『ポプテピピック TVアニメーション作品第二シリーズ』OPテーマ「PSYCHO:LOGY」蒼井翔太さんインタビュー|聴けば聴くほど『ポプテ』らしさを感じる曲に
時事ネタや、同一話数内で同じエピソードでの違う声優出演や蒼井翔太さんが実写で出演したりと、何かと話題になったアニメ『ポプテピピック』(原作:大川ぶくぶさん)の第二シリーズが10月から放送開始! 今シリーズの第1話OPも蒼井さんが実写出演する特撮風の映像とキャラクターソング「Endless Love」で度肝を抜かれました。
そんな注目作のOPテーマ「PSYCHO:LOGY」を歌うのは蒼井翔太さん。EDM風のエッジが効いたサウンドに、オペラ風に歌うパートありと、カッコよさとカオスが同居した意欲作です。
初めて2話で流れましたが、初オンエアの10月9日よりデジタル配信が始まっています。『ポプテピピック』らしくもあり、蒼井翔太の今を描いたような曲と語る「PSYCHO:LOGY」について、そして2023年1月より全国4カ所をまわるライブツアーへの意気込みなど語っていただきました。
アニメ『ポプテピピック』がバズったのは「カオスだったから」? 放送後には蒼井さんに助けを求める声続出!?
――アニメ『ポプテピピック』の放送が始まると多くの人に衝撃を与え、大きくバズりましたが、その要因はどこにあると思いますか?
蒼井翔太さん(以下、蒼井):いい意味でのカオスさが皆さんのハートに刺さったのではないかなと思います。第1期のラストも大団円で終わったと思いますが、皆さんの「もっと欲しい!」という声が広がり、高まったことで今回の第2期に繋がったのかなと。
――ギャグや時事ネタもあり、「気軽に楽しんでください」という感じですが、『ポプテピピック』は何をやらかすかわからない危うさがあって、むしろ毎回目が離せなくて気軽には見られませんでした(笑)。
蒼井:次にどうくるのか、考えるのが楽しいし、想像力をかきたてられて。しかもその想像力を軽々と超えてきて。
――今までの出演作の中でも一番オンエアや反響が気になった作品では?
蒼井:そうですね(笑)。正直どんな作品なのか、よくわからないまま収録に臨んで、「どういうふうに流れるんだろう?」とか「どう撮影するのかな?」と気になりましたが、求められたことをただ全力でやるだけでした。
――出演された回がオンエアされた後の反響はいかがでしたか?
蒼井:「蒼井翔太の家族を解放しろ!」とか「弱みを握られているのでは?」という都市伝説が生まれていますね(笑)。第1期では蒼井翔太が絶体絶命のピンチを救ったので、僕が知らないところで『ポプテピピック』以外でも作品の主人公や世界観が窮地に陥った時、「蒼井翔太を呼べ!」とか「蒼井翔太が助けてくれるはず」とツイートされたりして。『ポプテピピック』に実写で登場した蒼井翔太の印象が皆さんの中に大きく残っているんだなと感じています。
第二シリーズOPテーマ担当のオファーは蒼井さんへの挑戦状!? 「PSYCHO:LOGY」は聴けば聴くほど『ポプテ』らしさを感じる曲に
――今回の第二シリーズでは、まず1話のOPが特撮風の実写映像で蒼井さんが歌う「Endless Love」に驚かされましたが、実は2話以降のOP曲が本当のOP曲だったとは? OP曲のオファーがあった時の感想をお聞かせください。
蒼井:もちろん驚きましたが、お話をいただいた瞬間にすぐどんな曲にしようか考えていました。第1期で上坂すみれちゃんが歌ったOPテーマ「POP TEAM EPIC」が『ポプテピピック』の世界観をすごく表していたので、僕も作品の世界観を詰め込んで、しっかりと受け継ぎたいなと思いました。でも同じテイストではない形で楽しんでいただけるように、意外なギャップや皆さんの耳にひっかかる曲にしたいなと。
――アニメの制作サイドからのリクエストやオーダーはあったのでしょうか?
