ClariSが語る『リコリス・リコイル』とOPテーマ「ALIVE」のすべて／インタビュー

クララはクルミに似ていた？誰推しかに迷う2人

――せっかくですので、『リコリス・リコイル』の好きなシーンの話をしましょう！

クララ：難しい……。

カレン：たきなの考えたスイーツのところとかは？（第8話）

クララ：あれは食べてみたいな！って思ってます（笑）。でもたくさんいいシーンがあるから絞るのが難しいんですよ。日常のほんわかしたところや、2人でデートするところで洋服を選んだりするところもいいし、たきながちょっとずつ変わっていって、2人の距離が近づいていく感じも自分たちのことを思い出したりしたし……。

でもやっぱり日常シーンは、キャラクターの内面がよく出ていたと思います。どのキャラクターも個性があって、愛したいなと思う部分があるアニメだったので、すごく特別だなと思いました。あとは雪が降る公園のシーンもグッと来るシーンでしたね！

――第9話のラストは最高でしたね！

カレン：確かに選べないですね……。平和を守っているリコリスは常に死と隣り合わせだからこそ、描かれている日常シーンは尊くて、それを噛み締めながら生きている感じがするんですよね。

私は、ミカがHappy Birthdayのカードにあったヨシさんからのメッセージを剥がしてポケットにしまうシーンで、わー！ってなりました（第13話）。みんなが大好きな、たきなの「さかなー」のシーンも好きで、あそこで2人の距離がかなり近づいた気がするんです（第4話）。あとは喫茶リコリコに仲間が増えていく感じも好きで、常連さんもキャラが濃いんですよね。でも最終的に千束を中心にみんなが動いているなって思います。うーん、こんなに選べないアニメは初めてかもしれない（笑）。

クララ：印象的なシーンが多いよね（笑）。

カレン：アイキャッチも良かったし。

クララ：付属のポスターに散りばめられているシーン、ひとつひとつに対して語りたい（笑）。

――あえて出さないでいただきましたが、最終話で「ALIVE」が流れたシーンの話もしましょう。

クララ：「ALIVE LycoReco Version」を作ると聞いたときは嬉しかったですし、どんなシーンで流れるんだろうとドキドキしながら最終話を見ていたんです。

――流れることは知っていたのですね。

カレン：どこで流れるか教えてあげようか？って言われたんですけど、アニメと一緒に知りたいです！と言いました（笑）。

クララ：最終話で千束と真島が戦っていて、そこにたきなも来る……すごくドラマチックで激しい戦いが繰り広げられている中で流れていて、しかも私たちの歌は変えずにアレンジだけを変えたんですけど、同じテンポなのに歌詞がなぜかゆっくりと聴こえたというか。戦闘もスローモーションに見える感覚だったんです。

それもあって、千束とたきなの感情に歌詞がよりリンクしているような感じがして、グッと心を掴まれました。自分たちの歌なのに（笑）。戦い終わったあとにタイマーが切れて花火が打ち上がる展開も衝撃的でしたし、やっぱり私はここが一番印象に残っているシーンです。

カレン：〈命を燃やして今を生きていくだけだから〉という歌詞にぴったりのシーンでしたよね。私も戦闘シーンがゆっくりに見えて、ダイナミックで臨場感がある感じだったので、自分もそこにいるような気持ちになっていました。

みんながみんな守りたいもののために必死に動いているのに、それで戦いが起こってしまうのが悲しいなって思いましたし、ひとりひとりのことを考えると胸が熱くなるんですよね。『リコリス・リコイル』って一度見ただけでは理解しきれないストーリーの深さがあるので、もう一度、一瞬一瞬を見逃さないように、しっかり見直そうと思っています！

――最後の戦いでOP楽曲が流れて盛り上がるアニメは名作ですからね。

カレン：歌詞をなぞるようにストーリーが進んでいたのも良かったですし、最後にさユりさんの「花の塔」で終わったのもリコリコっぽいですよね。明るく終わったのは好きなポイントです！

――そして「ALIVE - From THE FIRST TAKE」も今回収録されますが、見つめ合って歌うのもなかなかない機会ですよね。

クララ：基本的にレコーディングは1人ですし、同じブースで踊らずに歌だけを歌う経験は初めてだったので緊張しました。しかもこのバージョンではテンポも落として、よりドラマチックなアレンジにしていただいているんです。

原曲でも歌詞の想いは強く届けましたけど、テンポがゆったりになったことで、ひとつひとつの言葉を噛み締めながら、それこそ千束とたきなの想いも感じながら、前にいるカレンに向かって歌うという気持ちで、感情を込めて歌えたと思います。

それと一発録りの収録なので、100%私の歌を表現できなかったかもしれないですけど、その時にしか感じられない、その時の私たちにしか歌えない歌を残せたことは嬉しいです。

カレン：レコーディングのときと違い、アニメを見た上での『THE FIRST TAKE』だったので、歌詞の意味に、千束とたきなの想いが乗っかってきたこともあって、また違う感情で歌えました。テンポを落としたことで、私も一言一言を噛み締めて歌えたし、クララとの掛け合いもよりグルーヴ感が感じられたなと思います。目を合わせて１曲まるまる歌うことはなかったので、お互いの呼吸感も『THE FIRST TAKE』だからこそ伝わるものがあったんじゃないかなと思います。

クララ：普段はファンの皆さんへ歌を届けるけど、お互いに届け合う感覚もあったから、それは新しいことでした。