『るろうに剣心 最終章 The Beginning』が本日金曜ロードショーにて放送！　真剣を持つ人斬り抜刀斎の鬼気迫るアクション、映像の美しさ、剣心と巴の切なくも繊細なラブストーリー

先週の金曜ロードショーにて放送された『るろうに剣心 最終章 The Final』はいかがでしたか？

緋村剣心の義弟である雪代縁が登場し、かつて剣心の妻だった雪代巴の復讐のため、剣心と熱いバトルを繰り広げました。

なぜ雪代縁が剣心に対して激しい憎悪を抱いていたのか、雪代巴と剣心の間にはどのような想いが渦巻いていたのか、そして剣心の左頬にある十字傷はどのようにしてつけられたのか——。

その真実が、ついに本日金曜ロードショーにて放送される『るろうに剣心 最終章 The Beginning』にて明らかとなります。

雪代巴とのラブストーリー、幕末時代ならではの新しい登場人物、人斬り抜刀斎としての剣心の姿など本作の見どころを紹介していきます！

※若干ネタバレが含まれておりますのでご注意ください。

繊細なラブストーリー

『The Beginning』は原作エピソードでいうと「追憶編」を描いた映画。雪代縁による剣心への復讐のきっかけであり、剣心と雪代巴の切ないラブストーリーです。

本作について大友啓史監督は「孤独な2人の魂に寄り添うような、細心に至る演出が必要とされる繊細なラブストーリー」とコメントされているように、剣心と巴の繊細な心情を少しずつ、ゆっくりと、かなり丁寧に描いています。

2人が強烈に惹かれ合うわけではなく、幕末という時代の中、剣心と巴が共に生活をしていく中で少しずつ生まれていく“新しい気持ち”。繊細な演出はもちろんのこと、幕末時代の剣心を演じる佐藤健さん、そして雪代巴を演じる有村架純さんの精妙な芝居に魅せられます。

大友監督曰く、剣心と巴のシーンに関しては過剰な演出はできるだけ避けたとのこと。そんな2人の繊細なラブストーリーは、本作1番の見どころです。

映像の美しさ

これまでの実写映画「るろうに剣心」シリーズももちろん凄まじい映像の連続でしたが、今回の『The Beginning』は映像自体の美しさがひときわ輝いているように感じます。

今回の舞台は“幕末時代”ということで、少し影がかかっていたり、絶妙な角度とタイミングで光が当たっていたり。光と影の演出によって臨場感が増し、登場人物の想いがより一層伝わってくるような雰囲気に包まれています。

登場人物たちの会話が少なくとも、ただその美しい映像に魅了されるのは本作の見どころ！

中でも注目してほしいのは、剣心が雪の中で敵と戦う最後のシーン。真っ白な雪の中に飛び散る赤い血。そして、巴と剣心のクライマックスは“美の真骨頂”とも言えるシーンです。

切ないラブストーリーと儚い映像に、胸が締め付けられるほど心が奪われます。

幕末時代ならではの登場人物たち

『The Beginning』の舞台は幕末時代ですので、その時代を生きた人物たちもたくさん登場します。

人斬り抜刀斎が誕生するきっかけとなった長州藩志士・桂小五郎を演じるのは高橋一生さん。高橋さんから醸し出される独特な雰囲気に注目です。

安藤政信さん演じる長州藩志士の高杉晋作も存在感抜群。「（安藤さんは）柔らかな魔力がある」と大友監督が高杉役としてキャスティングした理由を語っていましたが、作品を観るとその理由に納得します。

そして、本作にはこれまでの「るろうに剣心」シリーズに登場してきた斎藤一（演：江口洋介）の姿も。幕末時代の斎藤一は剣心と敵対する新撰組の三番隊組長。新撰組のトレードマークである“浅葱色のだんだら模様の羽織”を着ている姿は新鮮です。

また、斎藤一と一緒に剣心の前へ現れるのが、新撰組一番隊組長の沖田総司（演：村上虹郎）。人斬り抜刀斎・剣心 VS 天才剣士・沖田のアクションシーンは息をのむほど迫力があります。

この2人のアクションシーンは、長回し撮影も実施されているとのことで、これまでの「るろうに剣心」シリーズとはまた違ったシーンになっているところも注目ポイントです。

真剣を使った剣心のアクション

これまでの「るろうに剣心」シリーズとの大きな違いといえば、剣心が持つ刀。明治維新での剣心は、不殺（殺さず）の誓いとして「逆刃刀」を手にしていましたが、幕末時代での剣心は人斬り抜刀斎なので「真剣」を使っています。

真剣を手にした剣心は、そこに立っているだけで相手を抑圧させるかのような殺気を漂わせており、“命を奪い合う”アクションは恐ろしくゾッとするような迫力です。特に、序盤の口に刀をくわえて斬っていくシーンは圧巻。

これぞ幕末時代と思えるような血飛沫に驚愕しますが、それすらも美しく思える剣心のアクションシーンは必見です。

これまでの「るろうに剣心」とは違うアクションも楽しめますし、剣心の立ち姿や視線、表情などにも注目してみてください。

巴の意志の強さ、危うさ

剣心が「不殺の誓い」を立てたきっかけとなる雪代巴とはどのような女性なのか、ぜひそこにも注目して『The Beginning』をご覧ください。

最初はミステリアスで何を考えているのかわからない雰囲気を漂わせていますが、剣心と一緒に日々を過ごす中で、彼女の心が見えてくるようになります。

剣心へ自身の胸の内を明かすシーンは、巴を演じた有村架純さんも印象に残っているシーンとのこと。「決して強いわけではなくて、とっても危うい人だな、と思いながら演じていました」と有村さんはインタビューで語っていました。

美しい立ち姿や儚げな印象を受ける巴ですが、実は弱さを知っているからこその強さなのだと、映画を観ていただければ感じられるはずです。

また、巴の意志の強さが垣間見える最後のシーンも見どころのひとつ。その遺志を心に携えた剣心が、「不殺の誓い」を立てて逆刃刀を持ち、神谷薫と出会い「人を活かす剣」へと変わっていくことを思えば、『The Beginning』というタイトルの意味もわかります。

実写映画「るろうに剣心」シリーズのラストを飾る『The Beginning』は本編ノーカットで地上波初放送となるので、ぜひリアルタイムでご覧ください！

[文・福室美綺]

放送情報

10月21日放送：第5作『るろうに剣心 最終章 The Beginning』

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