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アニメ『魔道祖師 完結編』を観る前に『前塵編』『羨雲編』の振り返り

シリーズ待望の最終章が放送・配信決定──アニメ『魔道祖師 完結編』を観る前に『前塵編』『羨雲編』の振り返り&見どころをご紹介!

 

『魔道祖師 前塵編』(全15話)振り返り&見どころ

Season1の『前塵編』の振り返り&見どころをご紹介します。『前塵編』では、魏無羨が復活し過去に親しかった者たちとの再会。その後、20年前の座学時代の回想へと物語は進み、魏無羨が夷陵老祖として射日の征戦で活躍するまでが描かれます。ラストは16年後、魏無羨が雲深不知処で目覚めるシーンへと移ります。

 

第1話、2話

 

13年前に四大世家により消滅したとされる夷陵老祖・魏無羨。莫玄羽(モー・シュエンユー)の献舍によりその伝説の夷陵老祖が復活します。目覚めた魏無羨は自分の腕に莫玄羽が願いをかけた3つの傷を見つけます。

魏無羨は莫家荘で、邪を祓いにやってきた姑蘇藍氏の子弟である藍思追(ラン・スージュイ)・藍景儀(ラン・ジンイー)と出会います。強大な力を持つ鬼腕を鎮めようとしているところに含光君こと藍忘機が琴の音とともに登場。魏無羨はその場を去り大梵山へ。

彼は蘭陵金氏の金凌(ジン・リン)と江氏宗主の江澄と遭遇し、そこへ藍忘機も現れます。その後、鬼腕に取りつかれた凶暴な天女像を鎮圧するため、魏無羨は屍を召喚するも現れたのはなんと消滅したはずの温寧(ウェン・ニン)。そして、藍忘機は魏無羨を姑蘇へと連れて帰ります。物語は20年前の回想へ。

 

夷陵老祖復活! 圧倒的存在感を放つ藍忘機&江澄との再会

 

復活後、魏無羨は姑蘇藍氏や蘭陵金氏の者たちに会ってなんとも言えないような反応をしていましたが、藍忘機や江澄は特別な存在。再会シーンなど、第1話、2話から見どころ満載です。

温寧を落ち着かせるために別の旋律を奏で始めた魏無羨の手首を掴む藍忘機。一方、邪道を使い鬼将軍・温寧を出現させた莫玄羽の正体が魏無羨だと江澄が大いに疑いをかけています。江澄の法器・紫電で魏無羨の魂を取り出せないのは、文字通り誰かの体を奪う「奪舎」ではなく、正反対の召喚とも言える「献舎」で蘇ったためです。

魏無羨を守ろうとする藍忘機と、魏無羨を連れて行こうとする江澄の対峙も面白いところです。藍忘機が魏無羨を庇い、邪道の術とはいえ正義のために使ったと江澄に言ってのけたことは重要。結果的には、「この者は私が藍家へ連れて帰る」と藍忘機が連れて帰ることに。

ここで覚えておくべきポイントは温寧の存在と、大人になった藍忘機と江澄。異才ぶりを発揮する魏無羨も印象的ですが、美しすぎる藍忘機の登場に魏無羨は目を奪われていたようにも見えます。

藍忘機と江澄の圧倒的な存在感に痺れますが、この20年で彼らに何があったのか、そして、第1話から登場している鬼腕の謎に注目です! (本作で何度か登場する「鬼」という言葉ですが、日本で一般に言う「鬼」とは少し違い、中国では「鬼」は死霊のことを指します。)

 

第3話~6話

 

魏無羨と江澄は雲深不知処の座学に参加し、そこで姑蘇藍氏の第二公子・藍忘機と出会い、清河聶氏の聶懐桑(ニエ・ホワイサン)と友になります。

魏無羨は夜中に姑蘇の銘酒 “天子笑” を飲んだことで藍忘機を怒らせています。藍啓仁(ラン・チーレン)による講義でも叱責を受け、蔵書閣で藍忘機の監視のもと1ヶ月のあいだ書を写す罰を受けることに。

その後、魏無羨や江澄らは、藍忘機とその兄の藍曦臣と共に魔物退治のため彩衣鎮へ。水の怪を撃退後、一行は碧霊湖へと進み水行淵を鎮圧します。

そんななか、蘭陵金氏の金子軒(ジン・ズーシュエン)が許婚の江厭離のことで侮辱し、魏無羨は激怒して金子軒に殴りかかります。罰として彼は跪かせられ、江氏宗主・江楓眠(ジャン・フォンミエン)と蓮花塢へ帰ることに。金子軒と江厭離の婚姻が白紙になり、江楓眠の妻・虞夫人こと虞紫鳶(ユー・ズーユエン)は魏無羨を激しく非難、江楓眠と口論になってしまいます。

 

雲深不知処の座学時代──自由奔放な魏無羨と規律を重んじる藍忘機の攻防

 