蒼井:「何も縛られずに自由に作っていただいて大丈夫です」と言っていただいたので、第2期がどんな感じになるのかはわからないけど、第1期から感じたイメージから「こんな楽曲にしたいです」と提案して作らせていただきました。
――この作品の主題歌についてはオーダーがなく、自由に作るほうが難しいのかなと。むしろオーダーを受けたほうがやりやすかったのでは?
蒼井:僕は挑戦状を受け取った気分でしたし、原作の大川(ぶくぶ)先生やアニメのスタッフさんたちの期待を感じました。OPテーマは作品を盛り上げる1つの要素ではあるけど、ぶっ飛んだ作品だからこそ、楽曲も対抗できるくらいのパワーやインパクトがあるものにして、ガチンコ勝負することで、よりアニメへの興味が高まってくれたらいいなと思っていました。
――作品が何でもアリだから、楽曲も何でもアリだなと思っていましたし、蒼井さんもどんな方向にも振り切れるアーティストなので、すごく楽しみでした。実際にOPテーマ「PSYCHO:LOGY」を聴いてみたら、まったく想像していなかったカッコいい曲でした。
蒼井:本当ですか? 第1期の「POP TEAM EPIC」がデジタルサウンドで、カッコよさはあるけど、すみれちゃんらしさもある、かわいい曲でしたが、今回はどこまでカオス感が出せるかや、ぶっ飛べるかを追求してみました。その結果、オペラ調の歌い方を組み込んでみたり。皆さんが聴いて驚いてくださったのであれば嬉しいです。でも『ポプテピピック』らしくない曲を作ったつもりはまったくなく、聴けば聴くほど、『ポプテピピック』らしさを感じていただける曲になったと思っています。
――そして蒼井さんらしさも前面に出ていて。蒼井さんの挑戦作や意欲作だからデジタルシングルとしてリリースされたのかなと思ったくらいで。
蒼井:僕自身、初のデジタルシングルでもあるし、挑戦しつつ、おもしろいものを作りたい、皆さんが一度聴いただけで耳に残るものにしたい、そしてアニメで流れるTVサイズを聴いたら、フルで聴きたくなる曲にしたいという想いはありました。
作品のカオスでデンジャラスさをサウンドやオペラ調ボイスで表現。
――蒼井さんらしいEDMナンバーで、スピード感あふれるワイルドさがありながら、Bメロやサビではオペラ風の歌い方をしたり、1曲の中にいろいろな要素が詰め込まれていて。複数の曲を合体させたような豪華さがあります。
蒼井:ありがとうございます。元々、オペラ調で歌いたいというところから始まって「こんな構成でお願いします」という要望を出させていただきました。またこの曲は最近お世話になっている作家の皆さんに作っていただいたので、合体という言い方もあながち間違いではありません。その結果、蒼井翔太史上初の大人数のクレジットになりました。作っていただいた皆さんにも「渾身の1曲」と言ってくださったので、皆さんの想いや意志を背負い、『ポプテピピック』を思いながらレコーディングした自信作です。
――構成も基本のA、Bメロ、サビ、Dメロという流れではなく、境目がわからない、シームレスで、同じパートが一つもない不思議な楽曲だなと。
蒼井:そうなんです。2番にしか入っていない音色もありますし、『ポプテピピック』のカオスでぶっ飛んでいて、デンジャーなところも音で再現されています。2番ではブザー音を入れて、「これ以上踏み込んでいけない」という警告にも聴こえるし、ちょっと危ういサウンドにオペラ調のきれいな歌声をのせることで、より危うさが増して聴こえるんじゃないかなと。オペラ調のところは神々しく、蒼井翔太と神が一緒に歌っているようでもあり、ぶっとんだ楽曲になりました。
――後半に長めの間奏がありますが、ライブではダンスゾーンになりそうな。この曲にはまぜこぜ感やハイブリッド感があって、歌というよりもトラックというのがふさわしい気がします。
蒼井:そうかもしれませんね。様々な要素が集まっているから聴くたびに発見があると思うし、いろいろな歌い方をしているから一人で歌っているような感覚もないし、すごく壮大なものを見たり、聴いている気分になってもらえるのではないでしょうか。