役を演じます。
そして、脇を固めるのは声優の千葉翔也さん、モーニング娘。OGの高橋愛さん、女優の宮菜穂子さん。全4名がW・シェイクスピアによる四大悲劇の1つ「マクベス」を題材にしたオリジナル作品をお届けします。
そこで、アニメイトタイムズでは、珠城りょうさんと千葉翔也さんにインタビューを実施。女優×声優というそれぞれの立場から本作の見どころを語っていただきました。
アニメ好きの珠城りょうさん、そして生粋の宝塚ファンである千葉翔也さんのお二人から紡がれる“好きトーク”は止まらない……そんな大ボリュームの対談をお届けします!
皆さんが思っている以上に朗読ミュージカル!?
——元宝塚歌劇団の玉城さん、そして宝塚ファンである千葉さんの対談インタビューということで、本日はよろしくお願いいたします!
珠城りょうさん(以下、珠城):そうでした! 千葉さんは宝塚歌劇団のファンでいらっしゃるんですよね。公言していらっしゃるんですか?
千葉翔也さん(以下、千葉):もう公言しちゃってます。この現場ではまだ好きだということを伝えていませんでしたが(笑)。
珠城:本当に嬉しいです。ありがとうございます!
——後ほど、その辺りを詳しくお伺いするとしまして……まずは、今回の朗読劇への出演が決まったときの感想をお伺いできればと思います。珠城さんは宝塚歌劇団を退団されてから初の朗読劇挑戦ということですが、心境はいかがでしょうか?
珠城:初めて朗読劇に挑戦させていただきますが、演じるという点ではこれまでやってきた表現とベースは変わらないかなと思っています。
ただ、朗読になると他のミュージカルとは違って、派手なパフォーマンスがなくなる分、声の抑揚やそういったもので表現していかなくてはいけないんじゃないかなと。そういう意味では、自分にとって新しい挑戦です。
また、一人で二役を演じますが、蓋を開けてみたら三役と役割が増えていました(笑)。そこも丁寧に演じ分けていけたら良いなと思っていますし、キャストの皆さんも本当にいろいろな現場でご活躍されている方々ですので、とても楽しみです。
千葉:本当にメンバーが豪華すぎて僕自身も戸惑いました。あと、出演者の中で男性は僕だけなんです。
珠城:そういえばそうでした(笑)。
千葉:そうなると、朗読の中で男性という役柄の要素が結構重要なんじゃないかなと。そういう経験がなかったので、頑張らなきゃいけないなと身が引き締まる思いでした。
でも、脚本をいただいたらそういうわけでもなく、珠城さんや他の皆さんのいろいろな幅の広さやご本人の素敵な要素をちゃんと反映させる役の割り振りになっていたのでなるほどなと思いましたし、同時に「これは朗読劇か?」という疑問も……。
珠城:あはははは。さっきも(お稽古場で)おっしゃっていましたよね。
千葉:はい。基本的には、棒立ちか座ってスタンドマイクでやるのが朗読劇だと思ってこれまでやってきたので、どういう感じになるんだろう?と。単純に台本を置いてセリフを言うシーンもあるんですけど、やったことがなかったので本当に未知の世界です。
珠城:確かに。皆さんが思っているよりも朗読ミュージカルです。千葉さんと一緒で、脚本をいただいたときに、台本を置いたり歌ったりするシーンがあってびっくりしました。
朗読劇は初めてですが、これは朗読劇の中でも新しい試みなんじゃないかなと思います。そういう意味でも、とてもワクワクしていますし、逆に普通の朗読劇に慣れていらっしゃる方は今回の舞台が大変なんじゃないかなと……。
千葉:そうですね。距離感の作り方が難しい感じがします。マイクの前に立って演じる場合、自分に声をかけてきた人が遠めの声になっていると自分も遠めの声にして合わせたり、距離を作るときには自分から声を抑えたり、距離感を“音”で作ります。
でも、今回の舞台は視覚的というか、体で距離感を表現するので、自分にとっても初めてのことでした。逆に、距離感のことを頭で考えなくていいので、声にのせやすいところはありますが。
珠城:今日、お稽古の合間にちょっと雑談をしていたんですけど、そのときに千葉さんがおっしゃっていた“マイクの距離感を自分で測る”ということが、私がいた世界とは少し違うなと。
コンサート形式だとハンドマイクを使うこともありますが、ミュージカルはヘッドセットが基本なので、音響さんが調節してくれるんです。
千葉:そうなんですね!
珠城:他のキャストの皆さんとの声量のバランスは音響さんの仕事だったので、声優さんは自分でマイクの距離を測ってやっていらっしゃることが本当に新鮮で、お話を聞けてすごく面白いなと思いました。
千葉:それも人によるかもしれません。小さい声でもマイクに近づけると録音した音としては波が大きくなったり、逆に大きい声を出してもマイクから離れたり、マイクにのる発声ができていないとのらなかったりします。
珠城:なるほど……こういうお話って、やっぱり声をメインにやってらっしゃる方じゃないと聞けないので、やっぱり面白いですし興味深いです。
——お互いに新しい世界に触れていらっしゃるんですね。
珠城:本当に新鮮です。今日も初めてお会いして自己紹介をなさったときから「すごい!声が通る!」と思っていました(笑)。
千葉:いやいやいや! すごく恥ずかしかったです(笑)。
珠城:声優さんって違うんだと思いましたし、普通に喋っている会話でも声が通るんだなとびっくりしました。今回のようなお仕事じゃないと、きっと声優さんとご一緒する機会がほとんどないと思うので、とても良い経験をさせていただいているなと感じます。