品行方正で規律を重んじる藍忘機と、彼にやたらと絡んでくる自由奔放な魏無羨。正反対の二人のやりとり、攻防は見どころです。掟を守らなかったり、イタズラをしてくる魏無羨に怒りをあらわにする藍忘機。孤高の存在でもある彼にとって、こんなことは初めてだったのでしょう。とても平常心ではいられないのです。

雨の夜。藍忘機は、こっそり酒を持ち込む魏無羨を見つけ罰を与えようとしますが、一進一退の攻防の末、魏無羨は藍忘機を巻き添えに塀の外に落下。藍忘機にも掟を破らせ、共に罰を受けることに。

藍曦臣に療養するように勧められ魏無羨が裏山の冷泉へ行くと、そこには藍忘機の姿が。言い合いになる二人ですが、美しく幻想的なこのシーンを堪能したいところ。

10代の少年らしさが残る座学時代と、30代となった現世での藍忘機の大きな変化は注目ポイント。過去では掟に厳しく融通の利かなかった藍忘機からは想像できないくらいに、現世では寛大になり魏無羨を守ろうしています。

大きく変わったのは江澄も。いつも魏無羨の心配をしていた江澄が、現世では江家宗主としての威厳に満ち、紫電を振り回し魏無羨に怒りをぶつけています。

 

第7話~9話

 

温氏の清談会に参加した魏無羨は温寧と出会います。温氏が幅を利かせるなか、狩猟大会では温家の成績が振るわないため温晁(ウェン・チャオ)が傍若無人な振る舞いをするも、藍忘機が見事な腕前で阻止。ところが魏無羨が意図せず抹額を外してしまったため藍忘機は怒りに震え、途中で退場するのでした。

狩猟大会上位4名に子弟が入らず、怒った温氏宗主・温若寒(ウェン・ルオハン)は見せしめに雲深不知処を焼き討ちに。藍忘機は抵抗するも足を負傷、蔵書を持って逃げた藍曦臣は行方不明になっています。

温氏は各世家に子息を不夜天城に寄こすよう通達。温晁は子息たちの剣を取り上げるよう指示し、彼らを餌に妖獣を捕らえようとします。妖獣・屠戮玄武が出現し、温晁は自分たちだけ洞窟から脱出し、入り口を塞いでしまいます。

魏無羨が屠戮玄武を牽制する間に江澄が仙師たちを連れて脱出。一方、洞窟内に残り屠戮玄武と戦う魏無羨のもとに藍忘機が助けに入りますが、藍忘機は深手を負うことに。その後、魏無羨と藍忘機は屠戮玄武をしとめることに成功しています。

 

温氏の清談会、その後 雲深不知処が焼き討ちに

狩猟大会で印象的なのは藍忘機の抹額案件。大会を途中退場してしまうほど藍忘機にとっては大きなことだったのでしょう。藍氏が額に着ける抹額はあまりにも重すぎる意味を持ち、魏無羨はその意味など知るはずもないのです。

ここでは五大世家の政治的な力関係も興味深いところですが、この大会で上位4名に入ったのは、1位から順に魏無羨、藍曦臣、金子軒、藍忘機と、さすがといった面々。ここに温氏が誰一人入らなかったというだけで結果的に雲深不知処が焼き討ちに遭うとは……めちゃくちゃです。

その後、玄武の洞窟で魏無羨と藍忘機は生死を共にします。綿綿(ミエンミエン)をかばったときの魏無羨の胸の焼きごての傷をものすごく気にしている藍忘機ですが、感謝の言葉を伝えるシーンや雲深不知処のことで涙を見せるシーンも必見。魏無羨に本音を見せている貴重な場面です。

この戦いで、魏無羨が屠戮玄武の体の中で見つけた謎の黒い剣は重要なアイテムとなりますのでお見逃しなく。

 

用語解説②

清談会:年に一度、仙門百家が集まり話し合いや宴会などが行われる談話会。各仙門持ち回りで開催されます。
抹額:自らを律するという意味を持ち、取り扱いに慎重を期すべき大切なもの。自分以外、誰も勝手に触れることはできません。唯一、心から愛する人の前でだけは何も律する必要はないと言われています。

 

第10話~12話

 

不夜天では温若寒が監察寮を設けることを温晁に命令。温晁の愛人である王霊嬌(ワン・リンジャオ)が蓮花塢へと乗り込みます。不遜な態度を取る王霊嬌を痛めつけた虞夫人でしたが、そこへ化丹手・温逐流(ウェン・ジューリウ)が現れ、さらに温氏の大軍が江宗主不在の蓮花塢に猛攻撃。

江氏一門は陣を張って蓮花塢を守るも、陣は破られ危機に。虞夫人は紫電の指輪を江澄に託し、魏無羨に命に代えても江澄を守るよう言い渡して二人を逃がします。そこへようやく江宗主たちが帰還するも温氏の強さの前に倒れ、蓮花塢は陥落するのです。

深い悲しみのなか温氏の追っ手から身を隠す魏無羨と江澄でしたが、魏無羨が目を離した隙に江澄が姿を消します。魏無羨は蓮花塢に戻り深手を負った江澄を連れて脱出しようとしますが、そこへ救いの手を差し伸べたのは温寧。魏無羨と江澄をかくまってくれて、さらに温寧の姉であり名医でもある温情(ウェン・チン)が治療をしてくれています。

 

蓮花塢陥落と雲夢江氏のこと

江家において家庭内の溝は深く、夫婦関係は良好とは言えない状態。魏無羨は江家に大きな恩があり、江宗主の実子である江澄は、養子で一番弟子の魏無羨との差にも苦しめられています。江厭離の存在は江家の癒やし。

玄武の洞窟でのことで江澄は無謀な魏無羨を責めますが、逆に宗主に叱責され、それを聞いていた虞夫人が宗主との仲を噂されているという魏無羨の母親・蔵色散人(ゾウシキサンジン)のことを持ち出し不穏な空気に。

傷付く江澄に魏無羨は、江澄こそ将来の宗主で自分は配下、姑蘇藍氏が双璧なら自分たちは雲夢の双傑だと告げます。江澄は救われたような表情を見せていました。

しかしこのあと、江家に悲劇が起きます。宗主不在時の温氏の攻撃でしたが、あの人がいなくたって平気と、ひとり蓮花塢に残った虞夫人の尊厳と家族への情を知ることができます。

魏無羨が虞夫人に紫電で打たれ、後に温情に治療してもらった際に、夫人が全力で紫電を使えばもっと重傷のはずと温情が言っていました。魏無羨を恨んでいたかそうでなかったかは別として、手加減していたのは確かなようです。

 

用語解説③

監察寮:温氏が仙門百家を監視監督するための官署で、各地域に1か所づつ設置。
金丹:修業者が体内に持つ霊力と精神を結びつける核。これにより修業者は仙術を使うことができます。(温逐流は手を使って他人の金丹を溶かすことができるので化丹手と呼ばれています。)

 

第13話~15話

 

魏無羨は、金丹を失い自暴自棄になった江澄の金丹を取り戻すため、彼を連れ蔵色散人の師匠である抱山散人(ホウザンサンジン)が住んでいるという夷陵の山へ送り出します。しかし、魏無羨は温晁につかまり、乱葬崗へと捨てられてしまいます。

江澄は金丹を取り戻すも、魏無羨は行方知れずに。魏無羨の行方を捜し問霊をする藍忘機の前に行方不明だった藍曦臣が戻ってきます。藍啓仁が各世家に打倒温氏を呼びかけるなか、藍曦臣も江澄と決起を呼びかけ、仙門の勇士たちが集結。四大世家は温氏を討伐するべく射日の戦いを繰り広げ、徐々に敵を追い詰めていきます。

その頃、温氏の監察寮では温氏の門弟が怪死する事件が次々と起き、護符を見つけた藍忘機は、それが魔よけでなく妖邪を呼ぶ札だと気付きます。その後、潜伏先を知られてしまい温氏の攻撃により藍忘機や江澄が力尽きようとした瞬間、突然 笛の音が鳴り響き──。

闇に響く笛の音に操られた屍が温氏の仙師たちを襲います。そこへ黒い怨霊に包まれた魏無羨が現れ、温逐流の金丹を破壊し、さらに屍となった王霊嬌を操り温晁を始末。

藍忘機は、邪道を修めれば代償をともなうと魏無羨に忠告し、姑蘇へ行こうと告げますが、魏無羨は藍忘機を冷たく突き放し、江澄と共に蓮花塢へと戻るのでした。そして16年後、雲深不知処で魏無羨は目覚めます。

 

夷陵老祖誕生──藍忘機との衝突が切ない

『前塵編』ラストの見どころは何と言っても温氏討伐を掲げ四大世家が団結し、夷陵老祖のデビュー戦となった射日の征戦。

藍忘機や江澄らは順調に敵を追い詰めていくもやはり温氏は強く、琴をはじく藍忘機の指先は痛々しいことになっていました。お互い好ましく思っていないであろう藍忘機と江澄ですが目的が同じなので共闘しています。そこへ現れた夷陵老祖・魏無羨の強さは圧巻。

魏無羨の変わり果てた姿に驚く藍忘機と江澄。藍忘機は、邪道がもたらす影響を忠告し姑蘇へ連れて帰ろうとしていますが、魏無羨と衝突。ここで、江澄があいだに入り、魏無羨は雲夢江氏の門弟で処罰するにも姑蘇藍氏の手を借りるには及ばないと告げます。

あまりにも悲しい顔をする藍忘機……唇を噛みしめ去っていく姿が切なすぎます‼ けれど、陳情笛を手にした魏無羨もまた、言葉にできない情を訴えているようでもあります。

どんなやり方でもいいと温氏を倒す魏無羨をかばう江澄と、邪道に反対する藍忘機。この二人が今後、魏無羨とどう向き合っていくのかも着目したいところです。現世では、藍忘機が姑蘇へ連れて帰ることになり、江澄と立ち位置が逆転していましたね。

 

 

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